戦国†恋姫 外史に飛ばされし者
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第4話
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戦国†恋姫 外史に飛ばされし者
第4話
竜司「さて…と、修行を終えて、飛んだはいいがどこに飛ばされることやら…」
転生…転移など、この手の小説は元の世界のネットの中で沢山見てきたが、まさか自分がそう言うことをする時が来たのかとまだ現実感を持っていなかった。そして徐々に光は薄くなりある光景が目に入ってくる。見ると、何やら得体の知れない化物が、一人の少女に襲いかかろうとしている、あれがゼウスの言っていた”鬼”という存在なのだろう。
竜司「こうしてはいられないな…我が名において…顕現せよ!ブラックゲイル!」
すると巨大な刀が竜司の前に現れてそれを持った竜司は…
ガキンッ!という音を鳴らし、間一髪のところで鬼の攻撃を防いだ。
竜司「やれやれ…まさか、ここに来てしょっぱなからこんなことになってるなんてな…」
竜司は静かな笑みを一つ浮かべ、鬼に殺気を込めてにらみつけ、こういった。
竜司「人に楯突く鬼…か…実際見るのは初めてだが…放っては置けないな…さて…下等生物如きが人間に楯突いたんだ…覚悟しな…」
すると、殺気を当てられた鬼は後ずさり、後退する素振りを見せる。
少女「ん?…お、おい!」
竜司「ん?あぁ…まだいたのか…早く逃げたほうがいい。俺の攻撃に巻き込まれたくなければ…な」
少女「お前は…一体…」
少女が俺を見上げて問いかける。
竜司「俺は…っと今はそんなこと言ってる場合ではないらしい…」
少女「え…?」
竜司「くるぞ…」
俺の視線を追い、少女がその方へ向いた瞬間、先ほど威嚇した鬼が突っ込んできた。
鬼「くがあああああああああああああああああああ!」
竜司「遅い…!はああああああああああ!」
竜司は持っているその自分よりも大きく、そして真っ黒な刀を軽々と片手で持ち上げ、渾身の力で振り下ろす。すると鬼が軽々と吹き飛ぶくらいの爆風が起こり、その衝撃で鬼は林の方に吹き飛んでいった。
竜司「ん~…人間より強いって聞いてたけど…こんなものか…っとそれより大丈夫か?怪我とかしてないよな?」
気がついたかのように少女に問いかける。
少女「あ、あぁ大事無い。感謝するぞ」
俺の声でハッ!と気付いた少女は俺の方を向き、感謝を述べる。
すると軍隊の中から新しい声と共に、2人の男勝りな女性と物腰が柔らかそうな女性がやってきた。
女性1「殿ーーーー!」
女性2「殿!お怪我はございませんか!」
少女「うむ…大事無い。この者のおかげで助かった。権六、五郎左。2人からも礼を申せ」
女性2「然様ですか。此度は我らが殿を助けていただき、感謝申し上げます」
竜司「いや…構わない。俺はある人から頼まれて助けただけだ。礼には及ばない」
物腰のやわらかそうな女性に礼はいいと断りを入れたその次の瞬間。
女性1「殿!お下がりください!」
男勝りな女性がその少女を守るようにして俺の前に立ちはだかる。
少女「お、おい…壬月?」
女性1「殿…ご心配無用!あなたは私がお守りいたします!ハァ!」
すると、その女性はどこからともなくでかい斧を出して、大きく振りかぶり、その斧を振り下ろして攻撃してくる。
竜司「よっと…!」
だが竜司はその攻撃を悠々と躱す。
竜司「はぁ…まさかいきなり攻撃してくるなんて…」
女性1「うるさい!貴様が怪しすぎるのだ!そこへ直れ!」
今にも俺の首を跳ねんとばかりに殺気を飛ばしてくる。
少女「権六!やめよ!」
女性1「殿!しかし!」
少女「よい!この者は我を助けてくれたのだ!そのような者に危害を加えるなど我が許さぬ!刃を収めよ!」
女性2「そうですよ壬月様。この方は我らを助けていただいたのですから、手荒な真似はおやめください」
女性1「むぐ…そこまで言われては仕方ない…命拾いしたな、小僧」
すると攻撃してきた女性は隊をまとめるため、俺達から離れていった。
少女「すまぬな。我が配下の者が迷惑をかけた」
竜司「いや。構わない。こういう荒事は慣れてる。それにあの人の気持ちも最もだろう。いきなりどこからともなく謎の男が現れれば誰だって警戒する」
少女「そうか。それは助かる。して、お主はこれからどうするのだ?」
