FAIRY TAIL 真魂の鼠
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第十一話 『白と黒の象徴』 前編
前書き
こんにちは~♪07でぇ~す♪
今回はルーシィ&シンがRFGの世界でロマンチック~♪
途中から目線が変わります。最初はルーシィ目線です。
それでは、第十一話・・・どうぞ~♪
私とシンは空想の世界への入り口、『始まりの門』を潜った。すると・・・
シ「す、すげぇ~・・・」
ル「うわぁ~♪」
空が『始まりの門』みたいに虹色に光り輝いていたの。私とシンが立っている場所は白いペンキで塗られたバルコニー。下を見ると、かなり高い。ずぅーーーっと向こうまで草原が広がっていた。風が吹いて、私の髪の毛を揺らす。すると、
?「ようこそ!RFG『白と黒の象徴』へっ!!」
ル&シ「!?」
驚いて振り向くと、黒髪に青い瞳、民族風の深緑色の服を着た顔がそっくりの男の子と女の子がいた。双子かしら?男の子と女の子が私たちの方に歩み寄る。
ソ「RFG『白と黒の象徴』の挑戦者の方ですね?お持ちしてました。僕は案内役のソーヤと言います。」
ソフィ「同じく、案内役のソフィアです。」
丁寧に頭を下げる。
シ「『白と黒の象徴』?」
ソ「シン様とルーシィ様が挑戦するRFGのステージ名です。」
ソフィ「今から手短にこのステージ上でのルールと『象徴』について説明しますので、よく聞いてて下さいね。」
ソーヤとソフィアは一度目を閉じると、ゆっくり話し始めた。
ソ「ここはホワイトクラウンという街に建っている『アディール城』とゆうお城です。」
ソフィ「ルーシィ様は『アディール城』の王女、ルイカ王女、シン様は『アディール城』の騎士、シトロン騎士の設定です。」
私は『アディール城』の王女で、シンが騎士ィッ!?よく見ると、私とシンの服装は『始まりの門』を潜る前と違っていた。私はふんわりとしたピンクと白のドレスに、踵の高いピンク色のハイヒール、頭には銀色のティアラに、首には銀色のネックレスを付けていた。髪の毛は少しウェーブがかかっていて、ピンク色のレースのリボンで束ねられている。まさに王女様の格好だった。シンは黒い服の上から鎧と青いマント、灰色のズボンに丈夫そうな茶色い革靴、腰には柄が緑色の剣が差してあった。まさに騎士の格好だった。
シ「な、なんか、動き難いな・・・」
シンが腕を動かす度に、鎧がガシャと音がする。いつも鎧を身に付けているエルザはこんなの気にならないんだろうな・・・
ソ「話を元に戻して、この『アディール城』の地下には『白い象徴』という『秘宝』が隠されているんです。」
ル「『白い象徴』?」
ソフィ「簡単に言うと、ホワイトクラウンの象徴です。その『白い象徴』が隣街のブラッククラウンの王、オルフェスに狙われているんです。」
ホワイトクラウンが『白い象徴』という事は・・・ブラッククラウンは『黒い象徴』だったりして。ほんの冗談で言ったつもりなのに、ソーヤとソフィアが私にビシッ!と効果音が聞こえるくらい私の事を指差すと、
ソ&ソフィ「ルーシィ様、大正解ですっ!!」
ル「嘘ォォォォォッ!?」
シ「すげーなルーシィ。」
冗談で言っただけなのに、当たっちゃうなんて・・・今日の私ついてるかもっ!!
ソ「ルーシィ様が言ったとおり、ブラッククラウンに建っている『イドゥーレ城』の地下には『黒い象徴』とゆう『秘宝』が隠されているんです。」
シ「何でブラッククラウンの王のオルフェスは『白い象徴』を狙ってるんだ?『黒い象徴』があるんだろ?」
ソフィ「約百年前に、『白い象徴』と『黒い象徴』が揃うと、願い事が一つ叶うとゆう伝説が残されているんです。」
ル「伝説でしょ?」
ソ「それが本当らしいんです。僕達もあまり詳しくありませんが・・・」
う~ん・・・よく分かんないけど、今までの説明を簡単にまとめて言うと、
ル「ブラッククラウンの王、オルフェスから『白い象徴』を守ればいいって事よね☆」
今度はほんの冗談じゃないわよ。自信満々にそう言うと、
ソ&ソフィ「それは違います。」
断言されたーーーっ!!
