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とある英雄の学園生活

作者:にゃん丸
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第18話 ドイツ帝国第1皇子 イオリ・クサナギ 前編

 さてお腹も膨らんだことだしそろそろ店から出ようかと考えていると、入口のほうが騒がしい。
 
「なぜいつもの席が空いていないんだ」
 
「申し訳ございません、急なお客様が来店されまして」
 
「今日我々が来ることを知っているはずなのになぜその客を通した。ドイツ帝国第1皇子イオリ・クサナギ様より格上の者か!」
 
「いえ……そうゆうわけでわありませんが」
 
 ドイツ帝国の軍服を着ているイケメン軍人が先ほど案内してくれたウェイトレスさんに突っかかっている。
 俺はそのやりとりを見ていたら、イケメン軍人と目があった。
 ヤバイッス。
 俺はすぐに目をそらしたが、イケメン軍人は俺たちのテーブルに向かってきた。
 
 「おい!何を見ているんだ」 
 
 「いいえ、別に……」
 実は結構小心者の俺、ここは見ていなかったことで通そう。
 
 バン!
 
 テーブルを叩くイケメン軍人
 
 「見てただろうが!……ん貴様イングランドの者か」

 あ、軍服でわかりますよね。
 イケメン軍人は座っている俺を見下すように見ている。
 ガタガタ
 テーブルが震えている。
 横にいるアリスを見ると下を向き震えている。

 カッチン!

 アリスを怯えさせるなんてなんて野郎だ!
 やってやろうか……
 いやいや、見ていた俺が悪かったしここは俺が謝ってさっさと店を出れば解決するだろう。
 うん、俺も大人になったな。
 俺は席から立ち上がりイケメン軍人に謝ることにしたのだが
 
 「ロイ・シュナイダー准尉は相変わらず声が大きいですね」
 
 俺が謝罪する前にセシリアが立ち上がりイケメン軍人の前に歩んできた。
 
 「貴方は……セシリア・ファーム殿」
 
 セシリアを見るロイはなぜここにいるんだと言わんばかりの表情だった。
 
 「すまないな、アリス姫の食事でここを使わせていただいたんだが、イオリ王子の席だと知らなかったのでな」
 
 俺が謝る代わりにセシリアが頭を下げ謝罪した。
 
 「いえ……」
 
 セシリアの謝罪に戸惑うイケメン軍人。

 「シュナイダー何をしている、まだ席が確保できないのか!」

 店の入口から2人の軍人に囲まれた青年がドスのきいた声を張り上げる。

 「ハッ!申し訳ございません」

 入口の方に振り返り敬礼をするイケメン軍人。
 入口には3人のドイツ軍服を着た青年がいた。
 真ん中にいる青年だけ黒いマントを着用している
 彼が親玉か。
 軍人2人に囲まれた親玉の青年を見て俺は驚いた。
 俺の親友、草薙遼に似ているのだ。

 「遼……」

 俺はつぶやいていた。
 ん、と俺を見る遼(仮)

 「なんだ貴様!」

 あれ声が違う。
 遼はもっと低声なんだが。
 それによく見ると口元の右横にあるはずのホクロがない。

 「リョウは俺のオヤジの名前だ!俺はイオリ、イオリ・クサナギだ」

 親友の息子との初めての出会いだった。  
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