機動戦士ガンダムSEED DESTINY~SAVIOUR~
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第三話 衝撃と救世主
前書き
シン達がアカデミーを卒業し、機体を受領する時にアレックスとヒロインと出くわす。
議長の屋敷で、ザフトの赤服を身に纏ったアレックスが議長の私室に向かっていた。
私室の前に立つと、呼吸と身嗜みを整えると、扉をノックした。
アレックス「ギル。失礼します」
デュランダル「やあ、アレックス。よく似合っているよ。」
アレックス「はい!!ザフトの赤服です!!これからはギルやプラントのためにお手伝いを…」
デュランダル「ありがとうアレックス。さあ、今日は君の機体を受領する日だ。ナオトは先に行っているよ」
アレックス「はい!!」
アレックスは部屋を出ると、待機してあった車両に乗り込み、ナオトのいるMS格納庫に向かうのだった。
アレックスが向かったMS格納庫にもう一台の車両が向かっていた。
その中に、赤服を身に纏った黒髪の少年がいた。
少年の名はシン・アスカ。
過去のオーブ防衛戦で、家族を失い、家族の他に身寄りのないシンはプラントに移住したのだ。
その後、世界は平和条約で結ばれたが、シンはザフトに入隊した。
アカデミーを赤で卒業して、ロールアウト間近の新造艦に配属され、他の皆とは違う特別な機体のパイロットに選ばれたことはとても嬉しかった。
シン「(マユは…何て言うかな?MSなんて怖いって…嫌いだって言うかもしれない…でも、俺は…)」
シンは格納庫の中に案内され、自身の機体がある方に向かった。
扉を通ると…。
ナオト「あれ?君は?」
シン「え…?」
入ってすぐに出くわした女性にシンは目を見開いた。
しかし彼女の胸元にあるFAITHのバッジに気づき、急いで敬礼する。
ナオト「そんなに畏まらなくてもいいのに。あなたもGのパイロットに選ばれたの?」
シン「は、はい…あなたもってことはあなたもGのパイロットなんですか?」
ナオト「ううん、私じゃないけど私も新しい機体を受領するの。」
シン「はあ…」
アレックス「すまない。遅れてしまった。」
ナオト「遅いよアレックス」
アレックス「ああ、すまない。彼は?」
アレックスの視線がナオトからシンに向けられる。
ナオト「あ、そういえば名前聞いて無かったね。私はナオト。ナオト・フジワラ」
アレックス「アレックス・ディノだ。よろしく」
シン「シ、シン・アスカです」
ナオトとアレックスの自己紹介にシンも緊張しながら、自己紹介する。
そして自己紹介を終えると自分達の機体の元に向かう。
「では、まずは見てもらおうか。来たまえ」
ナオト、アレックス、シンの順で扉を潜るとライトアップされた三機のMSが立っていた。
「まずは左から…ZGMF-X56S インパルス。従来の概念を覆す斬新な換装システムを実現させたザフト最新鋭のMSだ。次にZGMF-X23S セイバー。性能は異なるが他のセカンドステージとほぼ同時期に開発された変形機構を備えた最新鋭のMS。そして最後は…ZGMF-X2000 グフイグナイテッド。元々ザクにザフトの次期主力MS選定コンペティションに負けた機体だが機体自体の完成度は高く、それを惜しんだ上層部の根強い力添えで一機だけロールアウトされることになった」
アレックス「これが…」
シン「俺のMS…!!」
「早速だが、明日からは実機訓練だ。君達には議長も期待しているとのことだから頑張りたまえ」
シン、アレックス、ナオト「「「はい!!」」」
そして、シン、アレックス、ナオトの三人はシンの友人達がいるという場所に向かっていた。
アレックス「そういえば、ナオトはどこに配属されるんだ?俺、何も聞かされてなくて…」
ナオト「私は最新鋭艦ミネルバに配属されることになったの」
アレックス「ナオトも?俺もミネルバに配属されることになったよ。」
ナオト「セイバーはセカンドステージだもんね。アレックスがミネルバに配属されるのは当たり前か。シンは?」
シン「俺も…いえ、自分もミネルバです」
ナオト「へえ、同じ艦に配属される何て凄い偶然だね。後、シン。敬語はしなくていいから」
シン「でも」
ナオト「じゃあFAITHの命令」
シン「…分かりました」
そしてシンの友人達と会う。
ワインレッドの短い髪の少女がルナマリア。
そしてナオトの髪より少し明るい朱色の髪でツインテールの少女がメイリン。
そして他にはヨウランとヴィーノ…。
レイ「アレックス!!それにナオトも!!」
レイが嬉しそうにアレックスとナオトに駆け寄る。
シン「知り合いなのか?」
レイ「アレックスやナオトは俺の兄や姉のようなものだ。」
シン「へえ…」
メイリン「え?でもこの人って…」
ルナマリア「ねえ?」
メイリンとルナマリアがアレックスをまじまじと見ながら呟く。
レイ「アレックス、ナオト。すみませんが先に行ってもらえませんか?」
