転生者が歩む新たな人生
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第57話 ネギま編エピローグ
前書き
こんなカタチになりました。
ネギが脱走した。
しかも時の彼方へ。
こう言っては何だが、驚いた。
原作でも航時機(タイムマシン)を使って過去に戻っているが、原作では「魔法バレ」という致命的な事件が起きほとんどの魔法先生がオコジョ刑一直線だったのだが、この世界ではそこまで酷くない。しかも、世界樹が無くなっている関係で1月後には麻帆良結界すら維持できなくなってしまう。そんな中で高畑氏はともかくそれ以外の先生がネギに協力するとは思えなかったのだ。故に、ネギの行動が成功するとは思ってなかった。ネギは一部以外信望ゼロだし。というかマイナスだし。
結果的に協力したのは高畑氏だけで、他の魔法先生は間抜けなことに普通にネギ達に出し抜かれだけのようだ。
そして6カ所の魔力溜まりの1つを航時機使用により完全消費してくれたため、麻帆良結界は結界構成のバランスが崩れ、長くて1週間程度しか保たない始末だ。
これにはまいった。
というか、結界担当班の魔法先生は涙目だ。魔力溜まりの魔力を少しでも効率良く使い、1分1秒でも長く保たせようとしていた努力が水の泡なのだから。
唯一救いと言えるのは、ネギの逃亡補助をした高畑氏が悪びれず直ぐ捕まえれたことだ。どうもなんら悪いことをしたとも思っていないようで、逃げる気配すら無かったらしい。
あきれ果ててものも言えんかったけど、もうこれ以上の不始末は勘弁して欲しいので、「内政干渉上等」で高畑氏や学園長に対し、オコジョ刑を執行させた。
学園長なんかは表の拘留が解ければ、なんやかや言って刑の減刑や取り下げを計っただろうから、ある意味最善なのかも知れん。オコジョにして魔力封じの別々の籠に閉じ込めたので、もう何もできないだろう。
いい気味である。
ネギが時の彼方へ逃亡して1週間。
麻帆良結界ももう1日か2日ぐらいしか保たない状況で疫病神が現れた。
疫病神の名前は「アルビレオ・イマ」、「紅き翼」の一員でネギの魔法の師匠でもある。
当然会いたくなかったし、会う必要性も感じなかったので、関東魔法協会に対応してもらったが、なんとオレの両親であるところのナギ・スプリングフィールドとアリカ・アナルキア・エンテオフュシアは世界樹の下にあった古代遺跡にいたらしい。魔法世界での秘密結社であるところの「完全なる世界」 の首領である「造物主」をナギの身体に封印し、世界樹の魔力を使ってアリカ母さんがナギを自分共々封印していたそうだ。
ここまで聞けば予想はつくが、世界樹が無くなったせいでアリカ母さんの封印が解け、封印が解けたナギの身体を乗っ取った「造物主」はその遺跡にあった魔法世界に通じるゲートを使って、魔法世界へ逃亡したらしい。
で、そのことについての報告と「造物主」の捕縛についての協力を要請しに来たらしい。
ついでにナギ・スプリングフィールドとアリカ・アナルキア・エンテオフュシアの息子であるオレとの面談を要請しているらしいが。
ちなみにアリカ母さんはそのままナギ及び「造物主」を追いかけて魔法世界に渡ったらしいよ。
まぁ、関係ないが。
元々前世の記憶があって、今世の両親を自分の両親として思うのが難しいのに、今世の両親は前世のコミックの登場人物なんだぜ。しかも1歳というものごころ付く前に別れて育てられた記憶もない。これでナギ・スプリングフィールドとアリカ・アナルキア・エンテオフュシアを両親と思えというのは無茶振りだと思う。しかも、4歳以降は月村家で育てられているから、今世の両親は月村の両親で、ネギではなく忍義姉さんとすずかを自分の姉妹と思うのは仕方ないと思う。
当たり前だが、日本異能協会では「造物主」が魔法世界で何をしようが放っておく方針だ。日本或いは地球世界で何かするというなら相応の対処はもちろんするが。
間違っても前大戦のような関わり合いなんぞするわけもない。
日本異能協会に吸収合併が決まっている関東魔法協会も、日本異能協会の方針に沿うように協力もできない。
一応現在の麻帆良学園の後ろ盾であるメガロメセンブリア連合には報告したようだが、それ以上は無理だ。
ぶっちゃけ、人材が質量ともに足りない。
最大戦力である2人はオコジョだし。
☆ ★ ☆
アルビレオ・イマとは結局会った。
会うつもりもなかったが、図書館島における罠に関する全権と内部情報、古代遺跡に関する情報をちらつかされ、上の人間が折れた。
実際図書館島について世界樹の魔力が喪失してしまえば、保存の魔法がいつ切れてしまうかわからず、膨大な量の書籍を救うためには仕方がない。
で、アルビレオ・イマと会って話したが、原作で受けた通りの印象の人物で、一言で言うなら「ウザイ」。
