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戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~

作者:黒鐡
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一章 幕間劇
  城×縁談×技術

「ただいまー」

と言ったら扉が開いた。出てきたのは結菜だった。今いる所は久遠の屋敷であるが、恋人=愛妾なのでここも俺の自宅だと思えばいいと前言われたからだ。

「お帰りなさいませ一真様」

「あー、その様付は何とかならない?」

「ならないわよー、普通の恋人ならともかくあなた様は・・・・」

「そこまでだ。創造神である事は秘密だと言ったはずだが?」

「あっ、ごめんなさい。つい言ってしまう所だったわ、この事は家中だけの秘密だったわね。いつ他国の草がいるか分からないんですもの」

俺と結菜は立ち話をしていたが、本来の目的である久遠に会いに来たと言ったら城にいるだそうだ。立ち話も何だしお茶を出してもらって、飲み干してから城に向かった。こちらに来てからは、何とかなったが当初は門番に睨まれて何者だとか聞かされてた。さすがに門番も顔を覚えられてからは、素直に通してもらった。でも何か緊張するんだよな、例えで言うなら空港での金属探知機のゲートを通るくらいかな。考え事をしてたら見慣れない男が歩いてきた、整った身なりをしてるからそれなりの地位はあるのかなと思った。しばらく睨まれていたけど俺何かしたかな?しばらくガン見されて睨んでいたからこちらも殺気を飛ばしたら、冷や汗をかいてとっとと行ってしまった。

「おお、貴殿も来ていたか」

「何かあったのか?二人とも」

俺の目の前に現れたのは壬月と麦穂だった。

「一真様、ここを誰か通りませんでしたか?」

またか。どうやら家老でも俺の事は貴殿や様付なんだと思った。新参者だけど、歳は一番上だし。それに秘密だけど神様なのかなと。

「ああ、男の人が通りかかったけど。何やら俺の事を睨んでいたから軽く殺気を飛ばしたら慌てて行ってしまったが・・・・」

「やっぱりか、麦穂!そう遠くは行ってないだろう」

「ええ、一真様。また後程」

と言って行ってしまった。たぶん俺の勘だが何かあったのだろう。思ったら久遠が来た、しかも何か嬉しそうだったけど。

「久遠、何かあったのか?」

「いや別に何もないぞ」

怪しい・・・・明らかにいつもとテンションは違うな。話してたらどうやら原因は俺らしい。縁談の話だったようで、しかもあの男は使いだったようだ。何度も断っていてしつこく言い寄られて困っていたようだ。

「田楽狭間の一件が終わってから来たのは初めてだったが、恋人というより愛妾か、出来たと言ったらもういいと言われた」

なるほどな、それに天より降り立った如来の化身を愛妾にされたと言ったら顔が真っ赤で見物だったそうだ。まあ確かに俺は高度1万mから落下してきたから、天から降ってきたと噂になっているんだっけ。
普通に久遠が愛妾になったというより、如来の化身である俺と恋人になったって方が民にとっては面白そうだもんな。しかも光輝いて落ちてきたというオマケ話もついてくればな。

「如来の化身を愛妾にしたなどと、我をうつけと見なす者がいるならそれも良し。縁談を断る手間を省けたという事だ」

「まあ確かに登場した時は、そう思われるのも無理はないだろう。・・・・墨俣の話もしたのだろう?」

「そうだ・・・・一夜で城ができるなどバカなという顔をしていた」

「情報は武器だしな」

俺というより俺の隊は、通信機持ってるからいつでも連絡できるしな。それとなぜ通信が出来るかと言うとトレミー3番艦がアンテナ代わりをしているから、だからこの時代にアンテナがなくともも使えるようにした。近くにいたら通信機同士で通信できるし、現代の装備を持ってきて正解だったと思った。

