ドリトル先生学校に行く
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第一幕 充実している学園その七
「仲良く」
「ご家族の仲はいいのですね」
「何だかんだで父親として愛され慕われてはいます」
それはそうなっているというのです。
「家では猫もいますし」
「猫を飼っておられますか」
「それも三匹」
「そうなのですね。実は僕の場合は妻も子供もいませんが」
「聞いています、先生のご家族のことは」
准教授はそのお話になると笑顔で乗りました。
「オシツオサレツのことも」
「ご存知でしたか」
「有名ですよ、もう」
先生は今日この大学に正式に入りましたがそれよりも前に既にだというのです。
「先生は有名人ですから」
「だからオシツオサレツのこともですね」
「そうです、有名です」
そうだというのです。
「先生のご家族のことも」
「そうなのですね」
「ええ、まあ私の家庭はそんな感じでして」
それなりだっというのです。
「出来る限り家に帰る様にしています」
「そうですか」
「そうです、何はともあれ先生はですか」
「家には歩いても帰ることが出来ます」
行きは確かにお馬さんに乗ってですがそれでも歩いて行けることは確かです。
「ですから」
「そうですか。それではですね」
「家に帰ることも簡単ですから」
これから例えどれだけ遅く残ることになってもだというのです。
「ここで休むよりそうしたいですね」
「わかりました、やはりお家で休むことが一番ですしね」
「そうですね。ではこれから」
「宜しくお願いします」
先生は准教授と楽しくお話しました、そのうえで研究室で早速本を読みはじめました。そうして午前中は研究室で過ごしました。
そして午後です、講義が行われる講堂に行きます。今日の講義は実技のあるものではなく座学で講義自体は普通でした。
ですが講義が終わってからです、先生は学生さん達に講堂から研究室に戻ろうとしたところで手を挙げてこう尋ねられました。
「教授、少しいいですか?」
「質問したいことがあります」
「何でしょうか」
礼儀正しい学生さん達です、先生は彼等にいつもの調子で応えます。
「講義のことでしょうか」
「いえ、教授のことです」
「先生でお願いします」
学生さん達にもこう言う先生でした、このことについては。
「教授と呼ばれると気恥ずかしいので」
「そうですか、それじゃあ」
「先生とお呼びしますね」
「それでお願いします」
再び笑顔で言う先生でした、そのうえであらためてお話をするのでした。
学生さん達は先生にです、こう尋ねました。
「先生は獣医でもありますよね」
「何でも動物とお話が出来るらしいですけれど」
「それは本当ですか?」
「犬や猫とお話が出来るんですか?」
「はい、出来ます」
その通りだとです、先生は学生さん達ににこりと笑って答えました。
「オウムから教えてもらいました」
「オウムからですか」
「言葉を教えてもらったんですか」
「動物の言葉を」
「そうです、ポリネシアというとても頭のいいオウムからです」
先生はポリネシアの名前も出し手お話をしていきます。
「教えてもらいました」
「犬の言葉もですか」
「猿の言葉も」
「そうです、あらゆる動物の言葉を」
教えてもらったというのです。
「そうしてもらいました」
「そうですか、噂は本当だったんですね」
「先生は動物とお話が出来るんですね」
「彼等の言葉がわかるんですか」
「そうなんですね」
「そうです、それで動物の言葉の辞書も作っていますので」
先生がこれまでしてきたお仕事の一つです、イギリスにいた頃に暇な時のそれをまとめて辞書にしたのです。
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