転生とらぶる
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コードギアスR2
0600話
ラグナロクの実験をしてから1週間程。その間にも、俺はギルフォードやクラウディオ、あるいは他のグラストンナイツとの連絡を取り準備を進めていた。そして……とうとうその時がやってくる。
「……何?」
念の為とギルフォードに渡していた通信機から聞こえてきた声に、思わず尋ね返す。その時に戻って来たのは、珍しくどこか焦ったような声だった。
『だから今も言ったように、以前アクセルから忠告されていた機密情報局が動き出した。どうやらバベルタワーで何らかの作戦を行うらしい』
「詳しい作戦内容は?」
『いや、駄目だな。向こうは皇帝陛下直轄の部隊で、しかも今回の作戦の指揮を執っているのは貴族だ。カラレス総督に対しても地方の役人程度の認識しか持っていない』
ちっ、無能な貴族程厄介極まりないな。……いや、一応皇帝の直轄機関でもある機密情報局で作戦の指揮を執るって事は有能なのか。ただ単純にブリタニア貴族特有の傲慢で総督のカラレスを相手にしていないだけで。
「で、その作戦はいつ行われるんだ?」
『……明日だ』
「何?」
ギルフォードの答えに、思わず尋ね返す。幾ら何でも、エリア11の責任者でもあるカラレスに作戦決行前日になってから連絡を寄こすというのは有り得ないと思うんだが。
『アクセル、お前がそう思う気持ちも分かる。実際、カラレス総督も連絡が来た時は不愉快そうだったしな。何しろ一方的に明日バベルタワーで自分達が作戦行動を起こすと通告してきただけだ。許可を得るでもなく、な』
「……いやまぁ、逆に考えればタイミング的には問題無いと言えば問題無いのか。それに、前日となるとあの機体も……ふむ、これは逆に幸運だったか? それに黒の騎士団の戦力は出来るだけ削いでおいた方が俺の計画のためにも丁度いい。なら予想よりも少し早いが、行動を起こすべきだな」
『アクセル?』
「ギルフォード、ブリタニア軍にヴィンセントの初期量産試作型が運び込まれている筈だが、どこにあるか分かるか?」
『いや、私は姫様の件でカラレス総督に警戒されているからな。重要機密に関しては知らされていない』
「なら……そうだな。確かキンメル卿とかいう貴族との面識は?」
『キンメル卿? 何故アクセルがその名前を?』
訝しげに尋ねてくるギルフォード。その口調に浮かんでいるのは、驚き。そして……嫌悪?
「どうやら知っているらしいな。親しい関係か?」
『やめてくれ! あのような輩と親しいと言われるのは心外だ』
ギルフォードにしては珍しく、吐き捨てるかのようなその態度は意外だった。
「どうやら親しくはないらしいな」
『ああ。話の流れから言えば、キンメル卿がヴィンセントの初期量産試作型のパイロットなのか。確かに彼なら……』
どうやら親しくはないが、腕の方はある程度認めているらしい。
「そのキンメル卿とやらがどこに住んでいるのかを教えてくれ。ヴィンセントの奪取はこちらでやる」
『待て。確かに機体は奪取出来るかもしれないが、起動キーやパスワードはどうするつもりだ』
「別に俺が乗る訳じゃないからな。今回の件は黒の騎士団の戦力を削るという意味と、シャドウミラーがKMFに関しての技術的蓄積を得る為のものだ。この世界のプロテクト程度は技術班に掛かればすぐに解除されるだろうさ」
『……黒の騎士団? キンメル卿が黒の騎士団に通じていると? あの差別主義者が?』
……なるほど。どうやらキンメルとやらは典型的なブリタニア貴族らしい。それでもヴィンセントを与えられている事を考えると、パイロットとしての腕はいいんだろうが。
「正確には違うな。ガウェインと同様の末路を辿るだけだ」
『ガウェインと? ……なるほど。言いたい事は分かった』
俺の言葉に納得したのだろう。すぐにキンメルとやらの宿舎の場所をギルフォードが口に出し、それを覚える。
「了解した。なら俺は今夜にでも行動に出る。……そっちは明日中華連邦の大宦官と会うんだったな?」
『ああ。カラレス総督直々の要請でな。今の私ではそれを断りきれん』
「別に断る必要は無いさ。それに、お前に取ってもそう悪い事じゃないだろう」
『何故だ?』
「明日の大宦官のお付きとして、黎星刻が行動を共にする筈だ。向こうにもお前という存在がいる事を知らせておくから、どんな人物か直接会って確かめてみるといい」
