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中二病が主人公になったら?

作者:アガセ
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第13話

 
前書き
いや~、2週間振りの投稿です。
真剣に考えて作るとどうしてもグダっちゃうんですよねwww
とりあえず、気長に見ていただけると嬉しいです。

ちなみに、後半はちょっとイケナイ方向に行っちゃったので、それがイヤな方はブラウザバックを推奨します。

それでも良いという方は、そのままグダグダな感じをお楽しみ下さいm(_ _)m 

 
時は流れ、今やナルトはアカデミー2年生。
上期を終え夏休みに入った今日この頃であるが、プールや海なんかに行っている暇なんざ全く無かった。
ナルトにとってこの夏は、『勝負の夏』である。
というのも、この時期には重要なイベントが発生するからだ。

だから、アカデミーに入学してから1年と半年、そのイベントに欠かせない人物に何とかして接触しようと奔走し、そして見事成功を掴み取った。
その人物の名は、『うちはイタチ』・・・。

『うちはイタチ』とは、うちは一族の長『うちはフガク』とその妻『うちはミコト』の長男であり、『うちはサスケ』の兄に当たる。
イタチは7歳でアカデミーを首席で卒業し、8歳で写輪眼を開眼、10歳で暗殺戦術特殊部隊(通称『暗部』)に入隊し、13歳の時には暗部の部隊長を務めていたという、怪物じみた才能を顕著に表すような経歴の持ち主なのである。

この異様な程ませているイタチは、非常に弟思いで優しい性格をしており、仲間の為なら自己犠牲を厭わず買って出る人物であるが、それは、『自己犠牲、陰から平和を支える名もなき姿が本当の忍』というイタチのアニキ的な存在『うちはシスイ』の教えが元になっていると思われる。

しかし、そんな優しくて正義感の強い彼がある時を境に『犯罪者』の汚名を着ることとなる。
彼が犯した罪、それは『うちは一族の虐殺』である。
だが、彼は決して望んでこんなことをしたわけではない。

うちは一族は、『九尾事件はうちはの人災である』という疑いを掛けられ木の葉での主権を実質剥奪されたことが切っ掛けで、木の葉から主権簒奪、クーデターを企む。
しかし、うちはがクーデターを起こせば確実に里内で死傷者を出すだけでなく、写輪眼の瞳力が世に波乱をもたらしてしまう。
そこでイタチは、後の平和を考えた末に上層部の命令に従い、『弟のサスケを対象から除く』という条件を里側に飲ませた上で、一族の抹殺を執行するのである。
サスケを生かした意図は、犯罪者である自分がうちは一族の仇討ちとしてサスケに倒されることで、サスケを里の英雄に仕立てることであった。
名誉の代償に汚名を、愛の代償に憎しみを受け取る覚悟でこれを具現化させようと懸命になるイタチの生き様は、個人的に素晴らしかったと思う。

・・・イタチの解説ばかりで、かなり話が脱線してしまった。
という訳で、本題に移るとしよう。

今回、ナルトがイタチに接触したのは単に仲良く成りたかったからではない。
その目的とは、『自分が"天照"を使えるようにすること』である。

ナルトの持つ万華鏡写輪眼は"月詠"と"阿修羅閃空"という特殊能力が使える。
しかし、自分の視点を発火点として全てを黒炎で燃やし尽くす能力"天照"は使えない。
しかも、自分のことを『ダークフレイムマスター』と自称しているにも拘らずである。
『もっと便利な能力が使えるんだから別にいいじゃないか』とか思うかも知れないが、そういう問題ではない。
要は、自分のプライドが許さないのである。

『という訳でぇ・・・イタチの眼をくり抜いちゃおー♪』という訳にはいかない。
サスケの精神的成長のためには、イタチの眼がサスケに移植される必要があるからである。

じゃあ、どうするのか。
その答えは、今はあえて伏せておくとしよう。
とりあえず、目的を達成するためにイタチと仲良くなったのである。

最初の出会いは甘味処であった。
丁度、イタチはぜんざいを食べているところだった。
ナルトは「いま食べているものは美味しいか?」とイタチに問い掛け、それに対して『答え+α』が返ってきた。
その回答を起点として、それに枝葉を付けていく感じで会話を発展させて気を引けたおかげで、一気に『赤の他人』から『気の合う知り合い』にまで関係を前進させることに成功したのである。

そこからはもう、『友達』になるまでは早かった。
度々甘味処で会うようになってから、何時の間にかイタチからの誘いで度々甘味処めぐりをするようになっていたものだから、最初の出会いからここまでの過程を考察するに、イタチには社交的且つ人懐こい面もあることが判明した。

