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高校生なんです。(仮)

作者:大沢正
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 高校生になって三度目の春。僕はいつの間にか高校三年生になっていた。730日間の日々の事なんて昨日のことのようにあっという間だった。
 今日は、その初日。2週間弱というさほど長い春休みではなかったが、久しぶりの学校に自然とクラスは賑やかだった。
先生の「ほら、お前ら始業式だぞ。」という掛け声とともに、ぞろぞろと教室をあとに体育館へと向かう。僕を含めほとんどの男子は乗り気でなく先生に叱られながら向かった。約1000人の生徒がバスケットボールのコート一つ分の体育館に集まる。2、3人で行われるヒソヒソ話もこの人数となると校長の声も上手く聞き取れないほどに騒々しい。
「静かに話を聞きなさい。」
生徒指導の先生の声や学級委員の怒号が飛び交っている。うるさすぎて話が中断することもあった。校長先生のどうでもいい話を立ったまま延々と聞いている、ましてや無駄な中断によってこの無意味な時間が経っていくことに耐えきれなかった僕は、注意する先生、うるさい生徒双方に対して徐々にいらだちを覚えていた。
 すると同じクラスで友人のダイキが、
「おい、大沢」
僕は小学校のころから特にこれといったニックネームなどはなく苗字でそのまま「大塚」と呼ばれていた。僕自身も「大沢」以外で呼ばれるのは何か気持ちが悪いと感じていたし、気づけばずっと大沢だった。
ダイキは言葉を続けた。
「かわいい子いるかもしれないぞ~。」
気づけばもう新入生の入場が行われていた。
 
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