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蘇生してチート手に入れたのに執事になりました

作者:風林火山
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膝枕なう

「ふぅ~。宏助さんの膝、気持ちぃ~ですね。」
「なんですか、その気の抜けた声は・・・・・。第一、なんか・・・・・」
「なんか・・・?」
「うっ、ううううう。・・・・・・なんでもないです。」
(畜生!上目遣いってないだろ!なんか変な気分になってくるし・・・・。静まれ俺の脳内回路ッツ!)
「それでいいのです。宏助さんへの罰を麗が科してくださいというものですから。」
その通り。今は麗が命令した明の宏助への罰執行中。
しかし、罰といっても別に石の上に座った宏助の膝にどんどん重石をのっけるような罰ではない。
ソファーの上に座った宏助の膝の上に明の頭が乗っかる・・・・・いや現時点では既に何か大きくて柔らかいモノまで載っているのだが・・・・とにかく膝枕だった。
いや・・・確かに俺にとっては嫌な話というか、そういう訳ではなくて、むしろ最高な罰なのだけど・・・・。
なんか、膝に載ってるものとか、至近距離からしてくる明のいい匂いとか、脚にかかる長い黒髪とか、聞こえてくる、脚にかかる明の吐息とか、自分を見つめる明の上目遣いとか、いろいろなものが折り重なって俺はなんか変な気分になってる。
じっと、静まろうと心を平静に保っていると。
「宏助さん?」
「は、ハイッツ!」
なんだ、なんか変な汗をかいてるのか俺、なんか変な体臭とかしてるのか俺、とこの罰を受ける前に心配した事項が再び頭を掠めると、
「知っていますか?『SP・コロッセオ』のこと。」
「あ・・・ああ、知ってますよ。麗さんとかから聞きましたから。」
なんだそんなこと(失礼極まりない)か、と安堵のため息をつく。
『SP・コロッセオ』とは、現在、この神条邸に属するSPによる最強決定戦のようなものだ。
昔は、神条財閥に属するSP全員で行っていたのだが、神条総帥の親戚なども含め全世界に神条の姓を持つ別荘が有り、本邸にいるSPの数など バカにならない。それら全員のSPを収集するのにかかる費用、時間、更に大人数での移動に伴う、情報の漏洩、SP達の戦闘の間に起こる、神条総帥及び親戚の安全性の欠如。そして神条財閥では雇い入れているSPの数も多い為、この情報を聞きつけ、暗殺を目的として、SPとなる輩もいるし、人数がバカみたいに多いので、手間も時間も費用もかかる。だから結局何度か開催されただけで中止になったそうだ。
なので今は、神条邸別荘の明が住まうここだけに所属するSP三十名のみで毎年行っているらしい。
「そのエントリー表とルール説明が今日渡されたんで、宏助さんもどうぞ。」
明はポケットから几帳面に折りたたんだ数枚の用紙を取り出す。
そこには、大会のルールと、三十名全員の名前、特徴が記されていた。
ちなみに宏助は参加しない。参加しようとした訳でもないが、
「宏助さんが参加したら絶対優勝でしょ。」と釘を刺されたのだ。