数日後、ナルトはイタチの住む家に招待された。
どうやら、イタチはナルトにお茶を立ててくれるらしい。
偶々その時、当主のフガクが家にいたのでナルトは一応挨拶したのだが、それがいけなかった。
何故か知らんが、親馬鹿な話に長々と付き合わされるハメになってしまったのである。
話の内容はサスケやイタチの自慢話ばっかりなもんだから、ウザったくてしょうがない。
とりあえず適当に相槌を打って話を聞いてやっていたら、何時の間にか外はすっかり橙色に染まっている時間になっていた。

日が山に半分程沈んだ時にやっと、長い自慢話が終わった。
それと同時に、部屋を仕切る1枚の障子が乱雑に開かれた。
パッと視線を向けると、そこには、眼に3つの勾玉の模様を浮かべた鬼人が片手に柄杓を持って立っていた。
それを見てフガクは初めて悟った。
何のためにナルトが家に来ていたのかを・・・。

鬼人はキレた。
2人でお茶を飲んで有意義に過ごすはずだった時間をものの見事に潰されたからである。
鬼人が来てから数十秒後・・・フガクは木魚と化したのであった・・・。

収拾がつかなさそうだったので、ナルトは今回食べるはずだった手作り羊羹を仕方なしに手渡して帰った。
帰り際に、「ウチの父が迷惑を掛けた。本当にすまない。気が向いたらいつでも遊びに来てくれ。」
とイタチに深々とお辞儀をされて言われたのであった。

この口実により、うちは一族の居住区に自由に出入りが出来るようになった。
よって、この口実を利用してクーデターの予定時期の特定を始める。
これを特定することでイタチの任務がいつ行われるかを推測出来るはずである。

ちなみに言うと、ナルトはうちは一族の抹殺を止めるつもりは毛頭ない。
それは単純に、ナルトが止める手段が思い付かなかったから諦めただけである。
仮にイタチを止めたとしても、クーデターでうちは一族は自爆・自壊することは間違いないので、正直無理ゲーである。

では、調査の始めに聞き込みを・・・と思っていたのだが、そんなことをすれば怪しまれて出禁になる可能性が大なので、このやり方は諦める。

次に思い付いたのは、『変化の術』を使用した影分身を数体設置すること。
メリットは、変化の術で至る所に潜むことが出来ること、そして掴んだ情報は分身を解除させることで本体に情報が素早く伝達されることである。

しかし、デメリットとして挙げられることは、変化中は常にチャクラを消費し続けるため影分身のチャクラが途中で枯渇しないように多めにチャクラを渡す必要があること。
つまり、本体はギリギリまでチャクラを削って分身を生み出さなければならないので、一日で生み出せる量は1~2体が限界になってしまうため、何日もかけて仕込む必要がある。
しかし、この点に関しては根気さえあれば解決出来るので障壁とはならないであろう。
問題は、もう一つのデメリット・・・写輪眼は影分身と本体を識別出来ることである。
普段の生活で写輪眼を発動することはないだろうが、『何らかの拍子に発動しちゃった~テヘペロ♪』の可能性も捨て切れないし、そうなった場合は堪ったもんじゃない。
せっかく手に入った権限をドブに捨てるハメになり、今までの苦労が水の泡、なんてことに成り兼ねない。

しかし、前者より後者の方がローリスクハイリターンなので、ここは賭けに出ざるを得ない。
という訳で・・・ナルトの長きに渡る挑戦が始まった。

1~7日目まではうちは家のトイレにて難なく潜り込ませることに成功した。
しかし8日目・・・うちは一族総出での会合を監視していたとき、近々行うクーデターのことで気が高ぶったのか、その拍子にフガクが写輪眼を発動した際に、誰かが監視していることに気付いてしまったのである。
バレて少しナルトは冷や汗を掻いたが、一族の人達はそれがナルトではなく暗部の者だと勘違いしてくれた。
これは予想外の救いだった。
しかしそれも束の間、里側にバレたとなってはマズいということでクーデターの予定を急遽変更し、今から3時間程で急ピッチで準備を整えて今日中に攻め込むという決定を一族が下したのである。

この非常事態を知ったナルトの影分身は本体にいち早く伝えるために術を急いで解こうとしたのだが、テンパって解けずにモタモタしており、挙句の果てに屋根から飛び降り自殺して解除した。