シ「そう落ち込むなって。」
ル「うぅ・・・」
私の運は、もう尽きちゃった・・・
ソフィ「シン様が『白い象徴』を守るなら分かりますが、なぜ王女の設定であるルーシィ様が『白い象徴』を守らなければならないんですか?」
・・・言われてみれば確かに。
シ「じゃあ、俺達は何をすればいいんだ?試練はどうなるんだ?」
ソ&ソフィ「そのうち分かりますっ!!」
「そのうち」って、いつなのよ・・・
ソ&ソフィ「今でしょっ!!」
ル「違うでしょっ!!」
全く。コントやってるんじゃないんだから・・・
ソ「話を元に戻して、先程も言いましたがRFG内では、ルーシィ様は『アディール城』の王女、ルイカ王女、シン様は『アディール城』の騎士、シトロン騎士の設定です。」
ソフィ「RFG内では、王女と騎士になりきって下さいね☆」
まるで役者になった気分だわ。発声練習でもしておこうかしら?(←エルザじゃないんだから。 by07)
ソ「後、このRFGはいつ試練が起きるか僕達にも分かりません。」
ル&シ「えっ?」
ソフィ「急に試練が起きても、慌てず落ち着いて行動して下さい。これが、私とソーヤからのアドバイスですっ!」
ソフィアがウィンクする。案内役の二人にもいつ試練が起きるか分からないなんて・・・すると、ソーヤが何かを思い出したのか、「あ。」と声を上げた。
ソ「もう一つ、僕とソフィアは常に案内役としてルーシィ様とシン様の傍にいます。ですが、僕達の姿はお二人にしか見えません。」
ソフィ「それと、私とソーヤは途中でバラバラになりますので。」
ル&シ「えっ?」
「バラバラになる」?どうゆう事?
ソ「これでRFG『白と黒の象徴』の説明を終わりますがよろしいでしょうか?」
私とシンは顔を見合わせると笑った。
シ「まぁ、分からない事はたくさんあるけど、何とかなるだろ。」
ル「そうね。早くRFGをやりたいし。」
私とシンの言葉に今度はソーヤとソフィアが顔を見合わせて笑うと、
ソ&ソフィ「それでは、RFG『白と黒の象徴』・・・スタートですっ!!」
ソーヤとソフィアが空に向かって同時に指をパチンッ!!と鳴らした。それとほぼ同時に、バルコニーに続く窓が開いて、シンと同じ格好をした人がやって来た。
?「やっぱりここにいたか。」
ソ「シン様と同じ、『アディール城』の騎士、ドニファン・クロッスさんです。」
ソーヤが教えてくれた。そっか、私とシンにしか姿が見えないんだっけ。だから声も聞こえないのね。ドニファンは私に一礼をすると、意地悪そうな笑みを浮かべて、シンの肩を肘で突付く。
ド「まぁ~たルイカ様と二人きりで話してたのか。ルイカ様に惚れてるのは分かるけどよ、あまり抜け出してるとウェッブリーダーの雷が落ちるぜ。」
シ「えっ?」
ル「はっ?」
ドニファンの言ってる意味が私とシンには分からなかった。すると、ソフィアが何かを思い出したのか、「あ。」と声を上げた。
ソフィ「言い忘れてましたが、シトロン騎士はルイカ王女に惚れてるとゆう設定ですので。」
シ「え・・・」
ル「!!?」
私の思考が止まった。そ、そんな設定ありなのっ!?いくらゲーム内でも、私に惚れてる設定なんて///////////////シンも恥ずかしそうに右手で口元を隠している。が、「はぁ。」小さくため息をつくと、
シ「ったく、ルイカ様の前でそんな事言うなよ。恥ずかしいだろ///////////////」
ル「えっ?」
ド「おっと、悪い悪い。」
シンの顔が少し赤みを帯びているのは気のせい・・・よね。
シ「それじゃあルイカ様、俺はこれで失礼します。」
シンとドニファンが私に一礼をしてバルコニーから去って行った。シンの後をちょこちょことソーヤが追いかけて行く。バルコニーには私とソフィアだけが残された。
ル「///////////////」
右手で右頬をそっと触ってみる。熱い///////////////
ソフィ「シン様演技が上手いんですね。」
ル「えっ?」
ソ「ルーシィ様の事をルイカ様と呼んで、惚れている演技まで簡単にやるとは、お見事です。」
・・そうだ。これはあくまでもRFG内。私達はRFG内の王女と騎士になりきってるのよ。私ったら、何演技に浮かれちゃってるのよぉ~!・・・でも、さっきのシンの演技には、正直ドキドキしちゃった///////////////
