ワンピース -炎とゴムの姉は虫(バグ)-
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鬼教官と呼ばないで 3
皆様どうも。 最近、『笑顔がいいね』と言われてちょっと嬉しい、モンキー・D・アモスです。 私に笑顔がいいねと声をかけてくださった方は残念ながら、ちょっと強面のうちのじいちゃんから2、3発の拳骨を受けたことにより、いなくなりました。 よし、じじい、何を笑顔でサムズアップしてやがる!! もうあれだ、『じいちゃん』とか『じじい』とか呼んでやらん。
なにこっちを泣きそうな顔で見てるんですか? ガープさん。 『ヲロロロロォン。 アムォスちゃぁぁぁぁぁん。 わしが悪かったから、いつものようにじいちゃんと呼んでくれぃ』だって?
……嫌ですよ、ガープさん♪
あ、それと、今は新兵訓練中なので、訓練場から出て行ってくださいねぇ。
え~、ガープさんがなぜかいましたが、新兵のみなさんは気にしないでくださいね。 と、言うより皆さんへばってしまって誰も気にしていませんねぇ。
今日は3時間かけてコースを二周しましたからね。 初日は毎年同じような光景なので見慣れたものです。 では、皆さん30分の休憩の後、格闘訓練がありますので、ちゃんと体を休めておくように。
スポーツヲーターを飲むのもオススメです。 体力回復、疲労回復など、様々な効果がありますので。 あぁ、そんなにみんな急いで飲まなくても……。
ま、いいでしょう。 では、30分後、朝の集合位置に来てください。
ふぅ、この走り込みでここまでへばられるのはしんどいですね。 ま、なぜか毎年この走り込みのあとは妙に聞き分けがよくなるからいいのですが。
そうだ、それよりもこの、アモス特製『毒鱗粉スポーツヲーター』について語っておきましょう。 なぜかお問い合わせがたくさんありました(←そんなものはない)ので、仕方なくお教えいたします。 他言無用ですよ?
えっと、このスポーツヲーターは大方の予想のとおり、私の毒鱗粉をとかして作ってある水です。 毒といってもいろんな種類があるということはどこかのタイミングでお話したようなしなかったような……。 そういった類の毒をとかしてありますので、人体には全く影響はありません。
主に、体力回復、疲労回復。
……。
……。
……したように感じられる優れもの。
ええ、そうです。 所詮毒に体力回復効果なんてありません。 あれを飲むと、なんとなく元気が出たように感じ、今までの疲れが吹き飛んだように感じられるのです。 所謂、まやかしですね。 しかし、その効果はすごく、24時間だって戦えます。
なんだか評判が悪そうですね、しかし、悪い効果ばかりではありません、寝る前に飲めば、超回復を寝ている間におこしますので、翌日にはすべての能力値が跳ね上がり、さらには疲労は完全に解消、体力も完全回復と素晴らしいものなのです!!!
今なら2リットルで1980ベリー。 ご要望の方は、海軍本部電伝虫までご連絡下さい。
あ、あまり需要はないと思いますが、一応副次的な効能も上げておきましょう。
え~、主な成分のほかには、頭痛、腹痛、下痢などの症状改善、二日酔いの改善、火傷の治療、虫歯、悪玉コレステロールの抑制、各種裂傷の治療、死者蘇生などなど。
特にあげる必要のない項目ばかりなので参考程度でお願いします。
さて、これで『スポーツヲーター』についてはご理解いただけたと思います。
おっと、そろそろ30分立ちますので、格闘訓練の時間です。 では、行ってきます。
時間がかかるのでここからはダイジェストですが、
・格闘訓練
なぜか重傷は負わないが派手に吹き飛ぶ拳骨をお見舞いしまくり、全員白目を剥き気絶。 しかし、スポーツヲーターにて強制的に覚醒。 空を飛ぶ恐怖を味わったため逃げ腰になってしまった新人たちに笑顔を振りまいて、怖くなさをアピール。
→うまく空を飛ぶ恐怖を克服させることができたようで、みんな進んで訓練に参加してくれました。
・座学
スポーツヲーターの効力が切れ、みんな体に痛みがフィードバック。 しかし、座学は進む。 途中、居眠りをしても、特におとがめはなしなので、みんな夢の中へ。 しかし、成績が悪ければ容赦はしないのでそのつもりで……。 初日に階級の暗記と将官以上の方達の名前を暗記し、それを暗唱。 なかなか覚えられない方もいますので、笑顔で励ましの言葉をかけてあげる。
→励ましが効果てきめんのようです。
・昼食
みんなで一緒に取るのが基本なので、みんな一緒に取ります。 初日は簡単に海軍カレーを作りました。 作ったのは私です。
→評判がいいみたいです。 よかったぁ……。
・射撃訓練
的を撃つべし!!!!!
