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Garland Chrysanthemum

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#1 開幕

 
前書き
 2xxx年、地球に超巨大隕石が衝突する



 それにより、人類は死滅してしまったかのように思われた



 しかし、その中で生き残っていたものがいた



 そして始まる主催者不明の生死をかけたデスゲーム



 今、生き残りをかけたの孤独で壮絶な旅が始まる... 

 
 ため息が出そうなほど雲ひとつないG県T市の夏の空。

 坪倉春弥は、愛川菊介と下校途中だった。

 外では太陽がじりじりと照りつけ、アブラゼミの鳴き声が夏の太陽を更に熱く感じさせる。

 溶けかけのアイスをくわえ、春弥が何気なく空を見上げる。

 「今日も暑いな...どうにかならんのかね。なあ、菊介よぉ~」

 そういうと春弥は菊介の方を見る。

 すると菊介も空を見上げる。

 「さあね。...そんなことよりさあ」

 「ん?」

 菊介が空を見上げながら言うと、春弥は菊介の話に耳を貸す。

 「今日って日食の日なの?」

 「はぁ?んなわけねえだろ。もしそうだったらニュースでも取り上げるだろ」

 「だよな。でもさ。太陽が欠けてるように見えるんだよなあ、僕」

 菊介がそういうと、春弥も太陽の様子が気になり空を見上げる。

 すると、太陽が若干だが欠けていた。

 「あれ?今日日食だったか。サングラスとかないかな」

 春弥はそういうとかばんの中をあさり始めた。

 あわてる春弥の様子を見て、菊介はため息をつく。

 「大体日食はサングラスで見ちゃいけないし、第一サングラスは校則で禁止されてるでしょ?一応アクセサリーだしさ」

 「そ、そうだったか。あはは」

 春弥はそういうと照れくさそうに頭をかいてかばんを閉じる。

 しかしそんなテレくさそうな春弥を無視して菊介は空を見上げる。

 「おい!てめー、日食は裸眼でみたらいかんのだぞ!菊介!」

 「いや、これ...日食じゃなさそうだね。ほら」

 そういうと菊介は空をあごで指す。

 春弥はそれを見て空を見上げる。すると、空には何か巨大なものが迫っていた。

 「な、なんだありゃあ...なんか降ってきてるぜ!まずいんじゃねえのか?」

 「そうだね...とにかく逃げた方がよさそうだ」

 菊介はクールにそういう。彼はどんな窮地に立たされても平然とした態度でいることができる。そういう性格なのだ。

 「さすが菊介っていいてえところだがよお。そんなこといってる場合か!?早くにげねえとよお!!」

 春弥はそういって菊介の肩をゆする。しかし反応はない。

 「おい!!!無視してんじゃねえぞコラァ!!!こっち向きやがれ!」

 そういって無理やり菊介を自分の方に振り向かせる。

 すると、菊介の表情は凍りついていた。

 「ははっ...もう無理だって...いや、幻覚かな...だって誰も気づいてないんだぜ...俺らにしか見えていないんだぜ...」

 菊介は不自然に口角を上げ、その場に座り込む。そしてそのまま立ち上がろうとはしなかった。

 そうしているうちに隕石はもう自分たちの目と鼻の先まで近づいていた。

 「は...?なんで...意味わかんねえよ...は...?」

 春弥も同じことしか言わなくなってしまい、その場に座り込む。

 そして隕石が地球に接触しそうになったとき、春弥と菊介は反射的に目を閉じる。

 

 ドゴオオォォォォ...


 轟音が鳴り響いた。

 地球に住んでいる限り絶対に聞けないような轟音。その音を聞いた春弥と菊介は目を開ける。

 しかしそんな音が鳴り響いたとは思えないほど町に被害はない。

 ほとんど、いや、まったくといっていいほど何も変わっていない。

 しかし、周りに自分たち以外に人間はいなかった。

 「あれ...どこだこれ...そうか...さっきの隕石で...死んだのか、俺...」

 春弥はそういうと横を向く。するとそこには菊介の姿があった。

 「あれ...?春弥...これはどういうことなんだ...?ここはさっきと同じところなのか?」

 「ああ...この見覚えがある場所...俺らがいままでいたあの場所...死後の世界なのか?」

 春弥と菊介はそういいながらあたりを見渡す。しかし、人っ子一人いない。

 「死んじまったのかなあ...俺ら...」

 『いや、キミたちは死んでなんかいないよ』

 すると不意に聞き覚えのない声が聞こえた。

 なんだか二重に声が重なって聞こえて、とても気持ち悪い気分に苛まれた。

 「誰だ...?姿を見せやがれ!」

 春弥がそういうと、目の前に不意に男が現れた。

 その男の風貌は、白塗りの仮面に黒いスーツ、そして革靴という奇抜な格好だった。

 『やあ。急に出てきてしまって申し訳ない。えー、オホン。まずひとつ言うと、死んだのはキミたちじゃない。その逆さ。

  今いないように見えるが、キミたち以外周りの人間はすべて死んだ。

  キミたちは選ばれたものなんだ。これから、その選ばれたものしか参加できないゲームを行う』

 「僕たちは死んでない?選ばれたもの?ゲーム?よく分からないね。狂っているのか?こんな状況で...」

 菊介はその男を軽く罵り鼻を鳴らす。

 『狂っている...確かにそうかもしれない。だが落ち着いて聞きなさい。今から行われるゲームは生死をかけたゲームだ。参加者もキミらだけじゃない。
  今、この地球は先ほどの隕石によって崩壊が始まっている。実際ならこんな悠長な話、している場合じゃあないかもしれない。そこで、キミらをこの地球から脱出させようと思う。しかし、その地球から脱出するために使う乗り物の乗車権利は10人しかいない。

  そこで!私はこのゲームを考案した。ルールは簡単。人を20人殺して、そいつらの右耳を持ってこればいい。殺し方は何でもすきにするがいい』

 「フン...そんな話誰が信じるかよ!」

 春弥はそういうと地面につばを吐く。

 『信じないならそれで結構。しかし実際、この地球は崩壊している。それからキミらを救うのが私の役目だ。私はいつでもここにいる。この地球が崩壊する前に早く持ってくるのだ』

 「おいテメエ...常識的に考えてみろよ。全く自分と関係ない人間を殺せと!?この俺にか!??」

 『さっきからそういっている。そうしなければキミらは助からない。まあ、いずれそうしなければいけない状況に陥るだろうがな。
  おっと、ひとつ言い忘れていた。君らの足元を見てほしい』

 男の言葉を聞き、春弥と菊介は地面を見る。すると足元には錠剤のようなものがケースにひとつ入っていた。

 『それは、キミらがどうしても困ったとき、相手を確実にしとめたい時に飲むといい。君たちの助けとなるだろう。それでは、くれぐれも背後に注意しなさい。さらば』

 そういうと男は春弥と菊介の前から忽然と姿を消した。

 「背後に気をつけろだぁ...?まずいま俺ら以外にこの辺に人がいるはずが...」

 春弥がそこまでいうと、不意に後頭部にひんやりとしたものが触れたものを感じた。

 「よお」

 そして野太い声。その声には若干だがうれしさのようなものが感じられた。

 「まず一人。こんな近くで発見できるとはな」

 パァン

 野太い声がそういうと次の瞬間、発砲音が虚空に鳴り響いた。 
 

 
後書き
 今回ここでは初めての投稿となります。

 至らぬ部分も多々ございますが、そこは温かい目で見守ってやってください。

 気になる部分がございましたらアドバイスいただけるとうれしいです。 
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