赤城と烈風
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★改訂前
ライン演習作戦
1940年8月10日『アドミラル・グラフ・シュペー』は帰還、乗組員の疲労回復を急いでいる。
11月ドイツ海軍は地中海の集団航空雷撃に驚き、対策が急務と感じたらしい。
夜間対空射撃の命中率改善案を模索、日本海軍と情報交換も図る。
レーダー提督は散弾銃準拠の艦対空散開砲弾、威嚇効果を選んだ。
10数秒光り輝く弾子数百個内臓、焼霰弾の量産準備が進む。
30日『アドミラル・グラフ・シュペー』出航後、敵艦と遭遇は無かった。
大西洋縦断の後インド洋に渡り、大英帝国の領域で海上交通線を襲う。
1941年1月22日『シャルンホルスト』、『アドミラル・ヒッパー』も動く。
スカゲラク海峡を航行中、右舷主冷却ポンプ故障の通報が戦艦に届いた。
翌日クリスチャンサン港に着いた重巡洋艦の異常は続き、右舷タービン震動も尋常ではない。
25日出航後には供給管の破損で潤滑油発火、深刻な損傷回避の為1基を停める。
28日キール帰還の重巡洋艦と離れた後、『シャルンホルスト』は単独行動が続く。
大西洋で幾度も威嚇を繰り返し、英国海軍は輸送船団護衛に有力艦十数隻を割いた。
2月9日未明、イタリア海軍の潜水艦『ゴルゴ』は敵艦発見後に動いていない。
英国製の聴音機器を警戒、息を殺し態勢を変えずに雷撃を試みた。
魚雷は暗闇の中を駆け、航行不能の窮地に『レナウン』を陥れる。
巡洋戦艦は曳航され地中海を脱出後4ヶ月強、修理の為に艦隊を離れた。
3月4日、ノルウェー領ロフォーテン諸島を連合軍の特殊部隊が襲う。
帝政ロシア陸軍を支えた第一次大戦時の補給線、欧州北方海域が重視された。
通商破壊艦5隻に配置転換、北氷洋移動の命令が届く。
インド洋の『アドミラル・グラフ・シュペー』は南下、仮装巡洋艦と邂逅後バレンツ海に向かった。
大西洋縦断中、『ピングィン』は重巡洋艦『コーンウォール』と遭遇していない。
20日23時23分、SL-68船団護衛中『マレーヤ』左舷を『U-106』発射の魚雷が襲う。
応急修理の後4ヶ月間、ニューヨーク海軍工廠入渠の被害で更に戦力分散を強いる。
27日ブレスト港に高速戦艦が現れ、50気圧摂氏450度の高温高圧タービン整備を頼む。
4月1日『アドミラル・シェーア』帰還の後、ブリストル・ボーフォート雷撃機が戦艦を襲った。
6日夜間雷撃で『シャルンホルスト』右舷後部を痛打後、10日複数の爆弾も直撃の被害が続く。
対空火器の増強を終えた『フッド』は艦隊に戻り、準姉妹艦と戦隊を組んだ。
『レナウン』不在の為スカパ・フロー待機中、乗組員の慣熟訓練も進む。
23日『プリンツ・オイゲン』は機雷に触れ、修理の為ライン演習作戦の開始が遅れる。
5月18日バルト海南岸を戦艦2隻、重巡洋艦2隻が離れ海上交通線の襲撃に向かう。
ドイツ海軍は重巡洋艦の戦列復帰を待ち、4隻に極力多数の散開砲弾を積み込んだ。
英国空軍の偵察機から通報が届き、スカパ・フロー待機主力艦3隻も動く。
主砲は調整中の『ロドネー』は戦闘を避けず、デンマーク海峡南方海域に向かう。
『先導者』と『ネルソン』も急ぎ、26.5ノット限界の『フッド』は遅れた。
英国製3連装45口径16インチ砲6基は最大仰角40度、最長射程距離3万6358m前後に達する。
榴弾使用時は最長射程距離3万8120m前後だが、徹甲弾で勝負を選んだらしい。
『ネルソン』と『ロドネー』の遠距離射撃、929kg砲弾18個が『ビスマルク』を襲う。
ドイツ製47口径380ミリ連装砲7基は最大仰角30度、最長射程距離3万6520m前後。
『ビスマルク』と『グナイゼナウ』も遠距離射撃に移り、砲弾14個が弧を描く。
改修後英国製42口径381ミリ連装砲4基は最大仰角30度、射距離3万3380m前後。
数分後『ヴァンガード』が撃ち始め、879kg砲弾8個も弧を描く。
大角度落下砲弾の直撃に『ネルソン』、『フッド』の準姉妹艦は耐えた。
後部命中後に弾薬庫は誘爆せず、英国製大口径砲弾を『ビスマルク』に叩き込む。
燃料タンク破損と重油漏洩は海上交通線の襲撃、ライン演習作戦の破綻を意味する。
マルシャル提督は現実を直視、フランス西岸に緊急避難を選んだ。
・1941年5月24日、デンマーク海峡の南方
巡洋戦艦『ネルソン』『ロドニー』(45口径406㍉砲3基9門、50口径133㍉両用砲8基16門、39口径40㍉機関砲6基48門、30㌩)基準排水量4万600㌧
戦艦『ヴァンガード』
軽巡洋艦2隻
戦艦『ビスマルク』
巡洋戦艦『グナイゼナウ』(47口径380㍉砲3基6門、55口径150㍉速射砲6基12門、65口径105㍉高角砲7基14門、83口径37㍉機関砲8基16門、60口径20㍉機銃5基10挺、魚雷発射管2基6門、31㌩)
重巡洋艦『アドミラル・ヒッパー』『プリンツ・オイゲン』
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