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迷子の果てに何を見る

作者:ユキアン
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第三十三話

 
前書き
この人たちは何処かが違う。
初めて会った時からそう感じた。
ここでなら私は幸せになれるとも感じた。
そして幸せにしてやりたいと言われた。
私はその言葉を一生忘れない。
byアリス 

 
アリス来日


side アリス

「もうすぐ着きますか」

ロンドンから飛行機に乗って日本へと降り立ち,そこから電車を乗り継いできました。そしてそれももうすぐ終わります。正直疲れました。まさか移動にこれだけ疲れるとは思いませんでした。前世の時から考えてもこれほど移動に時間をかける様な旅行等も行った事も無い上、今は数えで10歳の子供なので余計に疲れたように感じます。

『次は〜麻帆良,麻帆良〜。お忘れ物にご注意ください〜』

日本に来てから日本語が聞こえてきますが、10年ぶりな為か酷く懐かしく聞こえてきます。
元日本人ですが一応勉強し直しています。最悪英語で話しますが大丈夫でしょう。
確か、駅に迎えが来ているはずでしたね。
電車を降り,駅を出た私は待ち合わせの場所の銅像の元に向かいます。そこには写真に写っていた男性がこちらに手を振って待っていました。

「ようこそ麻帆良へ、アリス・スプリングフィールドちゃん。オレは天流・M・零斗、よろしく頼む。ここまで来るのは大変だっただろう」

「えと、はじめまして、アリス・スプリングフィールドです。よろしくお願いします。間違えてませんよね」

「ああ、大丈夫だよ。不安なら英語でも構わないよ」

「いえ、一応は勉強してきているので、なれる為にもできるだけ日本語で話そうかと思ってます」

「そうか、分かった。とりあえず店の方に行こうか、疲れてるだろう。荷物は持ってやる」

「ありがとうございます。けれど、その前にこの場所まで連れて行ってもらえますか」

私は鞄の中から一枚の地図を取り出し零斗さんに渡します。そこは麻帆良と魔法使いを繋ぐ運び屋がある場所です。外国から日本に来る際に持ち込めない物を持ち込んでくれる唯一の場所でもあります。私はこの運び屋にお父さんから渡された剣と弾丸を持ち込んでもらっています。さすがにアレは個人では日本に持ち込む事は不可能ですから。

「ああ、ここか。ここは店に行く途中にあるから問題ない。じゃあ、行こうか」

「はい」

歩きながら認識阻害の結界を張った零斗さんが麻帆良での零斗さん達の立場や関西呪術協会との関係、私のこれからの事に着いて色々と話してくれました。
零斗さんの立場は麻帆良にいる魔法が使える一般教師。茄子に良いように使われるのを防ぐ為らしいです。個人的に仲の良い魔法先生達も居るらしいですがどちらも魔法の抜きでの対等な友人関係にあるらしいです。後、昔赤き翼を鍛えてた時期があるそうです。つまり世界最強を名乗れる人みたいです。
関西呪術協会は原作の様なバラバラで小さく弱い組織ではなく、関東魔法協会よりも強大な組織にしてしまったそうです。
私の立場ですが、とりあえずは零斗さんとエヴァさんの保護下に入ることしか決まっていないそうです。なぜかと聞こうとすると目の前で大学生同士が言い争い、そこから殴り合いに発展しました。

「くそ、何でこんな時に限って他の先生が居ないかな。ちょっと待っててくれるか、すぐに片付けてくるから」

そう言うと零斗さんは影の中から帽子と変なバックルの付いたベルトと少し大きなUSBメモリを取り出しました。ベルトを腰に巻き帽子を左手にUSBメモリを右手に持ち、USBメモリに付いているボタンを押すと

『SKULL!』

メモリから音声が鳴り、それをバックルに差し込み開くと。

「変身」
『SKULL!』

銀と黒を基調としてボディに骸骨に似た仮面と白色でぼろぼろのマフラー。
そして、額に「S」の傷があり、それを隠すかのように左手に持っていた帽子を被った。
そこには仮面ライダーが立っていた。

