永遠不滅のオーバーロードっ!
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プロローグ・プロローグ
閉鎖されたセカイ
前書き
感想ビシバシビシバシ頂ければ本望です。
「ゴアアアアアア!!!!!」
開始一発目からの絶叫。空気を読んで欲しいが、そういう訳にもいかない。
激烈な温度を持った酸が、俺の顔面へ迫った。
瞬間、右腕の筋肉が反射的に動く。透明で、尚且つ気泡が幾つも出来た液体を右腕に持った剣の刀身で受け止める。
「ほっ!」
と掛け声。二撃目の酸を体を捻って回避する。
酸を発射した敵。全身を彩るのは金属特有の銀色。赤目の蜘蛛型 《ウロボロス》だ。其れは途轍も無く巨大で、5メートルは軽く超えてそうな体躯。何食ったらそんなにでかくなるんだとご教授願いたいぞ。
「ヴオオオオオオ!!!!!!」
「煩えよ……っと!」
3回目の酸を回避する。酸が落下した地面が少し溶ける。おいおいまじかよ、食らったらアウトじゃん。
かれこれ30分は戦闘している。なのにも関わらず機械蜘蛛に只の一撃も与えられていない。
理由は2つ。1つ目は通路の狭さにある。俺が今戦っている場所は通路。トンネルなので、縦にも横にも機械蜘蛛の体がギリギリ入る程の通路しか無い。そして後ろには 《ボイド》。逃げられない。
とその時、蜘蛛の前足が閃く。電流が迸っている。
「おおっ……と!」
右の剣ともう1つ。左の剣を取り出す。
X字に交差させ、受け止める。
これが俺のスタイルだ。《二刀流》。とは言っても俺の使う剣は軽い。手数で勝負するからだ。重い剣を乱舞するだけの筋肉痛はまだ俺は持ち合わせていない。
相手の腕が引っ込む前に二刀を動かす。上下左右へ襲い掛からせる。
だが、俺の攻撃は早くも一発目で弾かれた。
「硬すぎる……!」
決して俺の武器がなまくらな訳では無い。ほ、ほんとに。ほら、さっき酸の攻撃受け止めてただろ。
これが2つ目の理由だ。《攻撃が通らない》。逃げられない上に、倒す事も無理。
ぶっちゃけるところ詰みだった。
「オオオオオオオオ!!!!」
「……っ!」
再び来る前足。意識する前に腕が動く。右斜め上。同じ方向へ斬り、受け流す。
この流れが30分も続いているのだ。俺の疲労はピークに達しているが、機械蜘蛛は全く疲れた様子を見せない。《ウロボロス》の恩恵か。
瞬間だった。
無意識の内に膝が崩れ落ちた。その好機を機械蜘蛛は見逃さない。ニヤリと醜悪に笑う。これまでで最速で金属の腕が動く。
赤い目に疲労の色は見えーーーーー
ーーーーー目!?
「ゴアアアアアア!!!!!」
勝利を確信した機械蜘蛛。
《目》。唯一とも言える、絶対に装甲してはいけない部分。刹那、腕が猛然と接近して来る。時間的には3秒といった所か。
「ほっ!」
時間との勝負。
俺は右腕を後ろにぐいっと引く。体も捻り、ブーストを仕掛ける。その態勢は所謂槍投げ。
「アアアアア!!!!」
お前しつけえなと言わんばかりの絶叫。だが俺は止まらない。残り2秒。
限界まで引き絞ったら、右腕をあらん限りの力で前へ持っていく。機械蜘蛛の腕は目の前まで肉薄していた。残り1秒。
まだだ。まだ当たらない。
最後の締めだ。剣を右腕の勢いのまま、
「おらあッ!!!」
投擲する。
右手に握られていた剣は空気を切り裂き、直進する。
蜘蛛の表情が笑みから驚きに変わる。
そして、絶望へと変わった。
「お疲れ様。お互いに、な」
俺の剣は、機械蜘蛛の右目へ深々と突き刺さった。刀身が全て刺さる程に。
蜘蛛の絶叫。攻撃時の掛け声でも勝利の雄叫びでも無く、断末魔。数センチまで迫っていた腕がゆるゆると引っ込んで行く。
蜘蛛は体を大きく逸らしながら、後ろへ仰向けに倒れた。
二度と動く事は無かった。
後書き
感想頂ければ幸いで御座います。どうぞ気軽に。
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