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ドリトル先生と日本のお料理

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第二幕 八条大学その四

 先生はその図書館の中で目を丸くさせて王子に言いました。
「こんな立派な図書館はね」
「イギリスにもないね」
「冗談抜きでね」
 こう前置きしてから言う言葉はといいますと。
「大英図書館にもね」
「負けないね」
「日本にもこんな図書館があるんだ」
「古今東西の本が集まってるよ」
「凄い場所なんだね」
「あと教授の人もそれぞれ一杯蔵書を持っててね」
 王子は先生にお話していきます。
「その中には亜隈だったかな。凄いお爺さんの博士がいるけれど」
「その人が一杯本を持ってるんだね」
「そうだよ、どれだけ持っているかわからない位にね」
 持っているというのです、本を。
「この学園は本も多いから」
「本が多い学校はいい学校だよ」
 先生は王子、執事の人と一緒に本棚が並んでいるブラウンの木の床の図書館の中を歩きつつ述べます。
「それもここまで多いとね」
「いいことだね」
「一体どれだけあるのかな」
 先生は本棚達の上の方を見上げながら満足している顔で言います。
「これだけあるよ」
「どれだけだろうね、本当に」
「司書の人も大変だろうね」
「そのせいか働いている人は多いよ」
 この図書館の中でだというのです。
「凄くね」
「そうなんだね」
「そうなんだ。あと見回ったけれどここって色々な博物館があるじゃない」
「美術館にもいいものがあったね」
「そうした場所だからね」
「働いている人が多いんだね」
「そうした学園なんだ、ここはね」
 学生さんや教師の人だけでなくその中で勤めている人もだというのです。
「そうなんだよ」
「成程ね、じゃあ図書館の次は」
「もういい時間だから」
 気付けばお昼です、三人は今学園の中を車まで使って移動して見回っています。そうしていても色々と回っているのでその中でいい時間になっていたのです。
「お昼食べよう」
「お昼は和食だね」
「うん、この近くだと」
 図書館のです。
「丁度おうどんが美味しい食堂があるから」
「おうどんだね」
「そう、それがあるから」
 だからだというのです。
「そこに行こうね」
「それじゃね」
 こうお話してでした、早速。
 王子は執事さんと一緒に先生をその食堂に案内しました、そうしてです。
 おうどんと丼、それともう一つ頼みました。先生はまず頼まれたそれを見て王子に尋ねました。
「お野菜の煮物だね」
「肉じゃがっていうんだ」
 色々なお野菜がお醤油で煮られて大きなお椀の中にあります。
「これはね」
「人参にジャガイモ、後は」
「玉葱に糸蒟蒻、牛肉だよ」
「糸蒟蒻は別として」
 先生は自分の前にあるその肉じゃがも見て言いました。
「ビーフシチューと同じ食材だね」
「あっ、これ実際にビーフシチューから出たものらしいよ」
「嘘じゃないよね」
「うん、嘘じゃなくてね」
 本当にビーフシチューから出来たものだというのです、肉じゃがは。 
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