「そう言う事だ。ひとまず、一真を恋人に迎えた甲斐があったと言う事だ」

「まあ役に立てて良かったよ」

「一真、目を閉じろ。褒美をやる」

「俺、何もしてないんだが。まあしたといえば殺気を飛ばした位かな」

「それでも褒美をやらないと気が済まん。一真がいる事で助かったからな」

俺ははいはいと言いながら目を閉じた。で、何をするんだと思ったら口を開けろと言われて開けた。口を開けて何かが俺の口の中に入った、で、目を開けてもいいと言われて目を開けたら口に入ってたのは金平糖だった。

「ん?これは・・・・何だ金平糖かぁ」

「金平糖を知っているのか?」

「そりゃね、懐かしい味だなと思ったが」

そこで唸りだした久遠。なぜかは知らんけど。

「南蛮菓子が、普通に手に入るなど一真はどのような所に住んでいたのだ・・・・。堺か?それとも西の方か?」

「いや、俺がいた所は仮にも天からだからな。それに進んだ技術の事あまり聞きたくないだろう?」

「まあそうだな、進んだ技術は人を幸せにもするし、便利にもなるが・・・・使い方を誤れば不幸を呼ぶことになる。それに今の我らは南蛮の技術を使いまわすので精一杯。使いこなせたらその話を聞くのも悪くない」

まあ久遠の言う通りだ。新たな技術を学ぶ前に、今の技術を十分に使いこなさないとならない。

「あ、お頭」

「よう。こっちに来たと言う事は和奏の手伝いか?」

「そうなのか、そういえば一真はなぜここにいるんだ?」

「結菜に聞いたら城にいると聞いて来たんだ。それに俺と久遠は恋人同士だろう?または愛妾か」

「そうだったな。そう言えばしばらく見ていなかったがいつ会わせてくれるんだ?一真の妻は」

あー、奏の事か。いつでもいいけど今は仕事で拠点から離れてると聞いた。それに久遠が言ってたが、ひよは功を積ませて手柄を上げさせるために俺の隊に入れたんだったな。

「そうそう。これからは、身分に関わらず有能な者を集めるのだ。一真が身分に関係なく評価をしてくれて助かる」

「身分?そうなのか、ひよ」

「はい。私なんて本当は御目見得どころか、こんな所にもいられないはずの身分の出ですから」

身分ねぇ。こんなに良い子なのにな。まあこの時代だからしょうがないと言っておこうか。

「一真の世界は、身分の差はなかったか?」

「まあね、裕福な奴らと貧乏な奴らで分かれてはいたけど。あと軍についてもな、ここでいうなら奉行かな?こちらでは階級で給料とかが違うのさ」

「そうか。羨ましいな・・・・色々やってはいるが、長年染みついてる感情を変えてくるのは難しい。正直一真がひよにお目見得に上げるように言ったのも助かったんだ」

「そうなんだ。まあひよは優秀だし、俺らの隊には必要不可欠だと思って判断したからな」

「周辺は少し言われた。本当はもう少し後に、身分に関わらぬ有能な者を取り立てと併せて・・・・我から頼もうと思ったのだ」

じゃあ、ころの事もかな。俺は史実と言うよりこの時代の事を少しだけ知っていたからな。墨俣の一夜城は有名な話だった気がする。それところについても野武士についても尾張が取り立てる事が出来る者は早々いない。ひよは和奏に呼ばれて行ってしまったので、俺も戻るかと思ったら久遠が俺に用があるんだと。

「あ、久遠様!」

「先程のお話、お聞かせ願いましょうか!」

二人共戻って来たな。先程の件って何だろうな?と思ったら久遠は、俺に二人の足止めを頼むと言われたが「はいそうですか」とは言わずに首根っこを持って逃げようとした久遠を捕獲した。その後壬月に久遠を引き渡してから、部屋に行ってしまったが行く途中で「薄情者!」と言われたがまあいいやと思った。あと麦穂に捕獲した事を感謝されて壬月がいる部屋に行ってしまったが、この後の事は俺は何も知らない。  
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