「やばいスカルだ」

いつの間にか結界を出ていた零斗さんが変身した姿を見た大学生がそう叫びました。

「またお前達か、オレは何度も言ったよな。やるならちゃんとしたルールの上で正々堂々と周りに迷惑をかけるなと。ケンカ両成敗だ」

スカルと呼ばれた仮面ライダーは右手を上げて

「さあ、お前達の罪を数えろ」

その言葉と同時にスカルは大学生達の中に飛び込み、僅か数秒で20人近く居た大学生を全員気絶させてしまいました。その後、邪魔にならない場所まで運んだ後何処かに去ってしまいました。

「待たせてしまってすまないね」

「きゃっ」

いつの間にか変身を解いた零斗さんが横に立っていて思わず悲鳴を上げてしまいました。

「いえ、それより零斗さんってもしかして転生者なんですか」

「違うよ。オレは君とは違って転生者ではないよ。渡り人と言った方が正しいだろうね」

「渡り人?それに私が転生者ってことを知っていたんですか」

「それについては店に行ってからにしよう。結構長くなるからね」

不満もありますが仕方なくその言葉に従いこの場で聞く事を止めます。
そのまま運び屋の店に行くまでは一言も話さずに来てしまいました。

「アリス・スプリングフィールド様ですね。こちらがお預かりしていた物です」

「ありがとう。これが代金です」

「はい、またのご利用をお待ちしております」

預けていた剣と弾丸を受け取ると零斗さんが懐かしそうに剣を眺めていました。

「どうかしましたか?」

「いや、懐かしくてね。ナギはアリスにそれを託したのか」

「ええ、知っているかもしれませんが私は魔法が使えないので。でも大きすぎてまともに扱う事は出来ないんです」

「それはそうさ。なんせこの剣はオレがナギの為に作った剣だからな。扱えなくても仕方ないさ」

「なんで剣を作ったんですか」

「必要だったのさ。聞いた事無いか?ナギがプロポーズしたケルベラス渓谷での話を」

「聞いた事無いです」

「そうか、ならそれも後で話してやろう。ビデオも撮ってあるからそれも見せてやろう」

それから店に着くまでの短い間に赤き翼の面々の恥ずかしい思い出を語ってくれました。

「さて、ここがオレとエヴァの店『Aria』だ。先にどうぞ」

私が中に入ると同時にクラッカーが鳴らされます。

『ようこそアリス・スプリングフィールドちゃん』

店の中には写真に映っていた人以外に眼鏡を外した千雨さん、それに超さんと葉加瀬さんに龍宮さんがいました。

「えっと」

「驚いてくれたなら幸いだ。みんなアリスちゃんに会うのを楽しみにしていて歓迎会を開く事にしたんだ。あとここに居るのはみんな関係者だ」

「正確に言うなら、あの茄子に一泡吹かせる為の関係者ネ」

「超、先に自己紹介をすませろ」

「これは失礼したネ。私は超鈴音ヨ、超で良いネ」

「私は龍宮真名だ、好きに呼ぶと良い」

「僕は天流・M・零樹です。よろしくお願いします」

「私はその姉のリーネよ。それでこっちは妹の刹那」

「よろしゅう」

「次はウチやな。ウチは近衛木乃香言うねん。茄子言うんわ、ここの学園長でウチのじいちゃんの事なんよ」

「私は葉加瀬聡美です」

「はじめまして、私は天流・M・茶々丸と申します。以後よろしくお願いします」

「あ〜、長谷川千雨だ。こいつらの相談役みたいな事やってるから、なんかあったら相談には乗ってやるよ」

「旧姓の方は知っているだろうが、今はエヴァンジェリン・M・テンリュウと名乗っているから間違えないように。この娘達の母親で貴方の修行での保護責任者もやる事になっているから。エヴァと呼んでくれれば良いから」

