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久遠の神話

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第七十五話 避けられぬ戦いその一

                     久遠の神話
                第七十五話  避けられぬ戦い
 工藤と高橋は今は二人で地連の客室に向かい合って座りそのうえで話をしていた、その中で。
 高橋は笑みを浮かべてだ、こう言った。
「まずはですね」
「よかったか」
「はい、二人ですねこれで」
「あの先生と学生さんがな」
「ええ、二人戦いから降りました」
「これで残りは十一人だ」
 工藤はまずは戦士の数から述べた。
「そして俺達五人は戦わない」
「あと六人ですね」
「そうだ、これを多いと思うか少ないと思うか」
 こうも言う工藤だった。
「君はどちらだ」
「少ないですね」
 高橋は笑みのままで工藤にこう答えた。
「俺はそう思います」
「少ないか」
「あとたった六人じゃないですか」
 こう言うのだった。
「そうですよね」
「十三人の中で六人だ」
「半分もないじゃないですか」
 ここでも彼は楽天的だった。
「違いますか?」
「そう思うか」
「工藤さんはどう思われるんですか?多いですか?」
「いや、二人はあっという間に話が進んだ」
 戦いを降りた、工藤はこのことからも言うのだ。
「それを考えるとな」
「少ないですか」
「俺はそう思う」
 状況の進展具合も頭に入れてだ、工藤は言うのだった。
「少ないな」
「あと六人ですね」
「しかもどうにかなりそうな剣士も多い」
「ああ、確かに」
 高橋は工藤の言葉にその通りだという顔で返した。そのうえでまた笑顔になってそのうえで述べたのである。
「アメリカ軍の大尉さんとか」
「中国人の料理人さんもな」
「お二人は結構何とかなりそうですね」
「大尉さんは大統領選挙次第だな」
 アメリカのだ、それによるというのだ。
「今の大統領なら戦い続けるだろう」
「けれど大統領が選挙に負ければ」
「その時はだ」
「別の大統領になってですね」
「政策が変わる」
 政党及び国家元首が代われば政策が変わるのも当然だ、それでスペンサーの場合もそれによってだというのだ。
「だからあの人はな」
「選挙結果次第ですね」
「しかもだ」
 さらにあった、スペンサーが戦いを降りられる根拠が。
「今度の民主党の人はな」
「穏健ですね」
「ネオコンじゃないからな」
 今のアメリカ共和党を振り回していると言っていい彼等とは違うというのだ、アメリカの覇権を極端に追い求める彼等とは。
「むしろその逆だな」
「覇権は求めてもですか」
 アメリカは共和党でも民主党でもその派遣は絶対のものだと考えている、だからこれは絶対だと高橋も言う、
「けれどですね」
「あの人はそこまではしないさ」
「剣士の戦いに入ってまではですか」
「普通に覇権を求めるだろう」
 そうした超常的なものに頼ってまではというのだ。 
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