同時刻、本体はラーメン一楽で味噌チャーシューラーメンを満足気に頬張っていたのだが、突然頭に、失敗して飛んで来た剣玉が当たったような衝撃が走り、思わず麺を口と鼻から噴き出してしまった。

「お、おい!?大丈夫か、ボウズ?」
「あ、ああ~・・・だ、だだ、大ジョー夫でしゅよ?」

ナルトは突然のことで頭が混乱したせいか、声は裏返り、変な受け答えをしてしまった。
その返答に店主のテウチは余計に心配そうな顔をしてナルトを見ている。
店の看板娘であるアヤメもテウチとほぼ同様な顔をしながら御絞りでナルトの顔をヌギヌギと拭いている。

ナルトはヌギヌギされながら頭の中に入ってきた8日分の情報を必死に整理しながら今後のことを考えていた。

"恐らく、少なくとも3時間以内にイタチは一族をスパスパ斬ってから里を抜けるはずなので、それまでにイタチの家に到着しなければならない。
したがって、行動を迅速にしなければ・・・!"

ナルトは急いでラーメンを食べ切って勘定を済ませ、一旦自宅に向かう。
屋根伝いに飛んでいったおかげで1分もかからずに家に到着したナルトは必要な物を急いで準備する。
試験管、注射器、メス、培養液の入った大きめの容器を数個、クナイ・・・そして何故か金棒。
一通り荷物をまとめ終えたところで一旦水を飲んで一息吐いてから、今度は颯爽と部屋を飛び出し、イタチの家に急いで向かう。

屋根伝いに駆けている途中、一瞬ではあるが、一本の電信柱の天辺にイタチが満月を背に立っている姿を見かける。

「もうそんな時間か・・・急がねば・・・・!」

ナルトはイタチを見かけてからギアを一段階上げ、20秒も経たぬうちにうちは一族の居住区に到着した。

「こいつはくせぇーっ!ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッーーー!!」

居住区に入った瞬間、ナルトは少し吐き気に襲われた。
それもそのはず、イタチがバッサバッサ斬っちゃっているもんだから血生臭いにおいが居住区一帯に充満しているからである。
周りを見渡せば、死んで間もない人々の山々が広がっている。
ナルトは近くで倒れていた女性に近付き、メスで腹を切り開いて卵巣を取り出し、それを持参した培養液入りの容器に入れる。
今度は別の倒れている女性に近付き、同様のことをする。

ナルトがしばらく、この作業を何度も繰り返している頃、イタチの家では、自分の両親を殺めた人物・・・『うちはイタチ』が両親だったものを前にして茫然と立ち尽くしていた。

「これで、良かったんだ・・・これで・・・。」

右手で握りしめているクナイからは、ポタッ・・・ポタッ・・・、と血が滴り落ちて、床に赤い水溜りを作っていた。
しかし、その水溜りは、どこか少し色が薄くなっていた。

イタチがしばらく佇んでいると、トタトタと慌ただしい音が廊下から聞こえ始めた。
イタチはその音に全く動じずに待っていると、その音が部屋の前で途切れ、部屋のドアが勢いよく開かれた。

「父さん!母さん!一体何・・・が・・・?」

鬼気迫る勢いで入って来たのも束の間、眼前の光景が入って来た人物の勢いを削ぎ取り、ハッと息を飲ませる。

「父さん!!母さん!!」

血塗れになり、ピクリとも動かなくなっている両親に呼びかける。
そして、その場にもう1人いる人物の方に目を向ける。

「・・・!!兄さん!」

暗闇で見えなかったイタチの顔が月の光で淡く不気味に照らし出される。

「・・・兄さん!!父さんと母さんが!!
何で!どうして!!一体、誰がこんなこ・・・!?」

突如、イタチから手裏剣が放たれ、サスケの肩を鋭く切ってドアに突き刺さった。

「くっ・・・・・・」

サスケは斬られた痛みで思わず顔を歪める。

「愚かなる弟よ・・・・・・」

目を瞑りながらサスケに語りかけるイタチ。
サスケは何やら良からぬ気配をイタチから感じとり、たじろく。

イタチが静かに目を少し開け、そして一気に目を見開きサスケの目を睨みつけた。

「万華鏡写輪眼!!」

手裏剣模様を浮かべ、酷く充血した眼をサスケが視認した瞬間、現実は白黒の世界へ反転した。

「ぎゃあぁあああッ!!」

白黒の世界の中でサスケは、家族との思い出がぐちゃぐちゃ、粉々にされていくイメージと両親が今まさに殺される瞬間の映像が濁流となって頭の中に雪崩れ込み、悲鳴を上げる。

