MS Operative Theory
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マグネット・コーティングとサイコミュ・システム③
前書き
今回は今までで一番の長さです。
——感応波とミノフスキー通信——
ほとんどの無線通信やレーダー波が無効化されてしまうミノフスキー粒子の影響下において、唯一といっていい無線通信手段がミノフスキー通信である。しかし、通常ではミノフスキー通信は不安定かつ短距離の通信しか行えないものであった。
しかし、ニュータイプが発する感応波は、ミノフスキー通信を安定させるため、長距離の送受信が可能となった。サイコミュとは、感応波を受信し、機械語に翻訳する装置の総称である。
■サイコミュの効果と特徴
サイコミュは、機体や有線⁄無線式攻撃端末の制御だけでなく、パイロットの認識力や空間把握能力の増大にも貢献している。
サイコミュ搭載機は、レーダー網の様にミノフスキー通信の有効エリアを持っており(これはパイロットであるニュータイプの認識エリアが拡大されたものと考えられる)、そこに敵機が侵入した場合、その位置を正確に特定できるという。これは、サイコミュが敵パイロットの感応波を補足するためと考えられる。
◆サイコミュの特徴
①MSやMAの制御機能
サイコミュ搭載機のコックピットには、サイコミュ・コネクターが搭載されているため、施行による機体の制御が可能であった。
また外部から制御できた機体もあったといわれる。これは、パイロットが何らかの方法でサイコミュの送受信を行ったためと思われる。
②サイコミュ制御式攻撃端末
オールレンジ攻撃を行うファンネル(核融合炉搭載型がビット、非搭載型がファンネルと呼ばれる)や有線ビーム砲は「サイコミュ制御式攻撃端末」と呼ばれる。
また、ファンネルなどにもミノフスキー通信を送受信するサイコミュ・アンテナが搭載されているため、単にサイコミュと呼ばれることもある。これらの攻撃端末は、サイコミュ・システムの一部なのである。
——サイコミュを介した機体と攻撃端末の制御——
サイコミュを介したミノフスキー通信では、パイロットとマシンの間に送受信される情報量が多く、通信速度も極めて速い。これはパイロットの考えたことが、機械的に翻訳されてマシンに伝わるためである。これを一歩推し進めれば、MSやMAを施行で制御できるようになる。
この考えは、人とマシンの一体化を意味しており、操縦桿やペダルを用いた通常の操作とは、比較にならないほどの反応速度が得られることを示している。また、送受信量の多さから、乗機以外の軌道式攻撃端末の制御も可能で、MAN-08(ブラウ・ブロ)の様に複数の有線ビーム砲を装備する機体が出現した。
つまり、サイコミュは乗機と「有線式攻撃機」の同時操作を可能としたのである。更にこの攻撃端末は「有線式」から「無線式」に進化し、「無線式攻撃機」ビットを搭載したMAN-08(エルメス)や、ビットを小型化したファンネルを装備するAMX-004(キュベレイ)が開発された。この段階でようやく、真の意味での「ミノフスキー通信」を利用したサイコミュが完成したのである。
■サイコミュ・システムの発展と細分化
サイコミュとは「感応波を使用した操縦システム」であることは前述したとおりである。これはサイコミュ全般に通じる共通項であり、これ以外のサイコミュは確認されていない。
サイコミュの分類としては、機体制御系と武装系の二つに分けられる。更にこの中でもニュータイプ用のサイコミュと、一般人でも使用可能な準サイコミュ(有線式であることが多い)に細分化される。また、武装系サイコミュは、機体制御系からの派生と考えられる。
●サイコミュ・システム MSN-02(ジオング)
感応波を受信し、電気的に翻訳した機体や攻撃端末を制御するサイコミュが誕生。当時はサイコミュの小型化が困難であったため、搭載機は大型にならざるを得なかった。
●武装系サイコミュ AMX-004(キュベレイ) MSN-03(ヤクト・ドーガ)
ファンネルやビット、有線ビーム砲などを制御するサイコミュ。公国軍系MSに多く、グリプス戦役以降になって、通常サイズのMSにも搭載可能なまでに小型化させた。
●準サイコミュ① AXM-014(ドーベン・ウルフ)
一般人用の擬似サイコミュ制御式兵器。比較的弱い感応波でも制御可能な有線ビーム砲をベースに、一般人でも操作できるインコムやハンド・ビームなどを実用化した。
●機体制御系サイコミュ NRX-055(バウンド・ドッグ) NRX-009(サイコ・ガンダム)
機体の操作を目的としたサイコミュ。武装系サイコミュを搭載する機体も、機体制御にサイコミュを取り入れている。サイコミュを機体制御のみに使っている機体は、グリプス戦役期に開発された強化人間用TMAに多い。
●準サイコミュ② MSZ-006(Zガンダム)
バイオ・センサーに代表される機体制御用の準サイコミュ。一般人にも対応しているが、ニュータイプが捜査した場合、共振現象を起こすことがある。グリプス戦役期から第1次ネオ・ジオン戦争期の高級機に搭載された。
●多機能型サイコミュ RX-93(νガンダム) MSN-04(サザビー)
「サイコ・フレーム」と呼ばれる金属粒子サイズの超小型サイコミュを鋳込んだ構造材を使用している。これをコックピット周囲の構造材として使用することで、従来のサイコミュを上回る総合性能を発揮する。
●MCA構造 F91(ガンダムF91)
サイコ・フレームから発展したと思われる多機能装甲。装甲や構造材、伝送機器などが融合した新世代装甲である。サイコミュとしての機能は持たないと考えられる。
●不明 KMA-04(ラフレシア) ZMT-S34S(リグ・コンティオ)
パイロットと機体を「感覚的に一体化」するバイオ・センサーや、原理不明の無線制御式兵器など、サイコミュに近い特性を持つが、その系統は不明とされる。なお、これらの機体はU.C.0100年代以降に出現している。
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