古の鉄の巨人を駆る他世界への介入者
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再開の召喚
前書き
集計の結果、Fate/stay night編がスタートすることになりました。
外伝のネタバレもあるので、ご注意ください。
IS世界での転生者討伐も終了し、役目を終えて分身を残してIS世界を去り、神界に戻りえ久那に報告を終えた。そして自室に戻って身体を伸ばしながらコーヒーを味わう。エクナからも漸く正式な長期休暇の許可が下りて羽を伸ばせる事になった。
「ふぅ……これで、暫くは緊急の仕事が入っても休んでられるな。ああ…コーヒーが美味い」
と愉悦に浸っていると、足元に何処かで見た事があるような魔方陣が広がっていく。そこから膨大な魔力が溢れ出しており、自分が何処かへ引っ張られるような感覚がする。
「おいまさか…休ませろおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉっっ!!!!!!!!!!!!」
という怒声を上げるがそれを嘲笑う様にキョウスケは部屋から消えた。
ステータス情報が更新されました
受難:EX
どんな状況であろうと何かしらの出来事に巻き込まれるスキル。本人の意思は関係無しに事件に引き込まれていく。
あれから長い時間が流れてしまった、10年程の時間が流れたかな。今日は届かないだろうけど手紙を書こうと思う。俺もどうかしてるな。第4次聖杯戦争からもう10年も経っちまったよ。お前が溢れ出した聖杯の泥に向かっていってから早いもんだな。死者とか怪我人はそれなりに出たけどお前のおかげで最低限の被害で納まった。
あの後、俺は桜ちゃんと一緒に懸命に生きてるよ。お前に救って貰った命を捨てる訳には行かないからさ。一応間桐家の当主として恥じない様に努力はしてるよ、桜ちゃんを守れる位の力は付けたつもりさ。
「う~ん…中々難しいもんだな」
万年筆を置いて書いてみた手紙を見る。どうも気に入らない、なんかこう、伝えたい内容と食い違う気がしてならない。そんな時、自室の扉がノックされてから開いた。そこには娘である間桐 桜が立っていた。
「お父さん、少しいいかなって何か書いてたの?」
「ああ。ちょっとリーゼ宛に手紙?みたいなもんを書いてたんだ」
それを聞いて桜はくすりと笑った。桜もその身をリーゼに救われた身だ、短い期間だったがリーゼは自分にとってまるでもう一人の父親のような感じだった。あの日々は今も鮮明に思い出すことが出来る、とても懐かしい。そして桜は思い出したように顔を引き締めた。
「お父さん、実は…大変な事が起きたの」
「大変な事…?」
桜が自分の右手の甲を見せた。そこには3枚の花びらの様な赤い刺青があった、間桐家当主、間桐 雁夜はそれに見覚えがあった。嘗て10年前の聖杯戦争時に自分もそれを宿していたのだから。聖杯戦争への参加権を示し、令呪であった。
「そんな馬鹿な!?聖杯戦争は60年の間隔で行われる筈なのだ、まだ前回から10年だぞ!?なのにもう聖杯戦争が始まるのか!?」
理解出来なかった、本来聖杯戦争は60年の周期で行われる。第4次が終結してから10年という月日は経っているが幾らなんでも早すぎる。如何するべきかと腕組みして考えていると、手の甲に痛みが走る。見てみると、そこにはなんと
「………」
「お父さん?」
「………桜ちゃん、どうしよう」
「え?」
「俺にも令呪、宿ちゃった……」
「……ええええええええええええ!!!??」
まあなんという因果だろうか、間桐 桜、間桐 雁夜は令呪を宿してしまった。運命めいたものを感じられた。雁夜は意をきっして桜と共に聖杯戦争に参戦する事に決めた。また聖杯の泥で被害を出す可能性があるからだ。それは第4次聖杯戦争を生き残った者として見過ごす事は出来ない。
「お父さん、一体何の英霊を召喚する気なの?」
間桐邸の地下にある嘗ての蟲蔵、そこに召喚のための魔法陣を引いて準備をしている雁夜に質問をする桜。それを聞いて苦笑しながら指に嵌めていたはずの指輪を見せた。
「こいつを触媒にする、たぶん怒ると思うから覚悟はしておこう」
「じゃ、じゃあ召喚するのって!!」
「ああ、さあやるぞ桜ちゃん!」
「はい!!」
力強く頷き、雁夜と共に意識を集中し魔力を作り出しながら詠唱を口にする。
「「閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。 繰り返すつどに五度。ただ、満たされる刻を破却する」」
思い浮かべるは、前回の戦争を共にした最強の神。彼となら絶対にこの戦争に勝てる。
「「告げる。
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ!」」
全身を駆け巡ってゆく魔力の感触。魔術師である限り逃れようのない、魔術回路が脈動する悪寒と苦痛が襲い掛かってくる。だがその痛みなど気にならなかった、彼に会える。その気持ちが、嬉しさが痛みを掻き消していたからだ。
「「我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者。
汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!!!」」
全ての魔力を絞りきる勢いで詠唱を仕切った。周囲を突風と閃光が駆け巡っていく、目を開けてはいられないほどに強烈な光が発せられた。そして音が聞こえた。床を踏みしめる音だ。
二人が目を開けると、そこには額に青筋を立てながら指を当てて如何にも怒っていると解るポーズをしている男がいた。
「………おい、また俺を呼び出すとは良い度胸だな。死ぬ覚悟は出来ているんだろうな…雁夜」
「開口一番死ねっていうか普通!?」
成功した!!そこには雁夜と共に戦争を勝ち残った最強のサーヴァントにして最強の戦神が立っていた。しかも、従者を連れて。
ここに、再び間桐 雁夜リーゼ陣営が復活した。
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