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ヘタリア大帝国

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TURN122 砂嵐の中でその四

 その風を受けながらだ、東郷は命じた。
「ではだ」
「はい、この風に乗ってですね」
「今より」
「全軍攻撃を加える、艦載機を出せ」
「艦載機の帰還は」
「このまま突っ切ってだ」
 そしてだとだ、東郷は再び日本妹に答えた。
「途中で拾う」
「艦載機を帰還させるのではなく」
「そうだ、敵艦隊を突破してだ」
 そのうえで向こう側に展開している艦載機を収容するというのだ。
「そうする」
「帰還させれば向かい風になるからですね」
 艦載機の帰還はユーターンで行う、それでなのだ。
 これまで追い風だったものが向かい風になる、これでは同じだからだ。
 東郷は今はだ、そうするというのだ。
「成程、それでは」
「それでいいな」
「はい」
 日本妹は東郷の言葉に確かな声で応えた。
「ではこれより」
「まずは艦載機で攻撃を行う」
 そしてだというのだ。
「それからビーム、ミサイル、鉄鋼弾でだ」
「三段攻撃、違いますね」
「一斉攻撃だ」
 その三つの攻撃をだとだ、東郷はフィリピンの問いにも答える。
「そうする、いいな」
「わかりました、それでは」
「その一撃で決める」
 一斉攻撃、それでだというのだ。
「いいな」
「はい」
「了解したわ」
 フィリピンだけでなくララーも応える、そうして。
 枢軸軍を突風を背に受けながら彼等の方に旋回した枢軸軍に攻撃を仕掛けた、艦載機達は追い風を受けて一直線に進み。
 通り抜ける形でエイリス軍に攻撃を浴びせる、それから。
 枢軸軍は突撃しながら一斉攻撃を浴びせた、エイリス軍の艦艇は次々に攻撃を受け爆発し炎に包まれていく。銀河を紅蓮の炎が飾る、それでだった。
 かなりのダメージを受けたエイリス軍の陣地を突破する。そのうえで前方にいた艦載機達と合流した。これで一撃目は終えた。
 モンゴメリーはその彼等を見てだ、こう言った。
「ふむ、風を完全に読み切るとは」
「既にこの北アフリカのことを知っていた様ですね」
 イギリス妹がモンゴメリーに言ってきた。
「どうやら」
「はい、そうですね」
「さもなければここまでこの北アフリカの風を読みきれません」
 北アフリカの風の動きはすぐに変わる、だからエイリス軍もこれを使うにはかなり調べているのだ。しかし枢軸軍は完全に読みきっていたのだ、その風を。
 そのことからだ、イギリス妹はこう言うのだ。
「敵にはイタリン軍もいますので」
「彼等から聞いたのでしょうか」
「そうでないかと、それで」
「はい、それでですね」
「次は止まります」
 風が、というのだ。
「風の動きは使えません」
「正面からの戦いになります」
「では今度は」
「妹殿、少し考えがあるのですが」
 ここでモンゴメリーはイギリス妹にこう言ってきたのだった。
「ここはあれを使いましょう」
「あれですか」
「はい、エイリス軍伝統のあの戦術をです」
 使おうかというのだ。
「そうしましょう」
「そうですか、では今は」
「ここで敗れては後はアンドロメダだけです」
 アフリカでの戦いも完全に後がなくなるというのだ。 
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