ドラクエⅤ・ドーラちゃんの外伝
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キラーパンサーに転生
8妖精さんの村でドーラちゃんと一緒
おうちに戻って、地下室に下りて。
ベラさんにお話を聞いてるときに、途中でドーラちゃんのパパさんが下りてきてベラさんが焦る、なんてこともあったけど、無事にお話を終えて。
いよいよ、妖精さんの世界に出発です!
あたしはもう早く行きたくてうずうずしちゃって、またあんまりお話を聞いてなかったけど。
内容はもう知ってるし、ドーラちゃんがちゃんとしてくれてるから、そこは安心だもんね!
ベラさんが呼び出したキレイな光の階段を登って、光のトンネルをくぐって。
とっても可愛い主人公のドーラちゃんのあとに、それなりに可愛いだろうケモノの子供なあたしがついて、こんなにメルヘンな道を通って、妖精さんと一緒に妖精さんの村に行くなんて!
なんだかゲームっていうより、おとぎ話の世界に入っちゃったみたい!
とってもメルヘンな雰囲気にうきうきしながら、妖精さんの村に到着です。
妖精さんの村は雪に覆われて、すごく寒いけど、とってもキレイ!
たくさんいる妖精さんたちも、小さいおじさんみたいなドワーフさんたちも、木のおうちも!
みんなとっても可愛くて、ほんとにおとぎ話の世界みたいだし!
あたしはもっとよく眺めていたかったけど、ベラさんは急ぎたいみたいで、急かされてまた歩き出します。
うん、仕方ないよね、ベラさんはお仕事なんだもんね。
ポワンさまを待たせちゃうのは、よくないもんね。
ドーラちゃんも素直についていってるし、あたしもちゃんといい子にできるんだから!
ポワンさまは、可愛いのかな、それともキレイなのかな?
会えるの、楽しみだな!
ベラさんのあとについて通った、池の上の蓮の道も、一番大きな木のおうちの中も、水でできたみたいな階段も。
全部をよく見てみたくてうずうずしながら、それでもおとなしくついていって、ポワンさまのお部屋に入ります。
お花みたいなドレスを着た、妖精のお姫さまみたいにキレイで可愛いポワンさまが、ドーラちゃんを可愛い戦士さまって呼んだのはゲームの通りだったけど。
そのあとなぜか、ポワンさまからベラさんへのお説教が始まってしまいました。
あれ?
急いでお仕事するんじゃないの?
いいのかな、これ。
止めなくていいのかな、ドーラちゃん?
困ったあたしがドーラちゃんを見上げると。
「モモ。おいで」
「ニャー」
大きな窓のあるほうに、手招きされてついていきます。
いいの?
止めなくて、ほんとにいいの?
あたしが戸惑ってるのに気付いてるのかどうなのか、窓から外の景色を眺め始めるドーラちゃん。
「わあ!ここは、ながめがいいですね!むらのなかも、そとも、よくみえますよ!」
「ニャー!」
あ、ほんと!
もっとよく見たいと思ってた村の中も、まだ見てない村の外も、ほんとによく見える!
やっぱりこの村、とっても可愛い!
窓から見えるこの景色が、このまま絵本になっててもおかしくなさそう!
村の外も一面に雪に覆われて、真っ白に輝いてて、とってもキレイ!
このあと春を呼ぶんだから、この景色が見られるのは今だけだよね!
ポワンさまとベラさんのことは気になるけど、あたしが文句を言うのもおかしいし。
言おうと思っても言えないんだから、これは仕方ないよね!
ドーラちゃんも気にしてないみたいだから、あたしも気にしないで、もっとよく見てよう!
外の景色も、お部屋の中の様子も、ドーラちゃんと一緒にさんざん眺めて楽しんだところで。
もう見るところもないし、そろそろお説教終わらないかな?と思ってポワンさまを見ると。
「どうですか、ドーラ。妖精の村は。楽しんで、頂けました?」
ポワンさまがドーラちゃんに向かって、にっこりと笑ってます。
あ、お説教は終わったんだね!
