アニメにおけるOCGデッキの可能性
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守護者は高らかに
異世界転生
それは二次元に傾倒している者なら一度は自分の身に起きて欲しいと夢見る小説の一つのジャンルだ
もちろん、そんなことが現実に起きるわけがなく、日々の無聊をそのジャンルの小説を読んで慰めるしかないだろう
しかし、聞いてくれ、同士達よ
異世界転生、はじめました
「さて……どうするかな」
突然だが自己紹介をしよう。俺の名前は尾上逢魔。転生前は暇を持て余した大学生。現在は……デュエルアカデミアへ入学しようとする年齢だ
ここまで言えば転生した物語が何なのか、わかるだろう。そう、遊戯王だ
大型ばかり入ってるのに回るし、一枚ずつしか入ってないくせにいきなり融合素材を揃えたり、五枚引いたら全部チューナーだったりするあれだ。最近では希望の未来を再構築するとか言いながら、明らかな反則行為をしながらドヤ顔する人が居たり、主人公の髪型が海産物だったり、ピンチになると必ずキーカードを引いたり……(以下略
転生し、まず確かめたのはネットだ。やはり情報は力になる。どの時代か確かめなければ対策は立てられない
どの時代だろうと、前世のガチデッキと呼ばれるデッキと熾烈な戦い(デュエル)を繰り広げてきた俺は間違いなく最強クラスと言えるだろう。なぜか前世で持っていたカードは手元にあるし(段ボール梱包されて部屋の隅に置いてあった)
だが、油断してはならない。禁止制限リストが大幅に違う上、賢者の石ーサバディエルーや、幻魔の扉と言ったチートアニメ&ゲームオリジナルカードもあるし、そもそもチートドローをしてくる
……とにかく調べた結果から、GXだということが判明したのだった
GXといえばガッチャさんことクラゲ髪が宇宙に飛んでいったり、あなたと私で超融合したりする話である
まあ、色々落ちてくる5D\'sよりはマシか
シンクロ、エクシーズは縛られるのだが。一応、この時代のデュエルディスクでもできるのかやってみる必要がある
「と、なると買ってこないとな」
「なにを買ってくるの?」
「うおっ!?」
一人しかいないと思っていた部屋から声が聞こえ、驚いて振り返る
そこに居たのは訝しげにこちらを見ている美少女
艶のある黒髪に多少気の強そうな黒い目。胸は多少残念だが、元の世界ならば間違いなくアイドルとして通用する顔だ
だが、なぜか表情から見下した様子が伺える
「……変なお兄ちゃん。ほら、いつも見たいにジュース買って来てよ」
どうやら転生ではなく憑依だったらしい。妹にパシリにされる兄に
この身体の持ち主はその立場に甘んじていたのか、それともそれに興奮を覚える変態だったのかは知らないが、すくなくとも俺は違うし、Noと言える日本人だ
「断る。自分で言ってこい」
俺が断ったことが意外だったのか、一瞬キョトンとしたがすぐに目を吊り上がった
「……へぇ……お兄ちゃん、デュエル弱い癖に私に逆らうんだ」
「兄は敬うもんだ。それにデュエルでもお前より強い」
デュエル脳とはここまで酷いのか。さすがはリスペクト(笑)デュエル最盛期。格が違った
「なら、やってみようよ。私が勝ったら二度と逆らわないでよね」
「じゃあ、俺が勝ったら俺に逆らうなよ?」
隅に置いてあった段ボールから、すでに組んであるデッキを取り出す。もちろんシンクロもエクシーズも存在しないデッキだ
「そんなことはありえないけど、わかった。デュエル! 私は永続魔法、凡骨の意地を発動するね。そして、デーモンソルジャーを攻撃表示で召喚! カードを一枚伏せてターンエンド!」
妹のデッキは凡骨ビートだろうか?