ル「あ、そういえばソーヤはどうしたの?」
ソフィ「先程説明したとおり、私とソーヤはバラバラになりました。私はルーシィ様の傍で、ソーヤはシン様の傍で案内役を務めさせていただきます。」
「バラバラ」って、こうゆう事だったのね。私はてっきり二人の体がバラバラになるのかと思ったわ。
ソフィ「そんな訳無いですよ。」
ル「そうよね。」
風が吹いて、私の髪の毛を揺らした。
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『ここからシン目線でいきます。』
・・・・はぁ、いくら演技とはいえ、かなりドキドキしている////////////////
ソ「シン様の演技、すごかったです。」
俺の横でソーヤが感心している。ていうか、
シ「ソフィアはどうしたんだ?」
ソ「先程説明したとおり、僕とソフィアはバラバラになりました。僕はシン様の傍で、ソフィアはルーシィ様の傍で案内役を務めさせていただきます。」
「バラバラ」って、そうゆう事だったのか。俺はてっきり二人の体がバラバラになるのかと思ったぜ。
ソ「そんな訳無いですよ。」
シ「だよな。」
ド「おいシトロン、さっきから何独り言言ってんだ?」
前を歩いていたドニファンが不思議そうな顔で首を傾げる。そうだ。ソーヤは俺にしか姿が見えないんだったな。
シ「何でもねぇよ。」
ド「そうか?よし、今度は抜け出すんじゃねぇぞ。」
ドニファンはそう言うと、前方にある鉄の扉を押した。中に入ると、俺とドニファンと同じ格好をした二十人くらいの騎士が剣や盾を磨いていたり、馬に餌をやったりしていた。その中央に、やけに目立つ男がいた。たぶんこいつが、さっきドニファンが言っていたウェッブリーダーだな。俺とドニファンはウェッブリーダーに歩み寄ると、
ド「ウェッブリーダー、シトロンを連れ戻して来ました。」
ウェ「ご苦労。」
ウェッブリーダーはでかい体を動かして俺を見下ろす。スキンヘッドに茶色いもじゃもじゃの髭が特徴的だった。
ウェ「シトロン。何度言えば分かるんだ。仕事中に抜け出すなと何度も言っただろ。」
ウェブリーダーはあまり怒ってるように見えなかった。逆に優しく感じる。
シ「すみません。」
ウェ「今度からは気をつけるんだぞ。しかし、お前を注意するたびに不思議に思う。」
シ「何がですか?」
ウェ「お前が『白騎士』とゆう異名を持つ有能な騎士である事だ。」
『白騎士』?何だそれ?
ソ「シン様は、『アディール城』の有能な騎士で、ホワイトクラウンでは『白騎士』という異名で有名という設定です。」
ソーヤが教えてくれた。その時、
?「リーダー!ウェッブリーダー!!」
天井から慌てた声が聞こえた。上を見上げると、天井に人が一人通れるくらいの穴が開いていて、鉄の梯子が掛けてあった。穴からは青空が見えた。どうやら外に繋がってるみたいだ。すると、もすごい速さでボサボサ頭の俺と同じ格好をした一人の男が梯子から下りて来た。
ソ「シン様と同じ、『アディール城』の騎士であり、見張り役のバクスター・マーリスさんです。」
ソーヤが教えてくれた。梯子から下りた後も、バクスターは足踏みをしてすごく慌てていた。
ウェ「バクスター、そんなに慌ててどうしたんだ?」
ウェッブリーダーがバクスターに聞くと、バクスターは足踏みを止めて、
バ「イ、『イドゥーレ城』の・・き、騎士が数名・・・馬に乗って来たんすよぉっ!!」
ウェ「何だとっ!?」
シ&ソ以外「!!!???」
俺とソーヤ以外のその場にいた全員がバクスターの声に目を見開く。俺は小声でソーヤに聞く。
シ「『イドゥーレ城』って、『白の象徴』を狙っているオルフェスがいる城だよな?」
ソ「そうです。どうやら『イドゥーレ城』の騎士が数名『アディール城』にやって来たみたいですね。」
何だ?もう『白の象徴』を奪いに来たのか?でも、それなら騎士大勢で『アディール城』を攻めて来るはずだ。それに、試練がまだ出ていない。その時、ウゥゥゥゥゥ、ウゥゥゥゥゥ、ウゥゥゥゥゥという喧しいサイレン音が響き渡った。あまりの音量に俺とソーヤは耳を塞ぐ。いきなり何だぁっ!?