あたしたちもすることなくなってたし、ちょうどよかった!
これでまた、お話が進むね!
このあとは、春風のフルートを取り返すようにポワンさまに頼まれて、ベラさんが改めて仲間に加わって。
確かそんなお話だったけど、それはドーラちゃんに任せれば大丈夫だから。
あたしは邪魔しないように、毛繕いでもしながら、おとなしくしてよう。
ちょっと雪がかかって濡れてた毛並みをあたしが熱心に整えてるうちに、無事にお話は終わったみたいです。
また急いですぐに村を出ようとするベラさんにドーラちゃんが言い聞かせて、装備を整えるためにお店に向かいます。
あたしはドーラちゃんの中身がお姉さんだって知ってるけど、ベラさんは知らないのにいいのかな?
悪いこととか間違ったことを言ってるわけじゃないから、別にいいのかな?
ベラさんもなんか納得してるみたいだし、それなら別にいいのかな。
このせっかちなベラさんに任せてたらいろいろと大変なことになりそうだから、ドーラちゃんがちゃんとしてくれるなら、そのほうがいっか!
うん、これはいいことだね!
ドワーフのおじさんがやってるお店に入って、石のキバを買ってもらって、つけて。
慣れないからちょっと落ち着かないけど、まだ子供なあたしの爪と牙はそこまで丈夫じゃないから、そのままじゃあんまりダメージが与えられないし。
ドーラちゃんの役に立つためには、これくらい我慢して慣れないとね!
防具屋さんでは、皮の腰巻きを買ってもらって、これもつけて。
寒いからあったかくできるように、ドーラちゃんは毛皮のフードも買ってくれようとしてたけど、耳まですっぽり覆われちゃうから、これはダメだった。
周りの気配を探るのに音もずいぶん頼りにしてるのに、全く聞こえなくなるってことはなくても、感覚が狂っちゃうから。
ドーラちゃんが持ってた皮の帽子なら耳が出せたので、それは被らせてもらうことにしました。
あたしは自分の毛皮があるから、帽子も腰巻きも、なくてもなんとかなるんだけど。
あればやっぱり、少しはあったかいもんね。
それに、守備力のことも気にしたほうがいいんだろうし。
まだ弱いんだから、あたし。
装備を整えたら、まだ急ぎたがるベラさんにまたドーラちゃんが言い聞かせて、村でお話を聞きます。
あたしを地獄の殺し屋だなんて言って驚く失礼なおじいさんには、しっかりとあたしの賢さを見せつけておきました!
普通のキラーパンサーを知ってるなら驚くのは仕方ないけど、あんまり決めつけるのもよくないと思う!
こんなにおとなしくて聞き分けのいいあたしを前にして、いきなり地獄の殺し屋だなんてあんまりにも失礼じゃない?
あたし、女の子なのに!
おじいさんは隣のスライムくんを見習って、もう少し余裕を持ったらいいと思う!
他にも、失礼な妖精さんをドーラちゃんがその可愛さで黙らせたり。
ドーラちゃんのあまりの可愛さに、村のみんながいろんなものをくれたりなんてこともあって。
いよいよ村を出ようというところで、ベラさんがうっかり逆方向に向かおうとしてドーラちゃんに止められて、ドーラちゃんが先に進むことになって。
「モモは、ベラさんのうしろから、きてくださいね?」
「ニャー!」
うん、わかった!
あたしがちゃんと見張ってるから、うしろはあたしに任せて、ドーラちゃん!
ベラさんがはぐれないように、あたしがちゃんと気を付けておくからね!
「それじゃあ、こんどこそ!にしに、いきましょう!」
「おー!」
「ニャー!」
ベラさんはせっかちでうっかりだけど、やっぱり優しくて面白い、いい人だし!
キレイな世界で二人と一緒で、楽しい冒険になりそうだね!
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