SP・コロッセオ 大会概要及び、エントリー表

・大会概要
開催日 三月 二十五日 (火) 雨天決行
開催場所 大アリーナにて
※大会準備は参加者全員で三月二十日(木)より五日間かけて行うこと
審判は全てコンピューターが行う。
大会進行係
伊島宏助のみ(自分の試合が無いときはSPも大会の進行を積極的に手伝うこと)
参加者
三十名(男性二十名、女性十名)
SPの中での誰がどの位の実力があるか判別するためのもの。意欲促進のためでもある
銃やナイフなど武器は禁止で、指定されたゴム弾装填の銃や、長さ、本数指定自由の棒を使う
第一次予選はバトルロワイヤルで、当日発表のランダム形式で、三つのコートで、十名ごとに分けられる。
三つのコートで誰かひとりが残るまで戦闘を行う
・バトルロワイヤルで残り三人までに絞り、そこからサバイバル形式で三人全員が戦い、一人優勝者を決める
・勝敗はコンピューターが致命傷となる攻撃を喰らったらと判断したら敗北。敗北宣言されたら即座にリングから降りること。
五秒以上リング上に残っていたものにはアレを行う。
・分析班のみは戦闘班とコンビを組むことを許可し、チーム名を定める。
参加者一覧
優勝候補陣
若菜 麗
かなりのツワモノ。男性陣含めても優勝候補の一人。女性陣長。
小倉 雄大
同じく優勝候補の一人。大柄で筋肉質。凄まじい力技で、敵を圧倒。男性陣長。
渋井 保志
優勝候補の一人。冷静な判断と的確な攻撃。眼鏡。男性陣副長。
溝手 早苗
優勝候補の一人。最強をかけて麗と争っている。威力と精度の高い連続攻撃で攻める。女性陣副長。
男性陣
倉澤 健太
突き攻撃が得意。実力派。
佐藤 弘樹
投擲が得意。同じく実力派。
熊崎 隆平
射撃が得意。同じく実力派。
広尾 京平 射撃担当
吉野 かずさ 司令塔。指示だし担当。分析班長。
二人で一グループ『NB(なにごともバランス良く)』

堀江 信之助 二丁拳銃の使い手
前田 真崎 分析担当。分析班副長。
二人でチーム『NHK(なにごともふたつがこのましい)』

朝日 はるわ 長剣の使い手 剣道六段
石井 裕太 分析担当 コンピューターはお手の物
二人でチーム『STK(それぞれの特技で勝つ)』

高野 凌駕 フェンシングがマジ強い
増田 一樹 分析担当 ゲーム理論大好き
二人でチーム『FGS(フェンシングゲーム最高)』

樋口 良太 短剣の二刀流。
本田 光 分析担当。予測が半端ない。
二人で一グループ。『MOT(未来は己で掴め)』

萩谷 亮 元々の運動能力が高い。拳法で闘う。
吉岡 翼 動きがとても素早く、相手を翻弄
水島 正弘 遠距離射撃を得意とする。
山本 雄太 近距離戦闘担当
鶴田 拓海 守りが堅い。守備上手。 
高原 賢 銃と短剣で片手にそれぞれを持つ。
池田 歩 素手による格闘を行う。

女性陣
前田 葵
実力派。短刀一本で的確に急所への攻撃を行う
金 希 突き攻撃と投擲を両方使う。実力派。

江橋 さき 遅く、普通とはタイミングが違うスロー攻撃を繰り出す。
荒巻 由紀 分析班。ハッキングの天才
二人グループ(WK『私達変わってる』)

杉沢 有利 脚による戦闘を好む。
羽田 桜 分析班。計画立案が得意。
二人で『AUK(脚を美しく計画)』

広浜 春奈 視力7・0での射撃技能が高い。
中野 夏樹 分析班。データ分析が得意。
二人で『SD(視力だのみ)』
「これ・・・・宏助さんが書いたんですよね・・・・。」
「いや・・・まぁ大会概要は麗さんに指示された通りに書きましたよ。エントリー表は任されたんで・・・、選手名と、簡単な説明を・・・・。」
「チーム名に突っ込んじゃ駄目なんですか?」
「いや・・・俺が決めたんじゃなくてSPが勝手に決めたんですよ・・・?」
「相変わらず適当な人達ですね・・・・。」

ーとある死神達の会話ー
「さて、準備は整った。」
「懐かしいな・・・あそこに行くのは・・・・。」
「そっか、お前はあそこのSPだったんだっけなぁ~。」

ーとある幽霊達の会話ー
「義無、覚えているか。あの人が言っていた言葉を。」
「ああ、覚えているさ、彼はこう言っていた。」
「そう、麗さんと明様と別れた後、『成仏したと偽って姿を消した』後・・・・・。」
「『俺は・・・・選ばれた。』そう言ってたね。」 
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