ド「この鳴らし方は・・・火事だっ!!」
ドニファンの声にその場にいた全員が目を見開いた。
ウェ「全員出動だーーーっ!!一刻も早く、火を消すんだーーーーーっ!!!」
ウェッブリーダーの凄まじい声が響き渡る。全員仕事を中断し、足早に部屋を出て行く。
ド「シトロン!俺たちも行くぞっ!!」
シ「おうっ!」
俺もドニファンに続いて部屋を飛び出した。その後ろからソーヤがちょこちょこついて来る。すると走りながら俺に白い紙を渡した。俺は紙を受け取り開くと、細い文字で、
「RFG『白と黒の象徴』、一つ目の試練 火を消せ。」
と書かれていた。つまり、もう試練は始まっているとゆう事か。
ド「こりゃひでぇ~な・・・」
いつの間にか、俺とドニファンは城の外にいた。目の前には赤々と燃える炎に包まれた『アディール城』。
ウェ「『イドゥーレ城』の騎士が『アディール城』に火を点けに来たみたいだ。一気に『アディール城』の人間を殺すつもりか。」
シ「人を殺してまで、『白の象徴』を手に入れたいのか。」
俺は拳を握り締める。俺はオルフェスを怒りの拳で殴り飛ばしたい気持ちになった。
ウェ「ジュール!水大砲の準備だっ!!」
ジュ「あいあいさーっ!!」
俺の頭三つ分背が高く、頭に黒いバンダナを巻いた俺と同じ格好をした男が『アディール城』の敷地の端に走って行く。・・・あいつ、海賊か?
ソ「シン様と同じ、『アディール城』の騎士であり、用具担当のジュール・アードリックさんです。」
ソーヤが教えてくれた。ジュールは『アディール城』の敷地の端にしゃがみ込むと、ものすごい速さで両手で地面を掘る。すると、ハンドルのような形をしたものが出てきた。ジュールは謎のハンドルを右に回す。すると、『アディール城』の周りから四つの大砲が出てきたぁっ!?すると、四つの大砲からなんと水が勢いよく噴出したぁっ!?まるででかいスプリンクラーだ・・・俺とソーヤは開いた口が塞がらない。
ド「すっげぇ~よなぁ~、『アディール城』の消化対策。」
ドニファンは感心している。火はだんだん弱まっていく。すると、隣にいたソーヤが、
ソ「一つ目の試練、達成ですっ!」
俺は何にもしてねぇけどな。その時、俺の視界にバルコニーが飛び込んできた。あそこの部屋まで水大砲の水は行き渡らないからまだ炎はかなり燃え続けている。しかも、炎がどんどんその部屋まで迫ってきている。まずいっ!あそこにはルーシィが・・・!!さっきまで一緒にいたルーシィの笑顔が脳裏に浮かび上がった。気づいた時には、俺の足は炎に包まれた『アディール城』に向かって走り出していた。その後を、ソーヤがちょこちょことついて来る。
ド「シトロン!?」
バ「どうしたんすかぁっ!?」
ジュ「シトロン!死ぬ気かっ!?」
ウェ「戻って来いっ!シトロン!!」
ドニファンとバクスターとジュールとウェッブリーダーの静止の声は俺の耳には入ってこなかった。俺は炎の中の『アディール城』に飛び込むと、ズボンのポケットから五色腕輪を取り出すと、紐から青い腕輪を外し腕に付ける。
シ「だらぁっ!!」
水を纏った拳で襲い掛かってくる炎を消す。
ソ「すごい魔法ですね。」
ソーヤの言葉に返す余裕がねぇっ!ルーシィ、俺が行くまで、無事でいてくれっ!!
