レインボークラウン
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第百十八話
第百十八話 肉は
華奈子もだった、ここで皆に言った。
「お肉でしょ、甘口カレーに合うお肉って」
「具体的に何がいいかしら」
春奈は華奈子にも首を傾げさせて言った。
「一体」
「ううん、牛肉とか」
「オーソドックスだけれど」
「どうかしらね」
「甘口のビーフカレーもあるけれど」
それでもだと言うのだった。
「どうかしら」
「カレーっていえばね」
華奈子はふとこんなことも言った。
「やっぱりインドよね」
「インドは牛肉食べないわよ」
華奈子にすかさず美奈子が言ってきた。
「宗教の関係で」
「あっ、そういえばそうよね」
「カレーの本場だけれど殆どの人が牛肉を食べないの」
「牛が神様の使いだからよね」
「それでなの」
ヒンズー教の教えである。牛には数多くの神が宿るこの上なく神聖な動物だからだ。食べることなぞかんがえられないのだ。
「インドではビーフカレーはないの」
「じゃあここはビーフカレー以外とか?」
美奈子の話を聞いてだ、こう皆に言った華奈子だった。
「そうする?」
「それじゃあチキンカレーとか?」
美樹がこのカレーを提案した。
「安いし美味しいし」
「あっ、チキンカレーね」
「それね」
「カロリーも少ないっていうし」
高タンパク低カロリーだ、実にヘルシーな食品でもある。34
「いいと思うけれど」
「ええんちゃう?」
「そうよね」
亜美と赤音がお互いに顔を見合わせて美樹の提案に賛成した、そして梨花も。
「いいわね、食べやすいし」
「そうよね、お兄ちゃんも大好きだし」
春奈は彼女の大好きな兄を基準としていた。そして華奈子と美奈子も。
「インド風だとね」
「それよね」
二人は本場を判断の基準に置いていた、こうして六人共だった。
美樹にだ、こう言ったのだった。
「それじゃあね」
「チキンカレーにしましょう」
「よし、決まりね」
美樹は六人の言葉を受けてだ、そうしてだった。
七人が作るカレーは決まった、甘口のチキンカレーだ。それを作ると決めたのだった。
そのことを決めてから今度は作る日の話をした。その日は次の日曜になった。その日に皆でカレーを作ることにした。
第百十八話 完
2014・3・24
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