しばらくしてそれが収まると、サスケは床にドサリと崩れ倒れた。

「・・・どうして・・・・・・兄さんが・・・?」

サスケは精神的苦痛の余韻に耐えながらもイタチに問う。
しかし、そんな弟を見ても何も思わないような素振りでイタチは答える。

「己の器を量る為だ。」・・・と。

イタチの回答にサスケは、「オレの"器"はこの下らぬ一族に絶望している。」と依然口にしていたイタチの姿が思い起こされる。

「・・・器を量る・・・・・・?
それだけ・・・それだけの為に・・・
皆を殺したって・・・言うのか・・・?」

イタチの言っていることが理解出来ず、サスケは再度問う。

「それが重要なのだ。」

目を細めて、それが当たり前と言うような言い方でイタチは答えた。

「なんだァ・・・それ・・・ふざけんなァ!!!」

サスケはキレた。
機敏に立ち上がり、右手に握り拳を作って低い姿勢でイタチに突っ込んで行った。
しかし、イタチが放った腹部への右拳に返り討ちにされ、再びうつ伏せに倒れたのだが・・・

「ノォオホォオオオホァオアアアァ!!!」

死後硬直で固まっているミコトの爪先が倒れてきたサスケの股間にクリーンヒットしてしまった。
そのため、サスケは股間を両手で押さえて酷く悶絶している。
イタチは少し心配そうな顔をしている。
そんな最中、突然乱暴に部屋の扉が開かれた。

「はいぃー!金髪さんが通りまーすっ!」

殺伐とした空気の中に飄々とした態度で入ってきた少年、うずまきナルトである。
入って来てまずナルトの目に入ったものは、股間を押さえて倒れている少年であった。

「お、おい!大丈夫か!?」
「うごごっ・・・」

ナルトの問いかけに答えられない程、サスケは股間の痛みでプルプルしている。

「うん?・・・そうか、タマが上に上がっちゃってるんだな。
よし、分かった!
腰を叩いて元の玉座に戻してやろう。」

ナルトは懐から巻物を出し、その中から金棒を取り出した。
そして・・・

「カムバッーク!キ○タマぁぁ!!」

サスケの腰に景気良く金棒を振り下ろした。
対象物は腰どころか全身が床に減り込み、小さなクレーターを作った。

「どこまでおろすつもりだァァァ!」
「いや、さっきと同じ位の衝撃を与えなきゃダメでござんしょ?」
「何処が同じなんだ!
つうか、タマが降りて来る前にオレが人生降りることになるわ!
人を撲殺するつもりか!」

サスケがナルトにクレームの嵐を浴びせている最中、イタチはなおも心配そうな顔をしてサスケを見ている。

「うん?何か・・・裾から出てきたよ?」

コロッ、という音と共にサスケのズボンの裾から何かが2つ転がり出てきた。

「タマを降ろすどころかコレ、裾からキ○タマ転がり出てんじゃねーかァァ!!」

自分の身に起こった惨事にサスケは嘆く。

「どーしてくれんだコレェ!!
戻せェェ!!元に戻してくれェ!!」
「いや、気持ちは痛い程分かるけど、コレはもう手遅れじゃね?」
「チッ、仕方がない。」

この状況を見かねたイタチは何が仕方ないのかサッパリわからないが、気合で指先からチャクラ糸を出し、それサスケのタマにくっ付けて操り、見事玉座に戻した。

「おおお!やったぁ!」

素直にサスケは大喜びしている。
しかし・・・

「・・・させるか!!」

ナルトもイタチと同様にチャクラ糸を使って再び下に落とした。
サスケはアイドルを目の前にした女子のような悲鳴を上げる。

「邪魔をするなァ!ナルト君!!」
「貴様の思う通りにはさせんぞ!イタチィィ!!」

思わぬ所で乱闘が始まってしまった。
イタチとナルトはキ○タマの玉座を巡って壮絶な験力比べを繰り広げている!!
途中、「人のキ○タマで何やってんだァてめーらァ!!」という必死の文句が聞こえたが、2人は華麗にスルーした。

