ハイスクールD×D~進化する勇気~
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第十六話
黒歌SIDE
今、私の目の前のベッドでは小猫……いや、私の妹、白音が寝ている。
理由は分かりきっている。この子には修行のメニューが渡されたのだがそれを無視して自分に過酷なメニューばかりしていた。
それのせいで、白音は倒れた。
「小猫!?」
と、見ていたらグレモリーが来たらしい。
「貴女……小猫に何したの!?」
「私は何もしてないにゃ。小猫が……白音が望んだ結果がこれにゃ」
「小猫がこんなの望むわけないわ!!」
どうやらこの小娘は白音の事をまったく理解していないらしい。
「白音が起きるにゃ。ちょっと黙ってほしいにゃ」
我慢だにゃ。このままでいればあの事を言わないで済むにゃ。
「黙るのはむしろ貴女の方だわ。早くここから出て行って」
「出て行かないにゃ。私には白音を見守る義務があるにゃ」
「義務?見捨てた妹を見守る義務ってのは義務とは言わないわ!」
私はその言葉に我慢ならなかった。
「いい加減にしろ!!お前に……お前なんかに私と白音の何がわかる!!」
私は思わず立ち上がり大声を出してしまう。
そんな私にグレモリーも驚いたようで顔に出ている。
「私と白音は……小さい頃からずっと一緒だった!一緒に支え合って生きてきた!」
「そして悪魔に眷属にならないかと誘われて……私はすぐに眷属になる事にした!」
「だって……眷属になれば白音に美味しいご飯を食べさせれたから!」
「でも……その悪魔は私だけじゃなく白音も眷属にしようとしたのよ!しかも自分の私利私欲の為だけに!」
「もちろん、私は反対した!でも……その悪魔がなんて言ったかわかる?「道具は道具らしくご主人様の言うことだけ聞いてりゃいいんだよ!」って言ったんだよ!!」
「っ!!」
私の言葉にグレモリーは驚く。
「それからの事は……あんたも知ってるでしょ?私は主人を殺したはぐれ悪魔として指名手配された……でも白音に罪はなかった……だから悪魔の中でも良心と言われてたサーゼクス・ルシファーの所に白音を預けた……その真実を隠して……」
「な、なんでその事を……?」
「真実を話したら……白音は自分のせいだと自分を責めちゃう!!そんなの……私には耐えきれなかった!耐えきれなかったのよ!!」
私は泣きながら叫び……ベッドのシーツに顔をうずめる。
「……お姉様」
その言葉に私ははっと顔をあげる。
そこには顔をあげて私を見ている白音の姿があった。
「し、白音……もしかして、今の話……」
「はい、聞いていました……」
しまった、白音には絶対に聞かせたくなかったのに!
「……部長、お願いします。部屋から出て行ってください」
「で、でも小猫……」
「お願いします、お姉様と二人っきりにしてください」
最後の最後まで納得せずにグレモリーは部屋を出て行く。
そして部屋には私と白音だけ。
「……お姉様。先ほどの話、本当なんですね?」
「……そうにゃ。私は白音の事を守るために、主人殺しをしたにゃ」
どんな罰でも受ける覚悟で白音の次の言葉を待つ。
「……お姉様が……お姉様が私をずっと守ってくれていたんですね」
そう言った白音は……嬉しさからか、目から涙が出ていた。
「私はまだまだですね……お姉様の真意に気づけないで……勝手に毛嫌いして……」
「そ、それは気づくわけないにゃ!これを知ってるのは私と魔王サーゼクスだけなのにゃ!」
「それでも……お姉様を傷つけてしまいました…‥ごめんなさい、お姉様……!」
白音は私の頭を抱きしめる。
そっか……こんなにも大きくなってたのにゃ……。
「いいのよ、白音……いいの……!」
「うっ……ひっぐ……!」
そして私は白音の背中をさすりながら泣き、白音も私の頭を抱きしめたまま、泣きつづけた。
それは私たちの仲が修復されたと思った瞬間だったにゃ……。
SIDE OUT
グレモリー先輩は出て行ったのを確認すると俺はドアをノックしようとする。
しかし部屋の中からすすり泣く声が聞こえてきた。
「これは……俺たちはお邪魔虫になるかもな」
『ああ、ここは二人だけにしてやろう』
ドライグも俺と同じ事を思っていたのだろう。そう言ってきた。
「さて、それじゃ祐斗を鍛える為にもう少し頑張るか」
『うむ、そうだな。もう少しで雷切も完璧になるし、後は……』
「ああ、一刀修羅だけだな……」
あれに関しては回数重ねないといけない感覚は掴めないからな。
「まあ、なんとかなるだろ」
俺はそう結論を出して、祐斗のこれからの特訓メニューを組み立てた……。
「で?これはどういう状況なんだ?」
「なんだ、イッセー。こっちに来ていたのか。見ての通りだ、こいつが起きるのを待っている」
俺の前にいるのはドラゴン、そうタンニーンである。
タンニーンは龍王と呼ばれる龍の中でも強い部類に入る存在だ。
そんなタンニーンは悪魔である。
なんでもドラゴンアップルという果実があるんだ。その果実を主食とするドラゴンの種族がいた。
だけどドラゴンアップルが絶滅しかけ、そしてその種族は龍王であったタンニーンのもとに来たが果実があった地域は既に冥界にしかない。
だから悪魔になったというのがタンニーンが悪魔になった経緯だ。
あ、ちなみに世界終末の日の際にも参加しており、その時に知り合ったのである。
そして俺の前で……神名が気絶している。
「こいつ、本当に赤龍帝の籠手を持っているのか?正直こんなに弱いとは思わなかったぞ?」
「いや、俺を基準にすんなよ?まあ、基本の形が出来てないからな」
俺は倒れている神名を見下ろしながらそう言う。
「さて、それじゃタンニーン。後は頼むぜ?」
「ああ、まああまり期待はするなよ?」
わかってるよ、そんな事位。
こいつのこの性格やらは多分治らないと思うし。
そして俺は祐斗の修行を完璧にする為に祐斗の元に向かった。
そして……ゲームの日となった。
後書き
今回はこんな感じですね。
小猫もヒロインに入れようかと思う今日この頃……というかアンチが誰かがこれでわかったんじゃないかな?
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