竜司「そうだな…特に行くところはないから、どこかで路銀集めでもするかな…」
少女「そうか…では、ものは相談なのだが、我が屋敷に来ぬか?先の礼がしたい」
竜司「礼は無用だと言ったはずだが」
少女「それだと我の気が収まらない。それくらいはさせてくれ」
お礼はいいと何度断っても、彼女は食い下がってくる。
そんな彼女の根気に負け、俺はこの少女に付いて行くことにした。
竜司「はぁ…わかった。ならその礼ありがたくもらおう」
少女「うむ!そうでなくてはな!では参ろう。猿!」
少女が”猿”と呼ぶとまた別の方から一人の少女がやってきた。
少女2「はいぃ!お呼びでしょうかぁ!」
少女「うむ。この者を我が屋敷に案内せい!ついでに結菜にもすぐ帰ると伝えよ!」
少女2「はいぃ!畏まりましたぁ!ではどうぞこちらに!えっと…」
竜司「あぁ…そう言えば名乗ってなかったか俺は三上竜司、竜司で構わない」
少女2「はい!竜司様!では参りましょうか!」
竜司「あぁ」
猿と呼ばれる少女に付いていく。
するとさっきの少女が…
少女「これにて、今川との戦いに終止符をうつ!疾く退け!」
兵士「「「「「応!!」」」」」」
すると周りに居た兵士達が一誠に動き出し、綺麗に隊列を組み引き上げていく。
俺達もその列に付いて行く。目指すは尾張にある織田久遠信長の屋敷。
甲斐 躑躅々崎館
??「親方様!」
??「春日…?」
??「はっ!尾張に放っている草からの報告が届いております。ご報告させていただいもよろしいか?」
??「お願い…」
??「御意!それでは、ご報告申し上げる。田楽狭間にて、織田、今川軍が衝突。結果織田が勝利を収めました。ですが、撤収の際、鬼が現れたとのこと」
??「…!?それで…?」
??「はっ!鬼は織田軍を攻撃、織田家頭首織田三郎久遠信長に攻撃を仕掛けた際、天人あり、見事鬼を撃退した。とのこと」
??「……」
??「親方様…いかがなさいましょうか」
??「しばらくは情報収集を密に…尾張方面への歩き巫女と草の数を増やし、順次新しい情報が届くように」
??「うむ…せつもその方がよろしいかと。承知いたしました」
竜司が田楽狭間に降り立ったことで新たな勢力が動き出す。
その勢力とは一体なにか…
尾張 信長の家
田楽狭間を出発して数日、やっと尾張のお城が見えてきた。
少女「我は猿、竜司と共に1度、屋敷にもどる!麦穂、壬月!後は頼む!」
女性1、2「「御意!」」
少女「我らはこのまま屋敷に向かう。では参ろう竜司。猿!共をせい!」
少女2「はいぃ!ただいまぁ!」
こうして俺達、竜司、猿?は少女の屋敷に向かうことになった。
少女「結菜ー!帰ったぞぉ!」
少女のが呼びかけると屋敷の奥からはーいと女性の返事が帰ってくる。
女性「お帰りなさい久遠。無事で良かったわ。ひよもいらっしゃい」
ひよ「はい!結菜様もお変わりなく!お元気そうでよかったです!」
女性「ふふ。あなたもね。で…そちらの方は?」
俺のことに気付き、こちらの方を向いたので冷静に一礼する。
少女「この者は田楽狭間で鬼に襲われそうになった我を助けてくれたのだ!」
女性「なっ!久遠!あなた鬼に襲われたの!?何でそれを先に言わないのと!大丈夫!?怪我とかしてない?」
よほど心配だったのだろう本当に怪我はないのかあちこち触りまくる。
少女「こ、こらぁ結菜ぁ恥ずかしいからやめよ…///」
女性「そんなこと言ったって心配だったんだからいいでしょ?」
少女「言いたいことはわかるんだがなぁ、猿と竜司の前でぇ…///」
触られてる本人はすごく恥ずかしそうである。
そしてしばらくして落ち着いたのか、話を進める。
少女「だからな。その礼として飯を食わせてやることにした」
女性「はぁ…またあなたの気まぐれね久遠…まぁいいわ。じゃあ直ぐに準備するわね」
少女「うむ!苦労をかける」
女性「別にいいわよ。いつものことだし。ではお食事ができるまで、お部屋にてお休みください」
竜司「あぁ…助かる」
こうして居間に案内された。
そこに吸われと畳の上に座った俺の前に少女が向かい合わせに座る。
信長「まぁとりあえず、自己紹介と行こうか。我の名は織田三郎久遠信長だ。ここ尾張の城主をやっておる!ちなみに夢は、日の本統一である!見知りおけぃ!」
竜司「ご丁寧にどうも。俺の名は三上竜司。よろしく頼む」
信長「とりあえずだ。貴様に聞きたいことがある。一体どうやって天から参ったのだ?いや、そもそもどうやって天に昇った?あれか?貴様は屍人で所謂幽霊とか言う奴か?いや幽霊は触れないと聞くが、貴様はちゃんと触れるな。では違うか」