「最後にオレだ。駅前でも名乗ったが天流・M・零斗だ。エヴァと一緒で君の保護責任者をやる事になっている。言い忘れていたがオレとオレの家族は『誇り』を穢される事、家族に手を出される事、化け物ではない者を化け物扱いする事を行なう奴には一切の容赦をしないから注意しておいてくれ。『誇り』に関してはバラバラだからちゃんと話して聞いておくように。ちなみにオレの『誇り』は滅多な事じゃ穢される事は無いから教えないでおく」

原作から知っていたが、やはり2-Aの人たちはこういう事が好きなんだろう。関係者という事は私の事も知っているだろうし、たとえ知らなかったとしてもスプリングフィールドという名を聞いた事が無い人は居ないだろう。けれど彼女達は私を見てくれている。私から両親の事を見るのではなく、私個人を見てくれている。6年前までは当たり前のようにあったのに今ではなくなってしまった私個人を見てくれるという行為。これがこんなにも嬉しい事だったなんて。

「はじめまして、アリス・スプリングフィールドです。今日は私の為に集まっていただけてありがとうございます。これからよろしくお願いします」

パチパチパチパチパチ
私が挨拶をすると皆さんが拍手で応えてくれました。

「というわけで今から魔法球の方に行くぞ。あっちの方に飲み物とか食べ物を用意してある。オレとエヴァの特製ばかりだ」

『わ〜い』

龍宮さんや葉加瀬さんが原作でも見た事が無い位喜んでいるのを見るともの凄くおいしいのでしょう。これは期待できますね。原作に出てきたエヴァさんの別荘の中に入ると大きなテーブルの上に色々なお菓子や軽食、飲み物が所狭しと用意されていました。けれど、メイド服を着た見た事の無い人が何人も居ます。

「紹介しておいた方が良いだろうな。フェブ、メイ、ジュライ。主賓に挨拶しとこうか」

零斗さんに呼ばれたメイドさんが三人こちらにやってきました。特徴は順にメガネッ娘、銀髪ショート、糸目というところでしょう。

「はじめましてアリス様。私はメイ、こちらがフェブラリーとジュライです。私たちはお父様達に作り上げられたガイノイドでこちらで別荘の管理をさせていただいております。この別荘内には私を含め12人の姉妹がいますので今後ともよろしくお願いします。後ほど他の姉妹もご挨拶に上がらせていただきます。それでは失礼します」

三人同時に頭を下げて準備に戻っていきます。

「あの零斗さん。彼女達って」

「アリスちゃんはこの世界の原作を知っているんだろう。彼女達は茶々丸の姉妹機さ。最も一人一人姿は異なるし男性タイプも居るし、好きな事とか得意な事も違う。彼女達はなんら人間と変わりない生命さ」

「......零斗さん達が私を保護してくれるのは私が持っている原作の知識が欲しいからなんですか?」

「それもあるが、オレは君の転生する前の事を少し聞いている」

「神にですか」

「ああ、最も君の言う神とオレの神は別だがな。それは置いておくがオレは偽善と言われても良いから君を幸せにしてやりたかったから君を保護する事にしたんだ」

「自己満足の為ですか」

「他にも理由はある。簡単に言えばこの世界は転生者を狩る為の世界なんだ。説明するのがめんどくさいから後でこれを読んで理解してくれると嬉しい」

そう言って零斗さんは私に一冊の辞書のように厚い漫画を渡してきました。
タイトルは「漫画で分かる世界の仕組み」
作者は零斗さんですね。最初の数ページだけ読んでみましたが無駄に絵が綺麗で本当に分かりやすかったです。とりあえず渡り人がどういう人かだけは分かりました。ようするにリリカルなのはの次元漂流者の様に別の世界に飛ばされてしまった人のことだそうです。

