鬼と龍の兄弟は
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鬼と龍の兄弟は Ⅱ
前書き
同じ言葉を使い回ししてます! 許してくださいごめんなさいごめんなさい・・・。
大型宝石店『ジュラーノ』。
暗く広い店内には、一箇所だけに厳重なロックをかけられたショーケースがあった。その中には、現在話題沸騰中の高級宝石『ホルト・ヴィネシス』。
「鬼炎、これだ」
「ああ。・・・龍炎っ」
ハッとした鬼炎が龍炎を突き飛ばし、鬼炎に向って炎が降り注ぐ。
「あー・・・やっぱ見つかっちゃったかぁ」
頭をガリガリかきながら、龍炎が呟く。鬼炎を心配する様子は全くなく、火炎放射器で鬼炎を襲った男たちを逆に不安にさせた。
「お、おとなしく後ろ手に伏せろ!」
男たちは、知らなかっただけなのだ。鬼と龍の伝説を。鬼と龍の、犯罪歴を。
「あークッソ。痛てぇじゃねぇか手前らぁ」
怒りに満ちた声と同時に、10人ほどの男たちの半分が倒れた。残りの男たちはただ驚き、炎の直撃を食らって死んだはずの男を見つめる。
「鬼炎、俺のおかずも残してくれるとありがたいんだが」
「あ?残したぜ、5人だけ」
「一気に倒しすぎるから俺のエモノがなくなっちゃうの。いっつも俺が損してばっかりなんだけど?」
龍炎がそう言って悔しそうに鬼炎を睨むと、当の本人は欠伸をしながら「そんなら早く終わらせてくれよ。俺、早く帰って寝たいから」と間延びした声で言った。
「了解」
短く返事をした龍炎は、舌なめずりをして男たちを見つめる。
「鬼炎がお望みのようなので、左から順に行こうか」
と楽しそうに笑った後、注射針を取り出して一番左端の男に指した。その間、およそ0.4秒。
「・・・ぇ?」
小さく呟いたあと、白目を剥いて倒れる男。
「あー。もうちょい綺麗に倒れろよな。俺、潔癖症なんだけど」
怒ったように溜息をつき、他の4人にも同様にして注射針を指していく。
「お、龍炎良かったな。ちょうど終わったろ、アルカロイド・・・だっけ?」
「・・・帰ろう。眠いんだろ?」
優越感の滲み出た表情で宝石『ホルト・ヴィネシス』を持つと、龍炎は鬼炎をせかして店を出た。それこそ、ごく普通に、客のように。
その二人を望遠鏡で覗く青年が、一人。
「へぇ。あれが、鬼の子と龍の子かぁ」
隣で楽しそうにクスクス笑っていた糸目の男が
「あ、気に入っちゃった?気に入っちゃっちゃっちゃった?」
と尋ねると、口角を歪めた青年は
「そう、気に入っちゃった。俺、あの子達コレクションにする。手伝ってよ、朱糸眼」
と呟いた。
後書き
やっと終わった! いや終わってないけども!
一段落したみたいな・・・ね!
ちなみに言うと、朱糸眼は「あかいとめ」って読みます! あんま関係ないけどね。
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