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『ここからまたルーシィ目線でいきます。』
サイレンが鳴ってからもうだいぶ時間が経つ。私は逃げようとしたんだけど、下の階はすでに炎の海だったの。だから、ソフィアと一緒にバルコニーの部屋にいるわけ。ていうか、
ル「RFGって・・・ちゃ、ちゃんと、命の保障はあるのよ・・ね?」
不安になってソフィアに聞いてみた。ソフィアは微笑むと、
ソフィ「はい。保障してますよ。」
ソフィアの笑顔を見ると嘘をついているとは思えなかった。すると、何かを思い出したのか、「あ。」と声を上げた。こ、今度は・・何・・・?
ソフィ「言い忘れてましたが、このRFGの三つの試練は、全てシン様の為の試練です。」
ル「えっ?」
ソフィアに聞き返そうとしたその時、バァンッ!と勢いよくバルコニーの部屋の扉が開いた。驚いて顔を上げると、
?「ルイカ様!?」
?2「お怪我はございませんかっ!?」
黒い服と長いスカートに、白いフリルのヘッドドレスとエプロンを付けた二人のメイドさんがすごく焦った表情をして扉の前に立っていた。
ソフィ「『アディール城』に仕える、メイドのマリア・フローレンスさんと、プリシア・マーチスさんです。」
ソフィアが教えてくれた。
ル「私は大丈夫よ。」
マ「よかったです。」
プ「ここは危険です。早く屋外に避難致しましょう。」
ル「そうね。」
私は椅子から立ち上がって扉の方に歩き出した。その時、ボンッ!と何かが爆発音が聞こえた。部屋中灰色の煙で包まれる。その後に、ドタッ!バタンッ!と何かが倒れる音がした。
ル「ゴホッ!ゴホッ!ちょ、ちょっとぉ~、何なのよぉ~。」
ソフィ「ゲホッ!ゲホッ!」
煙が晴れると、扉の前にマリアさんとプリシアさんが倒れていた。
ル「マ、マリアさんっ!?プリシアさんっ!?ど、どうしたんですかぁっ!?」
揺さぶっても目を覚まさない。な、何で・・いきなり・・・その時、
?3「心配無用。ただ寝ているだけですよ。」
ル「だ、誰ッ!?」
驚いて振り返ると、二人の男女が部屋の中にいた。い、いつの間に・・・
リ「驚かして申し訳ございません。ルイカ王女。僕はリドリー・ピアスンと申します。」
群青色の髪の毛に黒い瞳、体がすっぽり隠れる黒いマントを羽織った男が私に一礼する。
レ「私はレイチェル・マルティーと申します。偉大なる『イドゥーレ城』より、お迎えにあがりました。」
栗色のウェーブのかかったロングヘアーに茶色い瞳、紫色のワンピースを着た女も私に一礼する。って、
ル「『イドゥーレ城』の人間が、何でここに・・・!?」
しかも、「お迎えにあがりました」って、どうゆう事ォ!?頭の中がジグソーパズル状態の私を無視して、リドリーとレイチェルは、
リ「詳しい事は、『イドゥーレ城』にて説明致します。」
レ「まずはゆっくりお休み下さい。」
すると、レイチェルの手の中にピンク色の薔薇の花が握られていた。すると、
ル「あ、あれ・・・?」
突然、強力な睡魔に襲われた。視界がぼやける。
レ「これは睡眠薔薇。この薔薇の花粉を吸うと強力な睡魔に襲われるのよ。ちなみに、メイドたちを眠らせたのは睡眠爆弾よ。」
頭の中にレイチェルの声が響く。床に倒れそうになる私の体をリドリーが支える。
リ「目標、全て確保。」
レ「『ルイカ王女も白い象徴』も手に入れたし、帰還しましょ♪」
薄れる意識の中、私はレイチェルの手の中にある白く光り輝くものをはっきり見た。が、そこで私の意識は途絶えた。
****************************************************************************************
『ここからまたシン目線でいきます。』
俺はバルコニーの部屋に続く廊下を全速力で走っていた。バルコニーの部屋が見えた時、扉の前でメイドの服を着た二人の女が倒れていた。
ソ「『アディーレ城』に仕える、メイドのマリア・フローレンスさんと、プリシア・マーチスさんです。」
