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『ポケスペの世界へ』

作者:零戦
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第十二話







「何で空なんだッ!! ボールはヤツの額に当たって姿が消えたぞッ!!」

「ボールに納まったようにしか見えなかったのにッ!!」

 ゴールドとクリスが驚く。

「ルギアのパワーを考えれば、当たり前かもしれない。あのキューで『空気弾封じ』が出来るのも、僅かの時間だろうと思っていた」

「追い詰めたと思っていたのは俺達だけで、ヤツはまだ力を残してたってことかッ!!」

「俺のピカチュウの”かみなり”もルギアレベルまで足りてなかったんやろな……」

「ということは……ボールが当たった時に発せられた光……あの光幕に紛れて逃げ出した?」

「………クリス。図鑑の追尾システムで調べてみるんや」

「追尾っすか?」

「そうよ。一度でも出会ったポケモンなら、例え取り逃がしてもその行方を追う事が出来る新ポケモン図鑑の機能、追尾システムよ。貴方達も知ってるでしょ?」

「「……………(知らなかった……)」」

「……お前ら知らんかったやろ?」

「「……………(冷や汗)」」

「………クリス、ゴールドに教えてやれや」

「は、はい」

 クリスがゴールドに教える。

「それにしても、さっきのボールを蹴り上げて見事命中させたコントロールといい、図鑑の機能に詳しい事といい、てめー、ただのガチガチカタブツ学級委員じゃねーな?」

「ガチガチってまた………。私はクリス。オーキド博士に全ポケモンのデータ収集を依頼された『捕獲の専門家(ゲットのスペシャリスト)』よッ!!」

「何だよ、ず?っと検索中じゃねーかッ!! 直ぐには出ねーのか?」

「……聞いてない……」

「人の話しを聞かんかいッ!!」

ドカッ!!

「あたッ!!」

 全く………。

「おい、シルバーッ!!」

 シルバーが洞穴の中に入る。

「シルバー、追尾にはもちっと時間がかかるらしいぜ。てめーも手伝いな」

 ………そういや漫画にもこんなんあったな。

「この穴は……大型ポケモンの足跡やしっぽの跡だわッ!!」

「………多分、此処はルギアの住家やろ な……」

「本当っすかッ!?」

「このうずまき列島は四つの小島から成り立っていて、それらは洞窟によって地下で繋がっている……と聞いた事があるわ。確かに此処ならあのポケモンが住家にしていてもおかしくないわ」

「それにところどころに暴れた形跡や血痕がある」

 シルバーが血痕を指差す。

「じゃあ、あのデカブツは俺らに出会う前に此処で何者かに攻撃されたってーのかッ!?」

「そう考えれば納得がいく………」

「あの我を失った暴れ方。あれは住家と自身を攻撃されたことへの怒りだ」

 ん?あれは………。

「野生のシェルダーやな………」

「怪我をしてるわッ!! 多分あのポケモンの攻撃でだわ」

 俺はシェルダーを拾い上げて、リュックからいい傷薬を出した。

「ほら、大丈夫か?」

 シェルダーの顔色が良くなり、シェルダーが笑う。

「よしよし。ほら、ピカチュウと遊んどき」

 ピカチュウを出して、シェルダーと遊んで る。

ビビーーーッ!!

 その時、図鑑が鳴った。

「エラーッ!? 追尾不能なのッ!?」

「なんだ故障か?」

「違うわッ!! ちょっと貸してッ!!」

 クリスが四つの図鑑を見せる。

「ほらッ!! 四つ同時に、しかも同じ機能が故障だなんて有り得ないわッ!!」

「故障はしとらん。なら………」

「もう誰かが捕獲したってーのか………」

 俺の言葉にゴールドがそう結論を出した。

「俺達以外にも何処からかボールを放ったト レーナーがいて、そっちの方が一瞬早くルギアの額を捕えた」

 シルバーはそう言ってヤミカラスを出した。

「ちょ、ちょっと何処へ行くのッ!!」

「俺の勘が正しければそれは恐らくこの住家を襲った攻撃者でもある。全ては仕組まれてい たッ!!」

「まさか貴方一人でその攻撃者を探すつも りッ!? まずはオーキド博士やウツギ博士に相談しましょうッ!!」

「おいおい学級委員ギャル。アイツにオーキドのじーさんやウツギ博士と連絡を取れなんてこたぁムリな話よ」

「どうしてッ!?」

「ム、ムリなもんはムリなんだよッ!! 雰囲気で察しなッ!!」

 苦しい言い訳やなゴールド。

「貴方はいいのッ!? 彼を一人で行かせ てッ!?」

「………あぁ、別にいいぜ。ちょっと前までなら俺も言ったろうさ。オイ、また一人で行くのかよッ!! ってな。だが、今はそうは思わねえ。アイツと俺は同じ敵を追ってる。だから例え別々に動いていようと、その敵に行き着く時にゃあ絶対また顔を合わせる。そう思ってっからよ」

「同じ………敵?」

 シルバーは無言のまま島から去った。






 
 

 
後書き
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