「どうぞ」

いつの間にかフェブラリーが近くに立ち、オレンジジュースの入ったグラスを渡してくれた。

「ありがとう」

「いえ」

グラスを受け取り他のみんなが居る所に近づく。

「全員グラスは行き渡ったな。それじゃあ、雛鳥の門出に乾杯」

『乾杯』

そこからはたわいのない話をしたり、零斗さん達の特製お菓子を食べたり、零斗さんがギターを持ち出してきてそれがもの凄く上手だったり(学園祭のライブに仲の良い先生達とバンドを組んで出ているらしい)、その勢いに乗って超さんがどこからともなくカラオケセットを持ってきてカラオケ大会が始まり全員(一部例外有り。葉加瀬さんとか)が採点で高得点をたたき出し、待ち時間の間に零斗さんに渡された漫画を読み原作との相違点をメモに書き出したり、充足した時間が過ぎていきました。
日も暮れ歓迎会も終了した事もあり、リーネさん達は寮へと引き上げていき、残されたのは私と零斗さん、エヴァさん、零樹君だけになりました。その零樹君も入浴に行ってしまい、エヴァさんも気をきかせてくれて片付けに行ってしまい、私と零斗さん、異なる世界の関係者だけになりました。

「さて、とりあえず漫画の方は全部読み終えてもらえたかな」

「ええ、まさかこれほどまで違うとは思いもしませんでしたが」

私は原作との相違点を書き記したメモを零斗さんに渡します。その内容の多さに若干、冷や汗をかいていますが問題はそこではありません。

「オレ一人の介入でここまで影響を与えてしまっているとは。やはり速攻で転生者を狩るのは正しかったようだな」

「それもありますが問題は世界の修正力です。6年前の事件が特にそうです」

「何かあったのか?」

「原作では両親は10年前から行方不明で悪魔の襲撃があります。その際一時的にお父さんと思われる人が悪魔を撃退するという事件でした。こちらでは普通に親子4人で暮らしていました。この時点では私が居るせいでそうなってしまったのかと思っていましたが実際には零斗さんがお父さんを鍛え、お母さんの罪を晴らしたためでしたが、悪魔の襲撃は両親が居るなら問題ないと考えていました。しかし、イレギュラーの介入により両親は共に何処かに飛ばされたと考えます」

「飛ばされた?」

「はい、イレギュラーの魔法から私とネギを庇い光の粒子になっていなくなってしまいました。お父さんの方はなんとかレジストしながら悪魔達を滅ぼして私に剣と弾丸を、ネギに杖を渡して消えてしまいました。幸い遺産はかなり残してくれていたので生活には困りませんでしたが」

「なぜ飛ばされたと感じたんだ。もしかしたら分解されたのかもしれないが」

「原作にも似た様な魔法があったんです。魔法世界人を完全なる世界に飛ばす魔法が。それによく似ていたんです」

「なるほど、ならあいつらは何処かの別空間に封じ込められたと考えた方が良いだろう。一番最悪の可能性は別の世界に飛ばされたといった所だろうな」

「やはりですか」

「過ぎてしまった事は仕方ない。とりあえずオレが知っている範囲ではそのイレギュラーは転生者ではない。これは保証する。ならそいつは世界の修正力が働いた結果、存在する者なんだろう。こいつに関しては情報を集めておくしか無いな。なら次に世界の修正が入りそうな場所はいつか分かるか」

「難しいですね。原作で起こる大きな事件は零斗さんが前提条件を粉々にしてますから」

「なら大きな事件を一つずつあげてくれ。こちらでも予想の付く限り対策を取ってみよう」

「わかりました。まずはネギが三学期にこちらで教師を行なう事になっています。そして女子寮の『黄昏の姫巫女』である明日菜さんと木乃香さんの部屋に居候させられます」

「それはこちらでも情報をつかんでいる。オレが居る以上担任になどさせない。寮の方も空きがあるしタカミチも面倒を見てくれる。問題は無い」

「ネギが魔法の秘匿に関しては全くと言って駄目なのは」

「それも知っている。未だに魔力が安定していないんだろう」

「その他にも明日菜さんの機嫌を取ろうと惚れグスリ、しかも違法クラスの物を作って使用します」

「......注意しておく」

「その次は、採用試験として2-Aの期末テストでの最下位脱出を言い渡されます」

「ウチのクラスは既に最下位は脱出している。これはたぶん最下位脱出から上位に入るようにしろとかに変更されるだろう」

「次は吸血鬼事件です。ネギに自分よりも格上の魔法使いが居る事を知らしめる為にエヴァさんを嗾けるのですが」

「う〜む、これは外部から呼び寄せる。違うな、どうにかしてリーネに襲わせるつもりだろうな。あの茄子はオレたちを自分の思うように扱えると勘違いしかしてないからな。実際ネギの事をひた隠しにしてやがる。直前になってから報告するつもりだろうな」

