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オズのモジャボロ

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第一幕その四

「だからお風呂から上がったらね」
「来られるんですね」
「そうよ、あの人綺麗好きなのよ」
 実はそうなのです、外見は確かにモジャモジャとしていてボロボロの服を着ていますがそれでもなのです。
「毎日お風呂に入ってるのよ」
「お風呂は入られる時は入りたいですよね」
 恵梨香はにこりとしてお風呂のことについて言いました。
「やっぱり」
「そういえば恵梨香達って綺麗好きよね」
「はい、大好きです」
 恵梨香が五人を代表して言います。
「とても」
「そうよね、だからよね」
「はい、はじめてオズの国に来た時も」
 マンチキンの国からエメラルドの都に行った時です、その時にもだったのです。
「毎日水浴びはしていました、皆」
「身体を綺麗にしていたのね」
「はい、そうでした」
 このこともドロシー達にお話するのでした。
「オズの国の河はとても入りやすいですよね」
「そうそう、入ろうって思ったらね」
 どうなるのか、今度はカルロスがお話します。
「川辺とかお池の傍には絶対に石鹸やシャンプーの入った容器があるよね」
「石鹸の木とかシャンプーの木ね」
「絶対にあるよね」
「どちらも水辺にある木だから」
 それであるとです、ドロシーがカルロスにお話します。
「欠かせないわよ」
「あれが凄く助かったよ、タオルの木もあって」
「オズの国なら何処にもあるわよ」
 その三つの木は、というのです。
「この国ならね」
「何処にもなんだ」
「ええ、そうよ」
「それが凄く有り難いよ」
「その三つの木があるからオズの国の人は皆とても清潔なの」 
 何時でも身体を清められるからです。
「とてもね」
「だから旅の間も」
「そう、川かお池があればね」
 それでなのです。
「何時でも身体を綺麗に出来るわよ」
「食べものの木もあるし」
「そう、何の心配もいらないわよ」
「しかも危険なこともね」
 道中のそのことについてはです、オズマがお話します。
「モジャボロがいてくれれば安心でしょ」
「はい、愛の磁石でどんな悪い人も心をモジャボロさんを好きになってくれるから」
「だからですね」
「そうよ、もっともオズの国に悪い人はいないわ」
 恵梨香とナターシャにこのこともお話するオズマでした。
「けれど癖の強い人達もいるから」
「例えばキッチンランドの人達ね」
 ドロシーがお話するのはこの国の人達のことでした。
「あの国の人達は結構癖が強いから」
「そういえばドロシーさんはあの国で悶着がありましたよね」
「あまりいい経験ではなかったですね」
「そうなの、ちょっと嫌な目に遭ったわ」
 ドロシーはかつてカドリングの国に行った時のことを思い出して少しそのお顔を曇らせました。そのうえで五人にお話します。
「あの国ではね」
「だからですね」
「そうした人達のことも」
「そうよ、モジャボロがいてくれたらね」
「私達に対する敵意がなくなって」
「危険なことを切り抜けられますね」
「だから安心してね」
 そうした危険なこともだというのです。
「あとカドリングで危ない場所は全部私達の頭の中に入っているから」
「トンカチ族とかですね」
 ジョージがカドリングの彼等のことをお話に出しました。 
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