『黎星刻。……なるほど。シャドウミラーが建国する新国家を実質的に動かすとアクセルが見込んでいる男か。確かにこの目で直接確認するにはいい機会だな。分かった、顔合わせするのを楽しみにしていよう』
その言葉を最後に、通信機が切れる。
さて、星刻とギルフォードの顔合わせも見てみたいが……今はそれよりもヴィンセントだな。ウォードの方はギルフォードやグラストンナイツがどうにかして情報を抜き出してきてくれるだろうが、初期量産試作型はスペックはウォード以上だがコストが高い為に数が少ない。それにウォードなんかはブリタニアとの戦いになれば鹵獲機を入手する機会もあるだろうが、こっちはそうはいかない。可能性としてはブリタニアの吸血鬼のハーレム部隊から奪う事だが、トウキョウ決戦がそもそも起きるかどうか分からないだけに何とも言えない。
「だからこそ、現物は貴重な訳だ」
呟き、外へと視線を向ける。窓から見えるのは夕日。暗闇に紛れるのが得意な俺としては、忍び込むのは夜になってからだな。なら外で食事でもして時間を潰すか。
そのまま、空腹を訴えてくる小腹を鎮めるべくホテルの外へと出掛けるのだった。
「……さて。そろそろいいか?」
テーブルの上にあるピザ。その最後の1枚を口に運びながら店の外へと視線を向ける。
そこでは既に太陽が沈み、夜となっている。
もちろんここがブリタニア政庁のお膝元である以上は、ネオンやら何やらで真っ暗闇ということはない。だがそれでも、俺が活動するにはこれ以上無い時間帯であるのも事実なのだ。
……それにしても、以前も思ったがブリタニアの街で敵対国家であるEUに所属しているイタリア料理店がよく普通に店を出していられるな。いや、もちろん経営者とかは恐らくブリタニア人なんだろうが。
そんな風に思いながら支払いを終え、近くにある公園へと向かう。既に何度となく利用している、ブリタニア政庁の近くにある公園だ。
「人は……ちっ」
ブリタニア人のカップルがベンチでイチャついているのを見て舌打ちを1つ。
もちろん影のゲートを展開するのに邪魔だから舌打ちしたのであって、見せつけるようにイチャついてるんじゃねーよ、何て気持ちは殆ど無い。無いったら無い。
……俺もホワイトスターに戻ったら3人とゆっくりしよう。
そんな風に思いつつ、ベンチから見えない場所まで移動して影のゲートを展開。そこに身を沈めていく。
そして次に姿を現したのは、ブリタニア軍人の宿舎の中。さすがに貴族制を取っているだけあって、宿舎の中はそれなりに整えられている。例えば値の張りそうな絵画が飾られていたり、壺があったりと。
いや、これは恐らくカラレスの趣味だろうな。俺がコーネリアに傭兵として雇われている時には質実剛健な感じだったし。……待て。芸術家気質だったクロヴィスが総督をしていた時はどうだったんだろうな? 俺がこの世界に来た時にはもうゼロに暗殺されてコーネリアが総督になっていたが……まぁ、今はそんな事はどうでもいいか。とにかく、ギルフォードに教えて貰ったキンメルとやらの部屋へと影のゲートで移動して、執務用の机と思われる影からスライムを伸ばして周囲の様子を探るが……
「いない、か」
スライムは音や熱といったものを感知していない。いや、正確に言えば感知はしているのだが、それらの全てはこの部屋の外からだ。つまり今この部屋には誰もいない訳だ。
「まぁ、一応予想はしていたけどな」
溜息を吐きながら、影のゲートから姿を現す。
爵位持ちという事で、宿舎の中でもいい部屋を使っているのだろう。縦が2m、横が3m程の大きなガラスの窓から、月明かりが部屋の中を照らしている。
……軍人の宿舎でここまで大きい窓って必要なのか? いやまぁ、部屋を漁る俺にしてみれば助かるんだが。
「まずはコンピュータからだな」
呟き、空間倉庫から毎度お馴染みハッキングプログラム入りのデータディスクを取り出す。同時に、ギアス世界のコンピュータにハッキングプログラムを読み込ませるためのリーダーも。特異な発展を遂げているギアス世界だけに、コンピュータも一種独特な進化を遂げているんだよな。とは言っても、さすがにシャドウミラーの誇る技術班だけあって1時間も掛からずにこのリーダーを用意してくれた。
そしてハッキングプログラムを通してコンピュータを起動。そのまま中身のデータを根こそぎ空ディスクの中へと突っ込んでいく。