竜司「えぇっとぉ…」
信長「おぉほかにも聞きたいことがあるぞ。あの光はどうやって起こしたのだ?あれほどの強い光、我は初めて見たのだが…燃料はなんだ?荏胡麻か?それとも昨今流行りだしたという、新しい菜種油というやつか?」
信長という少女は、座ったと思いきやいきなり身体を乗り出し、次から次へと質問してきた。
竜司「ん~なんと言えばいいか…」
信長「なんだ?油ではないのか?ではどんな絡繰りだ?いやよく考えると違うな…あの光は灯火の光のような弱々しいものではなかった。言うなれば、空に輝く日輪が如く、強い光を放っていたものな。ということはあれか?お前は仏教徒どもが言う、大日如来とやらの化身とでも言うのか?」
この子の中で俺はどんどん神格化されてる気がする。
信長「それにしては体つきは普通に見えるな。だったらやはり貴様は何者だという話に戻るが…どうした?何かゆってみせよ、黙っているだけでは何も分からぬではないか」
竜司「とりあえず…落ち着こうか…」
あまりの勢いに俺は成す術もなく、とりあえずは信長を宥めることにした。
信長「おぉう!?おぉすまなんだな。我だけで話しては貴様が話せぬか」
竜司「まぁとりあえず…質問は1つずつで頼む。ちゃんと答えるから」
信長「デアルカ。ではそなたの名前は…はいいか。我はもう知っておるしな」
竜司「そうか。じゃあその辺は省こうか。えっと信長公…でいいのか?」
信長「諱を呼ぶのは無礼であろう!それに我が真名は久遠だ。竜司も我のことは織田久遠と呼ぶがよい!」
竜司「わかった。俺には真名というものはない。竜司が名前だから竜司と呼んでくれ」
以後久遠「デアルカ…真名がないとは面妖な…が、真名と諱が同じ地方もあるという。われも常々、その方が合理的だと考えているが、如何せん、この世は礼に五月蝿くてたまらん」
竜司「ふ~ん。まぁどこの世界にも親しき仲にも礼儀ありって言葉があるように、礼儀にうるさい人間がいるんだな」
久遠「おる。そも諱というのは、親か、己が仕える主君のみが呼んでいい名前だが、敵対勢力が呪いを籠めて諱を呼びすてることもある。諱というのはその人物の霊的な人格と強く結びついてものであり、その名を口にするということは、その人物の霊的人格を支配できる、ということだそうだ。甚だ不合理で理屈に合わん。人は人だ。霊だなんだと胡散臭いことこの上ないが…この世の多くの凡人がそう信じている以上、それが常識ということになる」
信長は非合理なことはとことん嫌い、何事にも合理的にことを進ませようとする…何ていうか。それを体現ししてるな…久遠…。
久遠「だから諱については普段使いでは気を遣うが、真名というのは親しい間柄ならば気安く呼んで良い名である。日常的に使いやすく、合理的だ。仕来りというくだらんことも多いが、まぁ通称については特に不便でも不快でもない。これはこれで構わんだろう」
竜司「なるほどな。まだまだ俺の知らないことは沢山あるんだな…改めて実感した」
久遠「所で竜司、田楽狭間で貴様に会うた時、気になることを言っておったのだが…どう言う意味だ?」
竜司「ん?何をだ?」
なんのことかとわからず、首をかしげる。
久遠「ある者に頼まれて…と言っておったであろう?あれはどう言う意味だ?」
竜司「あぁあれか…あれは、言葉の通りだ。鬼が蔓延っているこの世界を助けろ。と頼まれてな。詳しくは言えんがまぁそんなところだ」
久遠「貴様は一体どこから来たのだ?」
いきなり確信を突いてくる久遠。これは最早言い逃れはできまいと腹を括る。
竜司「信じてはもらえないかも知れないが…少なくとも、俺はこの世界の住人ではないのは確かだ…」
久遠「………」
竜司「まぁ俺自身世迷言を言ってると思っているのは確かだが…事実だ…」
久遠「ふむ…貴様の言うとおり、にわかには信じられん話だ。貴様はそれをどうやって証明する?」
竜司「さて…それをどう証明すればいいのか…ふむ…」
竜司は少し考えて出した答えが…
竜司「我が名の元に顕現せよ!ベルベルク!」
すると何もない空間から白銀に光る二丁拳銃が出てくる
久遠「なっ!どこからそんなものを出したのだ!?」
久遠も驚きを隠せずにいるようだ。
竜司「この世界にも鉄砲はあると思うけど。そっちの鉄砲の砲身は長いだろ?」