となると伏せカードは除去罠の可能性が高いか……
「俺のターン、ドロー。永続魔法、次元の裂け目を発動。効果でフィールドから墓地に行くモンスターはすべてゲームから除外される。モンスターを裏守備で召喚。カードを二枚伏せターンエンド」
「次元の裂け目なんて使ってくるの初めてだけど、やっぱり守るだけで精一杯みたいね。私のターン、ドロー! 引いたカードはサファイアドラゴン。通常モンスターをドローした時、凡骨の意地の効果発動。そのカードを相手に見せてもう一枚ドロー! あ、止まっちゃった……。じゃあ、サファイアドラゴンを召喚するね」
召喚対応カードなんて激流葬くらいしかこのデッキには入ってないんだよなぁ……。結構試作段階だったが仇になったかね
「バトル! サファイアドラゴンで裏守備モンスターを攻撃!」
「異次元の偵察機だ。もちろん除外される」
「なら、デーモンソルジャーでダイレクトアタック!」
「トラップカード、ガードブロック。ダメージを無効にして一枚ドロー」
和睦の使者や威嚇する咆哮の方がいいかもしれないが、異次元の偵察機は別に破壊されても問題ないため、こっちを採用しているのだ
まあ、割られる可能性もあるからフリーチェーンのその二枚のカードの方が優秀だな。アドはガードブロックの方がとれるけども
「むう……防ぐなんて生意気。私はターンエンド」
防いだだけで生意気扱いとか、元の人格のデッキはどれだけ酷かったのだろうか?逆に知りたくなる
「エンドフェイズに異次元の偵察機の効果発動。攻撃表示で特殊召喚する」
「せっかく倒したのに……。でも所詮攻撃力800の雑魚モンスター。そんなモンスターじゃ、私には勝てないよ!」
やはりこの時代はステータス主義なのな。蟹に謝れ
「俺のターン、ドロー。永続魔法、帝王の開岩を発動する。そして、異次元の偵察機をリリースして風帝ライザーをアドバンス召喚する」
「リリース?アドバンス召喚?」
ああ、この時代にはこの用語はなかったな。失念していた
「こっちの話だ。風帝ライザーの効果発動。伏せカードをデッキのトップに戻してもらう」
「伏せカードが……」
「帝王の開岩の効果発動。アド……いけにえ召喚に成功したとき、デッキからそのモンスターとはカード名が異なるモンスターで攻撃力2400で守備力1000か攻撃力2800で守備力1000のモンスターを手札に加える。よって邪帝ガイウスを手札に加える。バトル、風帝ライザーでサファイアドラゴンを攻撃しよう」
4000→3500
「っ……なんで……お兄ちゃんがこんなに強いわけない!」
元の人格のデッキはどれだけ酷かったの(ry
「言っただろうに。俺は強いと。エンドフェイズに異次元の偵察機が戻って来る」
「わ、私のターン。ドロー! 私は剣闘獣アンダルを守備表示で召喚。デーモンソルジャーで異次元の偵察機を攻撃!」
「まあ、受けよう」
4000→2900
アニメ&ゲームオリジナルカードのツインボルテックスを入れられればなぁ、と思ってしまう
まあ、おいおい手に入れたいと思う
「や、やった。私はカードを一枚伏せて、ターンエンド」
「そのエンドフェイズ時、異次元の偵察機は再びフィールドに舞い戻る。そして俺のターン、ドロー。異次元の偵察機をいけにえに邪帝ガイウスを召喚。効果で伏せカードを除外する」
「ミラーフォースが……」
相変わらず、割られることに定評のあるお方である
「帝王の開岩の効果でイリュージョン・スナッチを手札に加える。そしてバトルだ。邪帝ガイウスでデーモンソルジャーを攻撃する」
3500→3000
「っ……ま、負けないから!」
「息巻いてるところ悪いがもう一発。風帝ライザーでアンダルを攻撃。……カード一枚伏せてターンエンド。エンドフェイズ時には異次元の偵察機が戻ってくる」
「私のターン、ドロー! 引いたのはゴギガ・ガガギコ! もう一枚ドロー。引いたカードは剣闘獣アンダル! よって、さらに一枚ドロー。来た!」
不安そうだった顔が一気に晴れ渡る。そんなにいいカードを引いたのか?
「私は古のルールを発動! 効果でゴギガ・ガガギコを特殊召喚。さらに剣闘獣アンダルを召喚!バトル……ゴギガ・ガガギコで邪帝ガイウスに攻撃!」
「まあ、いいだろう」
2900→2350
伏せカードを使ってもよかったが……他に用途がある
「剣闘獣アンダルで異次元の偵察機を攻撃!」
2350→1250
「ライフが少なくなってきたな。ほら、あと少しだぞ?」
「なにその余裕……私はこれでターンエンド」
「ふっ……なら、そのエンドフェイズに異次元の偵察機はまた登場するぞ」
俺の棒読みに対してムッとしたのか可愛く睨んでくるが鼻で笑って受け流してやった
「次のターンで終わりだから!」
「そうだな。俺の勝ちで、な。ドロー。トラップカード、強制脱出装置。風帝ライザーを手札に戻す」
「え、なんで?私のゴギガ・ガガギコを戻すんじゃないの?」
ゴギガ・ガガギコを戻すと手札的に無理なんだよなぁ。引いたカードがアレだからさっきのターン、イリュージョン・スナッチじゃなくて風帝ライザーを手札にサーチした方がよかったかもしれない
「まあ、こうしないと勝てないんでな。異次元の偵察機をいけにえに風帝ライザーを召喚。効果でデッキトップにゴギガ・ガガギコを戻す。そして、イリュージョン・スナッチの効果発動。いけにえ召喚に成功したとき、このモンスターを特殊召喚し、その召喚で召喚したモンスターと同じレベル、種族、属性となる。さらに手札からガーディアン・エアトスを特殊召喚。このモンスターは自分の墓地にモンスターが存在しない場合、手札から特殊召喚できる」
