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CーGIRL

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第一章

              CーGIRL
 この冬は寒かった、けれど。
 クラスでクラスメイトの一人がだ、僕にこんなことを言ってきた。
「よし、プールに行こうぜ」
「御前馬鹿か」
 その提案を聞いてすぐにだった、僕は彼にこう言い返した。
「何で今プールなんだよ」
「駄目か?」
「駄目も何もこんなに寒いのにかよ」
 何でプールかとだ、僕は口を尖らせてまた言った。
「寒くて仕方ないだろ」
「おいおい、俺が言ってるのは温水プールだよ」
 しかし彼も負けていない、今度はこう言ってきた。
「そこだよ」
「街のか」
「ああ、あそこな」
「そういえばあそこ冬もやってるな」
「そうだよ、外は寒くてもな」
「プールの中はか」
「あれだよ、ガラス張りでさ」
 それでだというのだ。
「温水でしかも暖房もあってな」
「ビニールハウスみたいなものか」
「苺もメロンも育つぜ」
 そこまで快適だというのだ。
「風呂だってサウナだってあるしな」
「純粋にスーパー銭湯に行かないか?」
 この街にはスーパー銭湯もある、言うまでもなく皆そこで汗を流して身体を綺麗にしてお風呂で疲れを癒す。僕もバスケの部活で結構酷使している膝や腰をそこで癒したりしている。
「サウナもって」
「おいおい、何もわかってないのかよ」
 友人は僕の言葉に呆れた調子で言い返してきた。
「プールだぜ、プール」
「それがどうしたんだよ」
「プールっていえば水着だろ」
 彼がこだわるのはこのことだった。
「やっぱりな」
「じゃああれか?女の子の水着か」
「それしかないだろ」
 まさにど真ん中ストレートの言葉だった。
「水着の女の子を見てな」
「それでだよな」
「声をかけてあわよくば」
「そのままホテルか」
「冬の寒い中女の子は厚着になる」
 それはクラスを見回してもわかる、女の子は皆かなり武装している。僕達にしても制服の下は色々着込んでいる。
「けれどプールだとな」
「絶対水着だよな」
「水着、体型がはっきり出て」
 しかもだというのだ。
「色違いなだけで下着と変わらない、一気に解放的になるからな」
「そこで声をかけてか」
「ゲットだぜ」
 何処かのアニメそのままの言葉をガッツポーズで言う彼だった。
「いいよな、それで」
「プールに行くんだな」
「喪男ばかり集めてな」
 つまり彼女がいない奴に片っ端から声をかけてプールに誘うというのだ。
「それで行くからな」
「ナンパか、要するに」
「違うな、新たな恋を見付ける冒険への出発なんだよ」
「凄く強引な解釈だな、おい」
 しかも自分達に一方的に好意的な。聞いているだけで相当だ。
「それでか」
「御前も来るよな」
 ツレは僕をびしっと指差してから僕に問うてきた。
「彼女いないしな」
「まあな、プールか」
 いきなり言われて馬鹿かと思ったが少し思いなおしてだった、僕は考える顔になってそれでこう彼に答えた。 
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