久遠「ふむ…確かに南蛮性の火縄銃などは砲身が長いが…それも鉄砲なのか?」
竜司「あぁ。俺の世界での鉄砲はこういう砲身は短くて発射距離もそれほど長くはないがそれでも当たれば痛い」
久遠「なるほど…持ちやすいから軽量化にもなるのだな」
竜司「そういうことだ」
久遠「して、それは竜司の御家流か?」
竜司「御家流?」
久遠「貴様は御家流も分からぬのだな…」
竜司「すまない…俺の世界には御家流といったものはなくてな」
久遠「そうなのか?ふむ…ならば仕方ないな…」
竜司「ん~すまん…あいにくとこの世界の住人ではないと証明できるものを俺は持ち合わせてはいないらしい…」
携帯電話…今はスマホか。そう言うのを出せるなら話は早いが…如何せん…ゼウスからそう言うのを出すのは禁止されてるんだよな…武器とかならともかく…はぁ…
久遠「竜司…我の目を見よ」
竜司「え?」
久遠「我の目を見よと言っている」
そう言われ、俺は久遠に視線を向ける。まるで闇夜の中で真っ赤に燃え上がる炎のような瞳。思わず吸い込まれそうなその瞳に俺は見惚れそうになる。
久遠「…うむ。嘘のない瞳をしている。よかろう。貴様の言うことを信じてやる」
竜司「あら?そんなあっさりと…自分で言っておいてなんだが、正直突拍子もないことを言ってるぞ。まぁ言ってることは全部本当のことだけども…そんな簡単に納得出来るものなのか?」
久遠「なるほど…理屈として、その考えは間違ってはいない。だがな…人は理屈のみにあらず。我のような立場の者はな、瞳を見れば、その者がどのような人物なのかわかる。その者が卑屈なものか、阿諛追従の徒であるか…はたまた正直者であるかな。それを見抜けなければ、上は下に背かれ、下は上に潰される。それが下克上渦巻く今の世の常だ」
竜司「下克上…ね。まさしく世は戦国の世と言うわけだな」
久遠「それも強ち間違ってはおらんだろう。今は応仁の乱より続く乱世…まさに下克上などはいつ起きてもおかしくはなかろう」
竜司「やれやれ…そこまでこの世のことを理解してるんだな。末恐ろしいことだ」
久遠「で…だ。貴様が違う世界?時代…まぁ其の辺は置いておこう、とにかく貴様がこことは違う場所から来て、その目的もとりあえずは理解した。ちょっとだけだがな。してこれから行く宛はあるのか?」
竜司「さて…これからどうしたものかな…とりあえず田楽狭間で云った通りどこかで路銀集めをしながら鬼たちを潰していくか」
久遠「なるほど…ふむ!気に入った!」
竜司「どうも…」
そして少しためて出した久遠の言葉は…
久遠「竜司。我の家臣となれ!」
竜司「……なに?」
久遠「我の家臣となれ!そうすれば、飯も住む所も着るものも金も我が何とかしてやろう」
竜司「それは…魅力的な提案だな」
久遠「であろう?どうだ?」
竜司「ん~いや…やめておこう…」
久遠「ほお?貴様にとっては破格な条件だとおもうのだが…違うか?」
竜司「いや…確かに喉から手が出るほどの条件だ」
久遠「ならば貴様は馬鹿であるのか?」
竜司「はは。どうだろうな」
久遠「…言え」
竜司「はぁ…そもそも俺には目的がある。鬼を駆逐するって目的がな。それを最優先にやっていきたいのが一つ」
久遠「ふむ…もうひとつは…」
竜司「俺自身、天下取りに興味はない。確かに俺は戦う力を持ってはいるが、その力はあくまで鬼を倒すために使いたいんだよ」
久遠「だが…この世は応仁の乱より続く戦国の世。貴様が何もしなかろうが戦はどこでも起きる。それこそ、貴様が鬼を駆逐せんとしている最中にもな」
竜司「その時は…俺の邪魔をするのなら相応の対応をするだけだ」
久遠「ならばその力、我に貸せ」
竜司「いや…だからな!」
久遠「飯はどうするのだ?あてなどないだろう?」
竜司「自給自足の心得はある。いざとなれば山の動物を狩るか、山菜でも採るさ」
久遠「……」
少しためて…
久遠「…わかった」
竜司「そうか…わかってくれたか」
久遠「家臣というのは撤回しよう」
竜司「は?いや…そういうことではなく…!」
久遠「とりあえず置け…我が新たに提案してやる」
竜司「一応…聞こう」
久遠「衣食住は保証してやる…その代わり」
そして出た言葉が…
久遠「我の夫となれ!」
一体どうなるんだ…俺…
後書き
という訳で、第4話はこんな感じ!大分本編に交わってきましたな~ではまた次回!
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