「できればこの事件を起こしてもらえないでしょうか?一応肉親なので警告ぐらいは出してあげたいので」

「......まあいいだろう」

「ありがとうございます。その次は修学旅行で関西呪術協会のクーデターに巻き込まれますが」

「間違いなくここで介入が入るだろう。だがどういう風に介入が入るかが分からない」

「原作では木乃香さんを攫って、その魔力を使ってリョウメンスクナの封印を解くという計画です。あとなぜかフェイト・アーウェルンクスがクーデター派にいました」

「リョウメンスクナは既に飛騨に還したから他の高位の妖怪とかを召還するのかもしれんな。フェイトが来るとは思えんがアーウェルンクスシリーズなら来るかもしれん。まあ、オレが着いてるしリーネ達も十分強いから問題は無いな」

「そちらの方はお任せします。次に学園に悪魔が侵入、この悪魔は6年前に召還された悪魔です。こいつの目的は学園の調査とネギと明日菜さんのこれからの脅威度を調べる為なんですが、私も調査の対象になっていると思います。だからこいつに勝てるようにはなっておきたいんです」

「それは大丈夫だ。オレとエヴァが鍛えるんだ。どんなに才能が無かろうが最強と呼ばれる一角になれる」

「よろしくお願いします。その後は、麻帆良祭で超さんと対立するのですけど」

「当然オレは超派だぞ。表向きには全世界への強制認識魔法をかけようとしているように見せかけるけど別にテロを起こすつもりは無いし、日頃溜った鬱憤を晴らすだけで世界樹の魔力は参加者達の記憶を少し弄るのに使うだけだからアリスちゃんも好きな方で参加してくれれば良いよ」

「はあ、とりあえずそれは保留で。その後は特に何も無く平凡に進み、夏休みに魔法世界に行きます」

「なんでまた魔法世界に」

「お父さんの手がかりを探そうと魔法世界に行くのですが向こうに行った直後に完全なる世界のテロに巻き込まれて、その後魔法世界の真実を知り完全なる世界と対立するんですが、私が知っているのはここまでで結末がどうなったのかは知りません」

「おそらくは完全なる世界の代わりが用意されるだろう。おそらくイレギュラーも複数来ると考えていいだろう。まあ、魔法世界ではずっとオレのターンで暴れさせてもらうとするか」

「あの漫画の通りなら確かにずっとオレのターンとか出来る戦力ですね」

「アレ以上になるがな。麻帆良祭での戦力のあまりは向こう側に輸出する予定だからな」

「アリアドネーにですか?」

「いや、クルト個人に」

「大丈夫なんですか」

「あいつも根は子供だからな」

否定できませんね。原作でも惚れたアリカ王女の罪を晴らす為だけに赤き翼の裏切り者という汚名を甘んじて受けて政治家になってましたからね。やり方はちょっとアレですが。

「まあ、とりあえずは修学旅行だな。それまでに色々と工作はしておこう。それでアリスちゃんだけど表側ではどうする?」

「どうすると言われても」

「いくつか選択肢は用意してあげよう。
 1、ネギと同じく教育実習生になる。
 2、教師ではなく生徒として関わる。
 3、年相応に小学生。
 4、学力があるなら大学に推薦で入る。
 5、その他
 1と4を選ぶときは年齢詐称薬を用意してあげるし書類の方も偽造してあげるから心配は要らないよ。まあすぐに選ぶ必要は無いから1週間後に答えを聞かせてくれ」

「分かりました」

私は用意された部屋に行き入浴してから眠りについた。


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