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わたしの見る世界

作者:
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差し込んだ光

 
前書き

雨がやんで、一筋の光が
私を照らした。 

 



2年生になった。
広崎くんとはクラスが離れた。
ほっとした。あんな辛いのはもう嫌だったから。


新しいクラスになってすぐにグループができた。
小学校から一緒だった、2人と、新たにはじめましての2人
計5人。


毎日5人でいた。
毎週末は5人で出かけて、騒ぎまくった。

初めてこんなに笑えた。楽しいと思えた。





ある日の学校での休み時間

このクラスになって仲良くなったうちの1人である樹里が私に言った。

「中学入ってしばらくしたころね、
 水道のとこで哀が話しかけてくれたことあったじゃん?
 うちね、それがすごく嬉しかったの。人見知りだったし。
 それなのに、クラスも違う哀が話しかけてくれて。いいこだあ!て思ってた。」

だって。私は覚えていなかった。
なのに、樹里の中ではずっと覚えていてくれた。


そのとき私は、

「え~覚えてないよ(笑)言ったっけかあ?笑」

なんて言ったけど内心、嬉しくて嬉しくて、涙が出そうだった。


私はきっと何気なく言ったんだと思う。
それでも樹里の中では記憶に残っていて。
1年も前のことなのに、覚えていてくれて。


わたしなんかでも、誰かの記憶に残ってるんだって。
誰かに笑顔を与えることができるんだって。そう思った。





中学2年生。
私はかけがえのない親友ができた。



私を含めた5人、好きな音楽、趣味、よく見るテレビ内容やタイプまで。
すべてが違った5人で、話なんてかみ合うもののほうが少なかった。
それでも一緒にいた。

周りからもなんでこの5人?って、言われもした。
でも一緒にいるのが当たり前だった。



校則に歯向かって、髪を染めたり、制服をオリジナルで着崩したり。
呼び出されたこともあった。怒鳴られたこともあった。

だけどそれがよかった。




わたしにできた、本音を出せる友達。
本気で笑える友達。


私に光が差し込んできた最初。


 
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