「おのれェェェ!上だ!!」
「いや、下だァ!!」
「上と見せかけて下だ!!」
「下と見せかけてやっぱり下だァ!」
「ストレートに下だ!」

上下動のみではあるが、壮絶なタマの打ち合いが繰り広げられている。

「いだだだだだ!
オイ、てめーら結局2人とも地面に叩きつけてるだけじゃねーかァ!!」

そのツッコミを聞いてもなお、しばしの間床にガンガンと叩きつけていたのだが、ここで漸く勝負が付かないことに気付いたようだ。

「グッ、このままでは埒があかぬ・・・イタチ、一つ提案がある!!」
「何だ、ナルト君!!」
「幸いにもタマは2つあるんだ。
ここは右のタマをオレ、左のタマを貴様のモノとし、各々操ろうではないか。」
「何でだァァァァ!
何で人のキ○タマ勝手に分け合ってんだァァ!!」
「面白い・・・右左のタマを各々が操り戦わせ、勝敗を決しようと言うのだな。」
「何で戦わせるんだ!一体、何の対決!?」

サスケの必死のツッコミも虚しく、壮絶な空中戦が始まった。

「ゆけぇぇ!サスケェェェ!」
「誰がオレだよ!?」
「行けェェェ!ユウスケェェ!!」
「さり気にちなむな!!」

右へ行ったと思ったら左へ、左に行ったと思ったら右へと目まぐるしく場所を変えて激しい戦闘を繰り広げている。
この勝負は最早、タマに思いを乗せたタマによる代理戦争である。
激しくぶつかり合うタマとタマ。
果たして勝利を収め、玉座に就くのは右か?左か?

「いだだだだ!
マジ潰れるっっ!!やめてくれェェ!!
誰か、奴らのケンカを止めてくれェ!!」

サスケは必死に叫んだ。
もう股間が耐え切れない・・・痛みに耐え切れないと。
そして・・・願いは叶った。

「ん?イタチ、まだ手古摺っているのか。」

丁度、ぶつかり合っているところの上の空間から仮面を付けた男が突如として現れた。
そして、その男はタマを思いっきり潰す形でその場に着地した。

サスケの願いは叶ったのだ・・・最悪の形で。
そして、玉砕されてから少し間を置いて、サスケも白目を剥いて玉砕(気絶)した。

「「・・・許せ、サスケェ・・・・・・。」」

妙な程イタチとナルトのセリフはハモった。
殺伐としていたとは思えない空気に様変わりしてしまった現場に、仮面の男も少し戸惑った様子を見せる。

「と、とりあえず、コイツらの記憶を消さねば・・・。」
「いや、この子なら大丈夫だ。
サスケだけ加筆修正してくれ。」
「・・・わかった。お前は先に行ってろ。」
「ああ・・・。」

イタチは仮面の男の言葉に頷くと、里の門を目指して走り出した。
ナルトもそれに付いて行く。

「ナルト君、何故付いて来るんだ?」
「いや、イタチが里抜けする前にちょっと頼みごとが・・・」
「何だ?言ってみろ。」
「いや~、ちょっと訳あってイタチさんの血を少し恵んでくれませんかね。」

そう言って、ナルトはポーチから注射器を取り出した。

「一体、何故そんなことを?」
「う~ん、とりあえず私の眼を見て貰えれば分かると思いますが・・・」

ナルトは眼に少し力を入れ、眼の模様を万華鏡に変化させる。

「・・・!?
何故君が使えるのだ!?」
「親の遺伝ですかね。
まあ、私の父『四代目火影 波風ミナト』は少々謎が多い人ですからね。
出生地も血筋も分かりませんから。
とりあえず、これでイタチの血を分けて欲しい理由が少し分かって貰えましたか?」
「ああ、失明のリスクのことだろう。
わかった・・・それぐらいならお安い御用だ。」

こうしてナルトは、ナルトの目的をイタチに勘違いさせる形ではあったが、とりあえずイタチの血液(輸血パック1つ分)を手に入れた。
もちろん、場所をナルトの自宅に変えてやりました。

「しかし、こんなので失明を防げるのかい?」
「ちょっと私に良い考えがありましてね。
これで、万が一イタチさんがサスケに眼を譲る前に潰されてしまっても何とかなると思いますよ。」
「君はオレの目的をどこまで知っている?」
「・・・全部です。
というか、今回の事件の真相から仮面の男の正体、ホント何から何まで知っています。
だから、サスケのことは心配せずに安心して里を抜けて下さい。
そして、またいつか甘味処巡りでもしましょう。」
「ああ・・・ありがとう、ナルト君。」

イタチは少しハラハラと涙を流しながらではあったが、笑顔で木の葉を去って行った。
静かに昇り始めた朝日に照らされながら・・・。 
 

 
後書き
「なぁにこれ?」な終わり方しか思い付きませんでしたww m(_ _)m
やっぱりシメ方が未だにわからないww
よしっ、明日から頑張ろう!ww 
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