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魔法少女リリカルなのはStrikerS~青年と機動六課物語~

作者:雪月花
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第3話『昇格試験 3』

 side八神はやて









フェイト「なかなか出てこないけど大丈夫かな?」


 モニターを見ながらフェイトちゃんが心配そうに呟く。すると、一人だけティアナが姿を現した。


はやて「お、出てきた……だけど一人だけ?あとの二人はどないしたんやろ?」


 ティアナ目掛けて大型オートスフィアの攻撃が飛んでくる、避けることもせずそのまま直撃を受けた。


はやて「あ!?直撃!」

フェイト「ううん。違う……あれは多分、囮」

はやて「……っとゆうことは」









 魔法少女リリカルなのはStrikerS~青年と機動六課物語~
 第3話『昇格試験 3』









 sideティアナ・ランスター









ティア「……フェイクシルエット……これ無茶苦茶魔力喰うのよね。まったく、カズマも本当に無茶な作戦立ててくれたわよ…ほんと」








 ~回想~








ティア「……それじゃあ聞かせて貰いましょうか。反則ギリギリの裏技作戦を」

カズマ「ああ。時間が無いから手短にいくぞ。まず、ティアがフェイクシルエットを使って囮になるそしたら多分どこかビルから攻撃が来るはずだ。それを見てスバルが場所を確認他のビルの屋上からウイングロードを使ってそこに突撃……そして破壊」


 確かにこの作戦なら何とかできるかもしれない。


スバル「カズマはどうするの?」


 そうだ、この作戦の中にはカズマの役割が含まれていない。


ティア「そうよ。あんたはどうするのよ?」

カズマ「……心配すんな俺は俺でキチンとやるから。とにかく、お前らはお前らで言った通りに動いてくれ」








 ~回想・了~









ティア「……ホント無茶苦茶よね、あいつは。スバル、聞こえる?」









 sideスバル・ナカジマ









ティア『――――スバル、聞こえる?』

スバル「聞こえてるよ、ティア。後は任せて!」


 ティアの念話に返事をする。


ティア『いい?一撃で決めるのよ。じゃないと三人とも落第なんだから』

スバル「うん!」


 私は、空も飛べないしティアやカズマみたいに遠くまで届く攻撃も無い………出来るのは全力で動く事とクロスレンジの一発だけ…。
だけど、決めたんだ『あの人』みたいに強くなるって。


スバル「ウィング――――」


 なにかを………なにかを守れる自分になるって!!


スバル「ロード!!」










 sideカズマ・キサラギ








 俺は別のビルの屋上からスバルが突撃するのを確認する。


カズマ「さて…そろそろ行きますか」


 そう呟くと地面を蹴って宙を舞う。まあ、俺は陸士なので空を飛べるわけもなくそのまま落下。
 いえ~い!自由落下サイコー♪……って、そんな事言ってる場合じゃないか。


カズマ「……まあ、届くわけないよなぁ。しゃーない、『あれ』を使うか」


 ポケットから小さなカプセルを取り出し上に向けて投げる。さて、久々の登場だ頑張ってくれよ?