それに気付いたレイがアレックスに一瞬だけ視線を遣ると、次にナオトに視線を向けた。
アレックス「え?あ、ああ…」
ナオト「OK。じゃああそこの店で待っているから。」
レイの顔を見て、ナオトは彼の考えを悟ったのか。
ナオトはアレックスの手を引いて、店の中に入る。
レイは辺りを見回して誰もいないことを確認する。
するとルナマリアがレイに尋ねる。
ルナマリア「ねえ、あのアレックスって人…もしかしてアスラン・ザラじゃない?」
シン「え!?アスラン・ザラ!?あの人が!?」
メイリン「アカデミーを卒業した人達を調べていた時に出た写真とそっくりだったし」
ヴィーノ「あの人、英雄なんだろ?だったら何で名前なんか変えてんだろ?」
ヨウラン「俺が知るかよ…」
ルナマリア達の会話にレイは眉間に皴を寄せながら口を開いた。
レイ「彼は確かにアスラン・ザラだ」
ルナマリア「やっぱり!!でもアスランってオーブにいるって噂で聞いたんだけど…復隊したの?」
“オーブ”という単語を聞いた瞬間、シンの表情が曇る。
レイ「彼は…アスランはオーブを追い出された…今のオーブの国家元首、カガリ・ユラ・アスハを敬愛するオーブの軍人達に私刑に等しい暴行を受けてな」
シン「え…!?」
元オーブ国民のシンがアレックスがオーブの軍人に痛め付けられていたということに驚愕する。
オーブ国民ではないルナマリア達ですらその事実に目を見開いていた。
レイ「彼が発見されたのはプラント付近でだ。偶然、議長とその護衛をしていたナオトが彼が乗せられていた救命ポッドを発見してな。救出された時の彼は生死の境をさ迷っているような状態だった」
シン「何でそんなことに…」
レイ「オーブの軍人達にとってカガリ・ユラ・アスハは神に等しい存在だ。それに近づく彼はオーブの軍人にとって邪魔以外の何者でもない」
その言葉を聞いた瞬間、シンが拳を握り締め、叫んだ。
シン「…っ!ふざけるな!!何が神だ!!理念ばっか振り回す綺麗事が御家芸のアスハの何が神なんだ!!誰のおかげで地球が滅びなかったと思ってるんだ!!それなのに…!!」
理念や綺麗事だけの奴が神のような扱いを受けている。
理念にこだわり、自分の家族を守ってくれなかった癖というのに
レイ「シン…俺も同意見だ。だが、これが真実なんだ」
シン「…っ」
レイの言葉にシンが拳を更に強く握り締める。
レイ「後、彼には記憶がない。医師が言うには一種の防衛本能らしいが…」
ヴィーノ「記憶喪失…?」
ヨウラン「無理ないよな…裏切られて一方的に殴られて、俺だったら発狂する」
それを聞いたヴィーノとヨウランも深刻そうな顔で呟く。
レイ「とにかく、彼に関してはこれで終わりだ。アレックスにアスラン・ザラのことは絶対に言うな。ただでさえ彼の心は傷ついている。それでも必死に前を向いて生きようとしているんだ」
シン「………」
拳を握り締めるシン。
心に傷を負っているのは、自分も同じだ。
あの人と話してみたい。
そう思うシンであった。
レイ達はアレックス達の入っていった店に向かうのだった。
後書き
MS紹介
ZGMF-X23S セイバーガンダム
装備
20mmCIWS×2、
高エネルギービームライフル
ヴァジュラビームサーベル×2
アムフォルタスビーム砲改×2
スーパーフォルティスビーム砲×2
ピクウス 76mm機関砲
2連装ビームクロー内蔵空力防盾
グレイプニール改
内蔵型ビームサーベル×2
グリフォン2ビームブレイド×2
インパルスと同じセカンドステージに所属する可変MS。
双胴型航空機のような形のMA形態とMS形態の使い分けによる高機動での格闘戦を意識して開発されており、特に大気圏内でのドッグファイトの強さは他の追随を許さない。
原作のセイバーは高い機動力を活かした砲戦に特化した機体だったが、この小説のセイバーはアスランが乗ることを前提にして造られた機体であるため、砲戦よりも足に内蔵されたビームサーベルやビームクロー等があるため、格闘戦に置いて真価を発揮する。
MA形態でも翼部のビームブレイドがあるため、格闘戦は出来る。
グレイプニール改はブリッツガンダムのグレイプニールにビーム砲を内蔵させ、PS装甲の機体にも有効な装備になっている。
ヴァジュラビームサーベルは連結が可能。
アムフォルタスビーム砲改はセイバーの兵装がビーム兵器に偏り過ぎているためにエネルギーの消費を抑えるために省電力化されている(アビスガンダムのバラエーナ改のようなもの)。
両足に装備されたビームサーベルは持ち前の機動力を殺さないように、クローに纏わせるような形ではなく、足にビームサーベル発生器(ロッソイージスみたいなタイプ)をそのまま取り付けた形になっており、クローによる物理的な打撃が出来なくなっている。
原作のセイバーに比べて砲戦能力は弱体化しているが、アスランとの相性は原作セイバーより遥かに上である。
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