→的を撃つべし!!!!!
・操船訓練
目玉イベントでもあります。 基本的な操船技術は訓練校などで学んでいますので問題はなしです。 なので、100名の新人を4組(1組25名)に分け、それぞれに軍船を一隻ずつ与えます。 そして、訓練所がある島から隣接する島まで行って帰ってくるレースを行います。 監督として教官が一人乗りますが、海に落ちたり、不足の事態が起こった場合の対処として配置しているだけですので、船の操舵や航路などには一切口出ししません。 また、25人は教官側で勝手に決めた人選なので、各自お互いの能力を把握することから始めなければいけません。 人と関わるのが苦手な方にはおすすめできない訓練となっております。
→結果、うまくいきました。 高波に一瞬さらわれると言った事件が発生した程度で、特に問題はありませんでした。
・宿にて
どこぞの高級ホテルか!? と思うほど豪華な宿です。 食事は昼食と同じでみんなで一緒に。
夕食後、お風呂に入り少し談笑して就寝。 大部屋に雑魚寝となっております。 もちろん、教官も一緒に雑魚寝です。 明日に対する注意事項を連絡して就寝。
→二日目朝、男性海兵が何人かもう倦怠感maxな顔で一日を過ごすハメになっていた。 彼らは飲まなかったのだろう。 何をとは言わない。
とまぁ、こんな感じで訓練は進んでいくわけです。
あ、宿ではお風呂の覗きイベント等、定番のイベントは起きていません。 というより、起きたらえらいことですからね……。 多分、サカズキさんあたりの溶岩でも降ってくるんじゃないでしょうか? それと、お風呂や就寝は流石に男女別ですよ? 今回は20人ほど新人女性海兵がいましたので、みんな仲良く雑魚寝させてもらいました。 まぁ、なぜか毎年皆さんに少し距離を取って寝られるんですけどね……。 二日目以降は大丈夫なんですけど、初日は……、何故!?
と、見ていただいたわけですが、どうです? 私すごく普通の教官でしたよね? 一切、鬼なんて似合わないぐらいの教官ですよね? え? 鬼じゃなくて悪魔? いやいや、それ何十回か前の転生先である、管理局のかたですよ。 『ツインテールの悪魔』と呼ばれた、ご家族が戦闘民族のあの方ですって。 私はいたってノーマルですよ。
こうして、今年も新人海兵の狂化合宿は終了した。
例年よりは少ないが、今年も半分以上の訓練生が訓練に耐え切れずに脱落。 しかし、訓練をやり遂げた残りの海兵達には不思議な連帯感が生まれていた。 後日、彼らからもたらされた報告は、毎年目にする報告とほぼ同じ内容であり、報告書を読んだセンゴク元帥は、それはそれは深い深~いタメ息をついたそうである。
いくつか感想をピックアップしたので目を通していただこう。
『あの笑顔に比べれば、4メートルを超えるジャイアントライオンがぬいぐるみに見えるほどでした』
『金剛石を貫通するパンチ力ってどれほどなのでしょうか?』
『もうだめだ……。 と思ったら、もう遅い。 振り向けば笑顔有り』
『自分が強くなっていくのが目に見えてわかる素晴らしい訓練でした。 あれ、嬉し涙でもじg……』
ある中将の知らぬところで、どんどん強化されていく。 何がとは言わない。
その本人は、次の任務のため、笑顔で船に乗っていた。
なんでも、王国で内乱だそうで。
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