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ドリトル先生の来日

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第二幕 日本という国をその十二

「明るいんだ」
「関西はそうなんだ、僕が住んでいるところはね」
「地域によって気質が違うんだね」
「イギリスと同じでね、特に大阪が面白いよ」
「大阪、王子が言っていた街だね」
「あそこは凄いよ、もう賑やかで派手好きで」
 先生がイメージしている日本とまた違うというのです。
「黒と黄色ばかりなんだ」
「黒と黄色だね」
「そう、野球が凄く人気があって」
「ベースボールだね」
「イギリスでも最近している人がいるよね」
「少しだけれどね」
 その野球がというのです。
「日本じゃ凄い人気でね」
「黒と黄色がカラーのチームもあるんだね」
「凄いよ、そのチームは」
「人気が凄いんだね」
「もう街全体、いやその地域全体がファンなんだよ」
 そのチームのだというのです。
「阪神タイガースっていうんだけれど」
「虎だからな黒と黄色なんだね」
「そうなんだ、僕も野球観戦をはじめたけれど勝っても負けても面白いチームだよ」
「普通はスポーツチームは勝たないと面白くないけれどね」
 このことはイギリスでも同じです、スポーツマンシップを守ってそのうえで勝たないとです。
「そのチームだけは別なんだ」
「阪神タイガースはだね」
「そのチームもあるからね」
「ふうん、スポーツにはあまり興味はないけれど」
 先生は学生時代はスポーツはあまり得意ではありませんでした、サッカーはあまり観ませんでしたしラグビーやラクロス、ポロなんかもしません。時々老馬に乗せてもらう位です。
 ですが王子のお話を聞いてです、こう言うのでした。
「一度観てみようかな」
「うん、日本でね」
「さて、じゃあね」
「今から用意をするんだね」
「そうするよ、急いで移住の用意を整えるからね」
「すぐに日本に行くんだ」
「まだ王子の方で手続きがあるけれどね」
 その辺りは王子任せです、それでもです。
 王子も大学の理事長さんにお話すると約束してくれています、先生が日本に行くことはもう決まっているのと同じです。
 だからです、先生もなのです。
「今からね」
「移住の準備だね」
「ビザの用意もしないとね」
 先生は穏やかな声で話します。
「それじゃあね」
「準備をはじめてね、僕も日本に飛行機で戻るから」
 王子はそうするというのです。
「それからすぐに理事長さんにお願いするからね」
「頼むよ、それじゃあね」
 こうして王子との電話でのお話を終えてです、先生は早速移住の準備をはじめることにしました。すぐに皆に言います。
「よし、じゃあね」
「今からだね」
「うん、日本に行く準備をはじめるよ」
 それをはじめると動物達に言ったのです。
「じゃあいいね」
「先生日本に住むんだよね」
 ガブガブが先生にこのことをあらためて尋ねます。
「そうだよね」
「そのつもりだよ」
「じゃあもうここには戻らないの?」
「ううん、どうなるかな」
「お家は日本だよね」
「その辺りもちょっとお話さないといけないかな」
「うん、そうだね」
 このこともお話することになりました、先生が日本に行くまでに色々とやることがありました。まずはそうしたことを全てしてからなのでした。 
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