カズマ「こい!『スザク』!」


 すると、少ししてから物凄いスピードでボードが飛んでくるので俺はそれを掴んでそのまま上に乗る。


カズマ「よっと」


 そして、スバルが突撃したビルに突っ込む。









 sideスバル・ナカジマ









スバル「くぅ……シールドが堅い。このままじゃ―――」


 見つけたのは良いけどこのままじゃ…。


カズマ「ス~バ~―――」


 なんか声が聞こえたんだけど…それも聞き慣れた声が……まさかね…。


カズマ「ルゥ!!」


 カズマが窓から突っ込んできました。


スバル「え!?ちょっ、カ……カズマ!?」

カズマ「援護しに来たぞ、スバル!」


 そう言って大型オートスフィアに向かって走り出すカズマ。


スバル「ちょ……ちょっと、カズマ!?」

カズマ「いいから黙ってそのまま拳をぶつけてろ!うらぁ!これでもくらえ!」


 カズマは大型オートスフィアのシールドめがけて拳を叩き付ける。すると、シールドがパリーン!っとまるでガラスのように砕け散った。


カズマ「今だ!スバル!!」

スバル「う、うん!」


 カズマに頷いていったん後ろに距離をとって魔力を集中させる。


スバル「一撃必殺!!」


 見よう見まねだけどあの日『あの人』が使っていた技。


スバル「デバイーン――――」


 なのはさん、あなたの必殺技を使わせて貰います!


スバル「バスター!!」









 side八神はやて









はやて「見たか?フェイトちゃん」

フェイト「う……うん」


 私とフェイトちゃんは信じられないといった顔でモニターを凝視している。


はやて「いくらなんでも素手であのシールドを破壊するやなんて……」

フェイト「ううん、違う…。拳にシールドブレイク……ブレイク系の魔法を纏わせたんだ」

はやて「なるほど……でも、それを使ったとしても今の彼の魔力でカートリッジも使わんと破壊はできへん」

フェイト「それだけ強い魔力が彼には眠っているってこと……だね。本人は無意識だろうけど…」









 sideカズマ・キサラギ









スバル「よいしょっと…」

ティア「いたっ!ちょっとスバル!もう少し優しくしなさいよ!」

スバル「ご、ごめん。ティア…」


 大型オートスフィアの撃破後スバルと二人でティアを迎えにきている。スバルがティアをおぶっているが少し雑みたいでティアが文句を言う。
俺は近くの瓦礫に寄りかかりながらその光景をみている。
やれやれ、相変わらずだなこの二人は……。


カズマ「おい、お前らいつまでもジャレてないでそろそろ行くぞ…」


 そう言いながら地面に置いてあるスザクに片足を乗せる。


スバル「うん、それはいいけどカズマはそれを使うの?」

カズマ「いや、さっきので魔力を結構消費してなゴールまで保ちそうにない……なので」


 スザクの先端にワイヤーフックをつけてスバルの腰に巻き付ける。


カズマ「よ~し、レッツゴ~!」

スバル「よ~し―――ってちがーう!!無理だからティアもおぶってカズマも運ぶなんて絶対無理だから!!」


 おお。スバルにしては珍しいノリ突っこみだ。


カズマ「大丈夫だってスザクも完璧に動かなくなったわけじゃないからこっちはこっちで補助するからさ」

スバル「うぅぅ~」

ティア「あんた達いい加減にしなさいよ!時間が無いって言ってるでしょ!!」









◇◇◇◇◇









 sideティアナ・ランスター









スバル「ティア、あと何秒?」

ティア「あと16秒!まだ、間に合う!」


 そうスバルに言って最後のターゲットを破壊する。


スバル「よーし!魔力全開!!」


 グンッとスバルが思いっきりスピードを上げる。ちょっと、これって大丈夫なの!?


ティア「ちょっと、スバル!あんた後の事考えてるんでしょうね!」

スバル「へ?!」


 なによその間の抜けた反応は!!その間もグングンとゴールに近づいていく。


スバル「うわぁ」

ティア「うそぉ」

カズマ「なんかヤバげだな」


 ならなんとかしなさいよ、カズマ!!


スバル&ティア「うわあああああ!!!」









 sideカズマ・キサラギ









カズマ「…あいつ等、生きてるかなぁ…?」


 俺は残り一秒でゴールラインを通過して正面を見据える。そこには、まだに煙が立ちこめていて確認が難しい。


カズマ「ワイヤー…切っておいて正解だったな…」


 ヤバイと感じた俺はあいつ等には悪いが途中でワイヤーをスバルから切り離した。
ちなみに、それに気がついたティアが念話で『後で覚えておきなさいよ!』とか言ってたけどあえて聞いていなかった事にしよう…。 
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