オズの五人の子供達
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第六幕その十
「それでね」
「三人は賛成なのね」
「こんないいお話ないと思うよ」
「二つの世界を自由に行き来出来るからね」
「最高の条件じゃない」
三人はこう言って賛成だと言うのでした、そしてです。
その三人の言葉を受けてでした、恵梨香は今度はナターシャ、最後の一人で五人の中では恵梨香と共に女の子である彼女にも尋ねました。
「ナターシャちゃんはどう思うの?」
「私ね」
「うん、どう思うの?」
「私もいいと思うわ」
ナターシャも笑顔で恵梨香に答えます。
「あちらの世界にいられてオズの国にも自由に行き来出来るなんてね」
「いいお話だと思うのね」
「私もね。ただね」
「ただって?」
「私達は皆賛成だけれど」
四人はというのです。
「恵梨香ちゃん自身はどうなのかしら」
「姫様のご提案に賛成かどうか」
「そのことね」
「ええ、どうなのかしら」
「私もね」
恵梨香はです、ナターシャの問いに満面の笑顔でこう答えました。
「こんないいお話ないと思うわ」
「それじゃあね」
「うん、これからもオズの国を行き来出来るのなら」
それならというのです。
「是非共ね」
「わかったわ、それじゃあね」
ナターシャは恵梨香の言葉に笑顔で応えました、その笑顔を見てからです。
恵梨香はオズマに顔を戻してこう答えました。
「そのお話、喜んで受けさせてもらいます」
「わかったわ、では貴方達は今から」
「はい」
「オズの国の名誉市民よ」
五人共です、そうなったというのです。
「そして今ここにいる皆とね」
「お友達ですね」
「もうそれはなっているけれどね」
そのことをあらためて言ったというのです。
「だからこれからもね」
「宜しくお願いします」
「あと。あの時計塔から出る場所はいつもマンチキンだけれど」
オズマはこのことについても言うのでした。
「私達の魔法でマンチキン以外のね」
「他の場所にもですか」
「出られる様にするわね」
そうするというのです。
「それぞれが願う場所に行ける様にね」
「オズの国の何処にでもですね」
「そうするわね」
「じゃあこれからは時計塔から」
「オズのどの場所に行けてもね」
「それで市民になったから」
名誉市民であってもです、市民は市民です。
「どの場所からもですね」
「そう、時計塔に戻れるわ」
そうなるというのです。
「ただ」
「ただ?」
「一つだけ気をつけて」
ここで、です。オズマは五人にこのことを注意するのでした。
「貴方達はいい心を持っているからオズの国に入られるけれど」
「悪い心を持っているとですか」
「そうした人は入ることが出来ないから」
オズの国にだというのです。
「そしてそういう人にオズの国への出入り口を教えてもそうした人は貴方達が言ったことは覚えていないわ。お話した貴方達もね」
「そのことはですか」
「忘れてしまうから」
そうした人にお話したことをだというのです。
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