ソーヤが教えてくれた。俺は二人に駆け寄ると、
シ「マリアさん!プリシアさん!しっかりして下さいっ!!」
揺さぶっても、目を覚まさない。その時、
リ「心配無用。ただ寝ているだけですよ。」
シ「誰だっ!?」
声のした方に振り向くと、群青色の髪の毛に黒い瞳、体がすっぽり隠れる黒いマントを羽織った男と、栗色のウェーブのかかったロングヘアーに茶色い瞳、紫色のワンピースを着た女がバルコニーの部屋の中にいた。男の腕の中に、ルーシィが姫抱っこ状態になっていた。隣にはソフィアが立っていたが、俺の眼中には入っていなかった。
シ「ルイカ王女!!」
レ「あなたは『アディール城』の騎士ね。あら、結構かっこいいじゃない♪」
俺は腰に差してある剣を抜くと、刃先を男と女に向けた。
シ「お前等は誰だ。ルイカ王女に何をしたっ!!」
リ「落ち着きたまえ。ルイカ王女はただ寝ているだけだ。そして、僕はリドリー・ピアスンと申します。」
レ「私はレイチェル・マルティー・『イドゥーレ城』の王、オルフェス様に仕える者です。」
オルフェス・・・その名を聞いたとたん、更に怒りが込み上げてきた。
リ「もう少し君と話をしたいが、生憎用は全て済んだのでね。僕たちはこれで失礼するよ。」
レ「後、ルイカ王女と『白の象徴』は頂いていくわね♪」
ウィンクするレイチェルの手の中には、白く光り輝く『白の象徴』が握られていた。俺はそれを見て確信した。
シ「・・お前等・・・ただのオルフェスに仕えてる者じゃねぇな。」
睨みつけながら言うと、リドリーの右眉毛がピクッと上に上がり、レイチェルが一瞬だけ目を少し見開いた。が、すぐに顔が元通りになると、
リ「おや、なかなか勘の鋭い少年だね。」
レ「あなた、名前は?」
リドリーは感心し、レイチェルは名前を聞いてきた。ていうか、名前?俺はシトロンしか分からなかった。隣にいるソーヤに目で訴えると、ソーヤが口パクで名前を教えてくれた。俺は視線をリドリーとレイチェルに戻すと、
シ「俺はシトロン・ファメイル!偉大なる『アディール城』の『白騎士』だっ!!」
俺が名乗ると、リドリーとレイチェルは目を見開いた。が、またすぐに顔が元通りになると、
リ「ほぉ。君が『白騎士』か。」
レ「こんなどこにでもいるような少年だったとは、思ってもみなかったわ。」
・・それは褒めてるのか?すると、リドリーとレイチェルはルーシィと『白の象徴』を手にしたまま、バルコニーの手すりの上に立ち上がった。
シ「お、おい、何するつもりだ・・・」
俺が動揺しているのが分かったのか、リドリーとレイチェルは「ふっ。」と鼻で笑うと・・・手すりから飛び下りた。ルーシィと『白の象徴』を手にしたまま・・・
シ「!!?」
俺はすぐさまバルコニーに出て、下を見る。が、下にはリドリーたちの姿はなかった。
リ『『イドゥーレ城』でお会いしよう。『白騎士』よ。』
レ『私達に勝つまで、ルイカ王女と『白の象徴』はお預けよ♪』
リドリーとレイチェルの声が風に乗って聞こえた。
シ「くっそぉっ!!」
俺は両手の拳でバルコニーの手すりをダンッ!と殴る。すると、目の前に白い紙が差し出された。顔を上げると、ソーヤが、
ソ「二つ目の試練です。」
俺はソーヤから紙を受け取り開くと、細い文字で、
「RFG『白と黒の象徴』、二つ目の試練 リドリー・ピアソン、レイチェル・マルティー、『イドゥーレ城』の王子、オリファスを倒し、ルイカ王女を救え。」
と書かれていた。
『後編へ続く・・・』
後書き
第十一話終了~♪
なんと初の前編・後編!!5000文字くらいで、「あ、これはヤバイぞ・・・」と思っていたら、本当にヤバくなったので、続きは次回にしました。続き無しで書いていたら、15000文字超えちゃうと思うので・・・はい。
次回は『白と黒の象徴』の後編!!シンは攫われたルーシィを助ける事が出来るのか!?そして、三つの試練を全て達成する事が出来るのか!?
波乱満載の後編をお楽しみに~♪
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