しかもライフメイカーに体を乗っ取られたナギ・スプリングフィールドが魔法世界へ逃亡するときに立ち合っていたらしく、ナギの伝言とか言いつつ自分のアーティファクト「イノチノシヘン(ハイ・ビュブロイ・ハイ・ビオグラフィカイ)」で、ナギに10分間だけ変化しやがった。
で、まあ、人生2度目の父親とのまともな会話。
もっとも3歳の時のあの悪魔襲撃時の会話がまともな会話だとすればだが。
会話内容は一言で言えば不毛。
こっちは「両親に捨てられた」と主張、向こうは「それがお前達のためだった」と反論。
いやもう不毛不毛。
まったく会話は平行線。
唯一の収穫はナギ・スプリングフィールドが使っていた魔法における解呪パスワードを入手できたことだ。
おかげで後日エヴァの登校地獄は解呪できた。
ちなみにこのパスワード、エヴァの登校地獄用のものは別口で用意されていたらしく、そちらは学園長、高畑氏、詠春氏、アルビレオ・イマの4人の関係者には伝えていたらしく、しきりに首を傾げていた。
一応、自分がエヴァを解呪できなかったときのことはさすがに考えていたらしい。
最後に「………サギ、俺を殺しに来い」とかほざいてましたが、ガン無視です。「それで全てが終わる。待ってるぜ」とも言ってましたが、「知ったことか」というのが正直な感想。魔法世界のことをこっちに持ち込むなと言いたい。
とまぁ、思いも寄らぬアレコレはあったが、アルビレオ・イマも2人を追って魔法世界へ退場。
ちなみにその後直ぐに魔法世界へと繋がるゲートは破壊した。こんな物騒な物は日本に置いておいては如何だろう。
☆ ★ ☆
世界樹の下に隠されていたゲートも破壊し、一息がついたのでとっとと麻帆良を出て海鳴に戻る。
ちなみに、ネギ一行及び朝倉については、麻帆良祭で事故死したことになった。この辺は高畑氏への尋問により、時航機(タイムマシン)が実在したことと、それに対する俺の見解---ネギがそれ以前に使った時に複数確認されたことによる時間遡航と平行世界の出現、それによる二度とこの世界に彼らが戻って来れなくなること---が鑑みられそういう結論となった。
当然これにより麻帆良学園の声望は地に落ちることになるが知ったこっちゃない。
ネギ一行の家族らにも申し訳ないが、長瀬の親族以外、魔法について説明できない以上正直どうしようもない。下手に失踪したとか言って期待させるよりはましだと思いたい。
なお、麻帆良学園は様々な不祥事---麻帆良祭で大学部のISコア盗難、ネギ一行らの事故死等---の責任を取って学園長及び理事会の総辞職や教職員の入れ替え---実際は魔法先生の本国への帰国---等々色々重なり、7月に入っていたこともあり、9月1日までの休校が決定した。
余談だが、女子中等部3-Aはクラスとして成立しなくなったため、2学期から他のクラスへと振り分けられることとなる。
海鳴に戻り日常生活を送ることになるがったが、1つだけ困ったことがある。
木乃香の様子がおかしい。
神楽坂と桜咲という2人の親友をネギのために失ってしまい、どうして止められなかったか悔やんでいる。
しかも桜咲の書き置きを見る限り、桜咲は時間移動について---どうやらネギと一緒に経験済みだったらしいが---まったく理解しておらず、自分の良いように解釈していたようだ。木乃香と別れることになるとはまったく考えていなかったことがその文面から読み取れる。
ある意味それは正しいだけに質が悪い。
確かに桜咲の主観では途切れることなく木乃香という存在と一緒にいれるのだから。
時間移動して過去に行くとどうなるかというと、時間移動した時点でその時間軸が消滅するというパターンと時間移動することによって、移動者がいなくなった時間軸Aと移動者が移動した過去の時間軸Bが成立し、時間軸Bで移動者がどういう行動を取ろうと、別の時間軸になっているので、時間軸Aには影響を及ばない。そして、時間軸Bにおいて移動者が時間軸Aにおいて過去に移動した時間に至ってもそこで時間軸が統合されるなんて起きることもない。これは麻帆良祭1日目でネギが複数目撃されている時点で立証されており、仮に時間軸Bから未来に時間移動したとしても、それは時間軸Bの未来に移動するのであって、時間軸Aに戻ることには成り得ない。
つまり、ネギと共に時間移動した桜咲は時間移動した先の木乃香に会うことはできるが、木乃香はこの時間軸に置いて行かれたという結果が残っただけだ。
そりゃぁ、やるせない。
一応一緒に住んでいるフェイトやアルフやはやて、ついでにオレの世話をリニスと一緒にすることで気が紛れているのか引き籠もっていないが、これで1人なら引き籠もるか自殺していたかも知れない。
何とかしたいが、結局時間が解決するのを待つしかできないのが我がことながら情けない。
後書き
つめこんだ感じは多々しますが、こんなカタチでネギま編は終了です。
感想で疑問なんかを上げていただければそれに答えるカタチで本文に付け加えるかも知れません。
ページ上へ戻る