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あかりの碁

作者:くるみ
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プロローグ
  胎児になっちゃった

2016年9月11日。
その時俺は碁聖の称号を手にし、4冠になっていた。

昨年本因坊を塔矢に取られたことへの雪辱と意気込み、
気がついたら4冠、このまま行けば史上初の7冠も夢ではないだろう。

とは言え相手はあの塔矢アキラなのだから、全く油断できないんだけど。

今日は移動日。明日から始まる名人戦に挑むため、飛行機に乗って仙台へと向かう。
昨日はどう打つかを考えてあまり眠れなかったが、
飛行機の中ででも少し仮眠すれば大丈夫。

そんな気持ちで俺は飛行機に乗り、仮眠する。
俺、進藤ヒカルの5冠を賭けた戦いが、もうすぐ始まるんだ。



そう、思っていたんだけど。

目が覚めたら、そこは真っ暗だった。
最初は夢の中かと思った。今でも夢であったらと思う。
悪夢よ早く終われと思って色々試したが、何の効果もなかった。


音もほとんど聞こえないし、体はへその緒でしっかり繋がっている。
ついでに肉の壁がしっかり存在することも確認済みだ。

そう。それから想定される俺の現状は。
ここは子宮の中で。


俺は生まれる前の胎児になっているんだ。 
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