「そ、そんな……。一瞬でモンスターを……」
「バトル……まずは風帝ライザーで剣闘獣アンダルを攻撃する」
3000→2500
「私の……負け?」
なにやらこの結果が信じられないようで茫然としている
……黄泉帝って結構弱点多いからなぁ。刺さる相手には刺さりまくるけど
「まあ、その通りだな。イリュージョン・スナッチでダイレクトアタック」
2500→100
「そして、これでとどめだ。ガーディアン・エアトスでダイレクトアタック。フォビデン・ゴスペル」
100→-2400
「うう……負けた……。なんでそんなに強くなってるの!?」
「命令その一。詮索するな」
いや、売り言葉に買い言葉。なんでも従うって言ってたからな
「う……そうだった……」
「理解してもらえたところで命令その二。……飯を作ってくれ」
俺、尾上逢魔が憑依した相手は遊戯王の世界の同姓同名の人でした
【カード解説コーナー】
※読み飛ばしても構いません
・凡骨の意地
永続魔法
ドローフェイズにドローしたカードが通常モンスターだった場合、そのカードを相手に見せる事で、自分はカードをもう1枚ドローする事ができる。
・デーモンソルジャー、剣闘獣アンダル、サファイアドラゴン
通常モンスター
すべて攻撃力1900のバニラ(効果なし)で、守備力はそれぞれ1500、1500、1600である。
・次元の裂け目
永続魔法
墓地へ送られるモンスターは墓地へは行かずゲームから除外される。
・異次元の偵察機
効果モンスター
レベル 2
属性 闇
種族 機械族
攻撃力 800
守備力 1200
このカードがゲームから除外された場合、そのターンのエンドフェイズ時にこのカードを自分フィールド上に表側攻撃表示で特殊召喚する。
・ガード・ブロック
通常罠
相手ターンの戦闘ダメージ計算時に発動する事ができる。
その戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になり、自分のデッキからカードを1枚ドローする。
・帝王の開岩
永続魔法
このカードがフィールド上に存在する限り、自分はエクストラデッキからモンスターを特殊召喚できない。
また、自分がアドバンス召喚に成功した時、以下の効果から1つを選択して発動できる。
「帝王の開岩」のこの効果は1ターンに1度しか発動できない。
●アドバンス召喚したそのモンスターとカード名が異なる攻撃力2400/守備力1000のモンスター1体をデッキから手札に加える。
●アドバンス召喚したそのモンスターとカード名が異なる攻撃力2800/守備力1000のモンスター1体をデッキから手札に加える。
・風帝ライザー
効果モンスター
レベル 6
属性 風
種族 鳥獣族
攻撃力 2400
守備力 1000
このカードがアドバンス召喚に成功した時、フィールド上のカード1枚を選択して持ち主のデッキの一番上に戻す。
・邪帝ガイウス
効果モンスター
レベル 6
属性 闇
種族 悪魔族
攻撃力 2400
守備力 1000
このカードがアドバンス召喚に成功した時、フィールド上のカード1枚を選択して除外する。
除外したカードが闇属性モンスターだった場合、相手ライフに1000ポイントダメージを与える。
・聖なるバリアーミラーフォースー
通常罠
相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。
相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊する。
・ゴギガ・ガガギコ
通常モンスター
レベル 8
属性 水
種族 爬虫類族
攻撃力 2950
守備力 2800
・古のルール
通常魔法
手札からレベル5以上の通常モンスターを1体を特殊召喚する
・強制脱出装置
通常罠
フィールド上のモンスター1体を選択して持ち主の手札に戻す
・イリュージョン・スナッチ
効果モンスター
レベル 7
属性 闇
種族 悪魔族
攻撃力 2400
守備力 1000
自分がモンスターのアドバンス召喚に成功した時、このカードを手札から特殊召喚できる。
この効果で特殊召喚したこのカードの種族・属性・レベルは、アドバンス召喚したそのモンスターと同じになる。
・ガーディアン・エアトス
効果モンスター
レベル 8
属性 風
種族 天使族
攻撃力 2500
守備力 2000
自分の墓地にモンスターが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚する事ができる。
このカードに装備された装備魔法カード1枚を墓地へ送る事で、相手の墓地に存在するモンスターを3枚まで選択し、ゲームから除外する。
この効果でゲームから除外したモンスター1体につき、エンドフェイズ時までこのカードの攻撃力は500ポイントアップする。
後書き
凡骨ビートVS次元エアトス
次元帝じゃないのかって?
知らんな。エアトスが可愛くて作ったデッキです。アニメ版のエアトスの効果は鬼畜ですよね。大型大量の王様が負けるのも納得。イリュージョン・スナッチは氷帝メビウスと一緒にどうぞ。帝王の開岩を割らないとエクシーズできないので。効果消されるの対策とペンデュラム対抗でオオアリクイクイアリとか採用してます。
対するデッキは凡骨ビート。これはあまりコメントすることはないですね。正直微妙……
罠でアドを取るデッキなんですが……うん。素直にガジェット使った方が……
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