貴族とは言っても、所詮はテストパイロットでしかない人物だ。何か有益なデータがあるとは思えないが、それでもKMFに関するデータやら何やらが中に入っている可能性は高い。
データを吸い出している間に、コンピュータを操作しながら適当に中のデータを読んでいく。まず見つけたのは報告書。これによると5番格納庫にヴィンセントが置かれているらしい。そして続けて見つけたのは……
「ちっ、確かにギルフォードが嫌う訳だ」
舌打ち1つ。
「いい趣味してるな、キンメルとやらは」
モニタに表示されているのは殺人の映像だ。いわゆる、スナッフムービーって奴だな。しかも対象はイレブン。つまりは日本人だ。悪趣味極まりない。
テストパイロットに選ばれるだけであって、腕はいいんだろうが……こんな奴は試作機を受け取っただけだとお仕置きが足りないだろう。確かハッキングプログラムに丁度いいのがあったと思うが……ああ、これだこれ。
コンピュータ内にあるデータを手当たり次第に送りつけるって奴。これを使ってキンメルとやらの性癖を周知してやろう。
データのコピーが終わったところで、新たなハッキングプログラムを使いウイルスに感染させてやる。これで準備OKっと。
「……ん?」
そしてコンピュータの電源を切ったところで都合良く聞こえてきた足音。もっとも、扉越しだから普通は聞こえないんだろうが。
とにかく入ってくるキンメルに見つからないように影の中へと姿を隠すと、1分もしないうちに扉の鍵が開かれて目標の人物が入ってくる。幸い1人で部下やら取り巻きといったものは存在していない。これは運が向いてきたな。
「ふぅ。今日の仕事も終わりか。……しかし、上も分かっているではないか。私をヴィンセントのテストパイロットに選ぶとはな」
ドサリ、と部屋の中にあるソファへと腰を下ろし、テーブルの上にKMFの起動キーを置きながら呟く。これがヴィンセントの起動キーだろう。
ご機嫌だな。どうやら酒でも入っているらしい。全く暢気な事だが、俺にとっては幸運以外の何ものでも無い。
口元に笑みを浮かべつつ、キンメルの座っているソファの後ろから姿を現し……
「これで私も手柄を立て、より上に……いずれはカラレスのような粗野な男よりも上に立ってみせる」
「そうか、これから大変になるだろうが頑張ってくれ」
「なっ!?」
耳元で聞こえた俺の声に、咄嗟に振り返ろうとしたキンメルの首筋へと手刀を繰り出して気絶させる。
「精々いい夢を見るんだな。明日からはそれどころではなくなるんだから」
呟き、そのままテーブルの上に置かれていたヴィンセントの起動キーを手に、再び影のゲートを展開。コンピュータの中の報告書に書かれていた5番格納庫へと向かう。
一応コーネリアの部下として雇われていた時には俺もブリタニア軍の施設は使っていたので、目標の5番格納庫がどこにあるのかというのは知っている。おかげで特に迷う事もなく影のゲートで格納庫内へと姿を現し……
「あったな」
ポツリと呟く。
視線の先にあるのは金色の機体。俺の目当ての品であるヴィンセントだ。
全長はKMFらしく5mを切っており、恐らく4.5m弱といったところだろう。ランスロットの系譜であるのを示すかのように、その意匠はどことなくランスロットを想像させる。もっとも、ランスロットの量産型というコンセプトで開発されただけあって随分と簡素化はされているが。ガンダムに対するジムのように極端ではないが、ガンダムに対する08MS小隊に出て来る陸戦型ガンダムという印象は受けるな。
腰にはスラッシュハーケンが装備されており、背中にはランスロットから引き継いだMVSが2本。確か基本的にはランスだが、分けると剣としても使えるようになっていた筈だ。
本来であればルルーシュの記憶を戻すための作戦で、黒の騎士団にランスロットを思わせるような脅威を抱かせる機体。だが……
「悪いな、お前の出番は無い。このままホワイトスターの技術班に引き渡させて貰おうか」
呟き、金色の装甲へと触れ、空間倉庫へと格納。その後は誰に見つかる事も無く再び影のゲートで格納庫を抜け出してホテルへと戻るのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:0
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
撃墜数:509
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