とある英雄の学園生活
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第10話 仲間たちのその後 中編
「 え……ジパングてあの?」
「はい、ヒミコが統治していたジパングです」
「学園都市?」
「はい、なんでもキラ様とリョウ様のお話を聞き、誰でも学べる学園を作ると言っていましたが、まさか本当に作るとは思っていませんでしたが」
確かに俺たちの世界の学校話などいろいろしたがまさか学園を作るとわ!
やるなネイ
ネイ・イチジョウ
俺の娘……みたいなもんだ。
俺たちは旅にでて半年後、金銭に余裕がなくなったので冒険者ギルドで闇奴隷商人グループを壊滅依頼を受けた。
依頼自体はすぐに解決した。
闇奴隷商人のアジトにはエルフ族やドワーフ族、リザード族などの亜人の数人の女の子が捕まっていた。
その中に1人だけ別の牢屋に閉じ込められていた小さな女の子のダークハイエルフがいた。それがネイだった。
俺たちは牢屋に捕らわれていた亜人達を開放したのだが、ネイだけは何故か俺の服のはしを引っ張って離れなかった。
捕まっていた亜人の中にネイを知る者がいなかったので、ネイ本人に住んでいた村を聞いたのだがわからないと言われた。
俺たちの旅に同行させるわけにはいかないので近くの孤児院に預けたのだが、ネイは孤児院から抜け出し俺たち、正確には俺に会いに来た。
俺たちの旅は危険で危ないから孤児院にもどるように何度も説得をしたがネイがついて行くと言うばかりでそんなやり取りを1日かけて説得をしたのだが聞き入られず俺は覚悟をきめネイを旅に同行させることにした。
出会った当時のネイは10歳ぐらいで髪は銀髪目の色は右目は金色、左目は銀色のオッドアイの美幼女だった。
最初の頃は俺のことをパパと呼んでいた。
パパじゃないと散々文句を言ったのだが最後はネイの泣き顔が辛く仕方なくパパと呼ぶことを許可した。
でも15歳の俺にパパはないだろう。
せめてお兄ちゃんじゃないのか……
先にセリアが俺のことをお兄ちゃんと言っていたが。
ネイは魔術はシアンとヴァンヘルトに師事を受け剣術は遼やセリアに師事を受けていた。
もともとネイに才能があったのだろう2年後には上級魔術師のヴァンヘルトを抜き最上級魔術を取得し剣術もパイオニア大陸で有名な天地天命流の免許皆伝を取得し立派な魔法剣士になっていた。
俺は剣術や魔術を教えることができなかったので、俺のいた世界の話や学校での出来事などを話した。 特に学校の話に興味をもち自分も通いたいと言っていた。
さらに驚いたのが2年しか経っていないのに見た目は15歳ぐらいまでに成長し美幼女から美少女にクラスチェンジしていた。
その頃にはパパとは言わなくなりキラと呼び捨てになっていた。
パパと言われなくなりちょっと寂しい俺であった。
「ネイはすごい美人になりましたわよ」
「そっか、元々美少女だからな、」
美人になったのはいいことだが一応父親として気になることが1つある。
「ネイは結婚はしていないのか?」
「かなりの人から求婚されましたが、すべて断わったみたいです」
結婚はしていないのか・・・・・・でも
「なんで全部断ったんだ。求婚者の中にはそれなりの地位の人間もいただろう」
ダークハイエルフで美少女だし、2つ名が炎帝と呼ばれ、最上級魔術を取得し剣術も天地天命流の免許皆伝の強者である。
クールで冗談が通じず、家事はできないのがたまにキズだが。
「そうですね、フランス王やポルトガル王を筆頭にかなりの地位の人がいました。あとアルト王もその中の1人でしたが」
……どんだけすごいんだうちの娘は、フランスにポルトガルそしてイングランドの3王から求婚されるなんて。
もしそのうちの1人と結婚していたら俺は王の義理の父親になってたのか……
ある意味凄いな。
でもなんで断ったんだ。フランス王やポルトガル王は2、3度あったことあるが、2人も20代半ばで容姿もよくなかなかの好人物であった。
アルトも旅をしていた時からネイに好意を持っていた。
俺にいろいろ相談を持ちかけよく
「将来はお義父さんてよびますから」
なんて言っていたんだが、そうか振られたのか残念だったなアルト。
でもなんで結婚しないんだ?
考えているとふとセリアと目が合った。
「ネイは昔から1人の男性に恋をしているみたいですので、その方が忘れられないみたいです」
なに!ネイにそんな男がいるのか……誰だ?
昔からとなると一緒に旅をしていた仲間か?
となると……
ヴァンヘルトか?
シアンか?
それとも遼か?
疑いがあるのはこの3人だな。
まず遼は……ドイツの王女様と結婚したから削除で
次にシアンだがたしか故郷に恋人がいて旅が終わったら結婚すると言っていたので削除
だとすると
「ネイはヴァンヘルトに恋をしているのか!」
セリアが不思議そうに俺を見て
「どうしてそう思ったのですか?」
「昔から好きな人と言えば一緒に旅をした仲間でシアンは故郷に恋人がいて、アルトは振られて、遼はドイツのお姫様と結婚だろのこりはヴァンヘルトしかいないじゃないか」
どうだ俺の推理は……推理てほどの事ではないが。
「……ふう~」
セリアは頭が痛いのか額に手をあてている。
「どうした?」
「いいえ、この件は直接ネイにでも聞いてください。私が言っていいものではなさそうなので」
「そうか・・・・・・そうだなネイ本人から聞くとしよう」
やっぱりこういった話は本人から聞くのが一番だもんな。
納得している俺を見てセリアは深いため息をついていた。
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