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ドリトル先生学校に行く

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第三幕 トミーの到着その三

「お話しておいてね」
「わかってるよ、ちゃんとお話しておくから」
「頼むよ、それとだけれど」
「それと?」
「先生も日本に大分慣れてきたみたいだね」
「そうかも知れないね」
 先生は王子の今の問いに微笑んで答えました。
「何だかんだで」
「そうだね、少なくとも八条学園と八条町にはね」
「他の街や場所はまだ回っていないけれど」
「もう少し落ち着いたらね」
 その時はとです、王子は先生にここでもこうお話します。
「他の場所にも行ってね」
「そうするよ、出来ればね」
「日本は他の場所も楽しいし綺麗だから」
「大阪や京都もだね」
「奈良もね」
「他には伊勢神宮、高野山も」
「高野山は険しいよ」
 王子は先生のお話を聞いて高野山については笑って言いました。
「もう登るだけでも大変だよ」
「日本は山が凄く多いけれど」
「その中でもね、高野山はね」
「相当に険しいんだね」
「修行をする場所だから」
 修行は楽な場所ではありません、だから高野山もだというのです。
「先生じゃ登ることも下りることも大変だよ」
「僕は運動は苦手だからね」
「それでもいいのならね」
「行くといいんだね」
「僕も時間があれば一緒に行かせてもらうから」
 同行したいというのです。
「その時はね」
「そうなんだね」
「僕も高野山は一回行ったからね」
 高野山について知っているというのです。
「案内は任せてね」
「同行してくれる時はだね」
「うん、楽しく行こうね」
 高野山についてもこうしたお話をするのでした、先生達はステーキの後御飯を食べてデザートに無花果を食べました。そしてその食事の後でもです。
 先生は王子と一緒に紅茶を飲みながらこう言うのでした。
「トミーとは日本でも仲良くやっていきたいね」
「全くだね」
 王子も先生のその言葉に頷いて答えます。
「僕もそう思ってるよ」
「折角また皆一緒になれるんだから」
「それならね」
「うん、仲良くやりたいよ」
 イギリスにいた時と同じくというのです。
「そう思ってるよ」
「そうだね、トミーも日本に馴染めればいいね」
「トミーも僕と一緒に沢山の国や場所を回ってきたけれど」
「日本はどうかだね」
「それはわからないからね」
 だからだというのです。
「そのことも心配だったりするんだ」
「すき焼きは美味しく食べてくれたけれど」
「日本はすき焼きだけじゃないからね」
「うん、一杯あるよ」
 その他のものが実にだというのです。
「だからね」
「トミーが馴染めるかどうかは」
「そういったものをトミーが受け入れられるかだね」
 王子はトミーに主点を置いて先生に言いました。
「それが問題だね」
「どうなるのかな」
 先生は不安も感じながら王子に応えます。
「期待しているけれどね」
「不安でもあるね」
「今はそう思ってるよ」
 実際に紅茶を飲みつつ微妙なお顔になっている先生でした。
「どうかな、トミーは」
「まあ今ここで考えてもね」
「仕方ないね」
「なるようになるよ」
 王子はあえてこう言いました。 
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