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とある英雄の学園生活

作者:にゃん丸
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第6話 女騎士セシリア・ファーム 後編

 年齢は20歳ぐらいかな。
 金髪の長い髪を1本の三つ編みにした髪型。  
 かなりの美人である。
 いままで出会った中でも上位に入るだろう。
 だがセシリアさんをよく見ると一緒に戦っていたセリアに似ている。
 セリア・ガーネット
 彼女は俺より2歳年下でイングランド王国第3王子アルト・シュタイン・イングランドの護衛騎士を勤めていた子だ。
 
 「ちょっと聞きたいんだが」
 

 「はいなんでしょうか?」

 
 「セリア・ガーネットは貴方の肉親ですか?」
 
 「……そうですが」
 
 やはりそうだ。目元とか雰囲気などが似ているあと早とちりなとこもだが。

 イングランド王国なら2人は帰ってきているかもしれない。
 聞いてみよう。
 
 「アルトとセリアはもう帰ってきていますか?」
 
 あの戦いからまだ数時間しか経っていないからもしかしたら帰ってきていないかもしれないが、瞬間移動術を使えばもう帰ってきているはずだ。
 
 「???」
 
 首をかしげるセシリアさん
 何を言ってるのかしらこの子はみたいな目で俺を見ている。
 
 「いやだからヒミコを倒してから、もう数時間経ってると思うので2人はイングランドに帰ってきているのかと思いまして」
 
 「ヒミコ?帰ってきている?」
 
 あれ?なんだか会話が噛み合わない。
 とりあえずロンドンいるのかいないのか確認しよう。
 
 「ええと、アルト・シュタイン・イングランドとセリア・ガーネットはロンドンにいますか?」
 
 セシリアさんはむすっとした表情で
 
 「確かにロンドンにいらっしゃいますが、あなた失礼ですよ」
 
 あれ?セシリアさんがかなり怒っている。
 なんでだろう……
 そうか、アルトも一応王子だもんな。
 イングランド王国騎士の前で呼び捨てはだめですよね。
 
 「申し訳ございません。つい癖で呼び捨てにしてしまいまして」
 
 「あなたは普段から我が王と少将閣下を呼び捨てにされるのですか!」
 
 謝罪でさらに怒らせてしまった。
 ん……いまセシリアさんなんて言った? 
 我が王と少将閣下と言わなかったっか?
 聞き違いかな。
 聞き間違いだよな。
 だが!念のため確認しよう。
 
 「あの~今の王様はアーサー2世ですよね?」
 
 現イングランド王国の国王。そしてアルトの父親である。
 童話なのに出てくる白いヒゲをはやした優しそうな王様だ。
 腹の中はどす黒い王様だが。
 
 「何を言ってるんですか。アーサー様は前国王で、現国王はアルト・シュタイン・イングランド陛下でございます」
 
 え・・・・・・アルトが王様?
 ヒミコとの戦いで数時間後で王様って?
 おかしいだろ。
 だがセシリアさんを表情を見ていると嘘をついてるふうには見えない。
 本気で言っているのだろう。
 とりあえず少将のことも聞いとこう
 
 「え~とじゃあ少将てたしかエルフィン少将でしたよね」
 
 イングランド王国は元帥から少将までは各1名しかいないのだ。
 だからなんとなく覚えていた。
 
 「・・・・・・現在はバーミリオン騎士団団長セリア・ファーム少将ですが」
 
 「ファーム?」
 
 「ガーネットは旧姓です」
 
 セリアが少将!!
 しかも旧姓てことは結婚したのか!
 数時間でいろいろなことが起こりすぎだろう。
 どうなってるんだ?

 (あ、キラ言い忘れてたんだけど)

 (なんだよ)

 (ヒミコとの戦いから30年経ってるよ)

  ……………はあ?
 
 (だから30年経ってるてば)
 
 (イフリートなんでそれを先に言わないんだ!)
 
 (だから言い忘れてたて言ったじゃない)
 
 (それに私たち魔人にとって30年て年数あまり気にしないも)
 
 (あのな〜、人間の30年て年月はかなり長い年月のことなんだぞ!)
 
 (そうなの?)
 
 (子供だったら今ならいい大人になってるよ)
 
 (ごめんごめん)
 
 イフリートは全く反省していない。
 
 (シヴァもなんで言ってくれなかったの)
 
 (申し訳ございません。私もイフリートと同じ魔人ですので、そんなに年数が経ってる感じがしませんでしたので)


 「どうかいたしましたか」

 「いえ、少し考え事をしてまして」

 今の俺はかなり混乱している。
 そりゃそうだろう。いきなり30年後の世界だよ。
 でもこの世界に飛ばされてきた時の混乱よりはマシだが。

 「セシリア隊長」

 草むらから2人の騎士がこちらに向かってきた

 「姫は無事です。こちらの旅の方に助けて頂いたみたいで」

 「そうですか、それはなによりです……え!?」

 「どうかしましたか」

 「そこにゴールドオークの屍骸があるのですが、セシリア隊長が倒したのですか」
 
 「え……私じゃありません」
 
 「綺羅さんが倒したんだよ」
 
 セシリアさんに抱きついていたアリスが答えた。
 セシリアさんと2人の騎士はかなり驚いている。
 
 「とにかくお礼をさせていただきますのでご同行できますか」
 
 セシリアさんは2人の騎士に目で合図すると俺の両脇に騎士が移動した。
 あれ?アリス姫を助けた恩人に対しての対応じゃないよな。
 不審な人物を逃さないようにみたいな感じなんだが。
 逃げることは簡単にできるが、今の状況だとおとなしくついて行ったほうが得策だろう。
 
 「わかりました、ご同行いたします。お礼は期待してもいいんですよね」
 
 「もちろんです」
 
 セシリアさんは口元は微笑んでいたが目は微笑んでいなかった。 
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