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圧倒的究極神が世界を旅するそうです ハイスクールD×D編

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旧校舎のディアボロス
  第一話

 
前書き
書き直しました。 

 
「…お前達、何をしている?」

一誠は困惑していた。始業式から幾日か経ち、後輩も増え新しいクラスにも慣れ始めてきた頃。

教室に入った瞬間、一誠の目の前には恥も外聞もなく土下座をしている男たちがいる。

シルマがこの場にいなくてよかった、そう思う一誠だった。

周囲の目が痛い。男子からは敵意の目、女子からは同情の目が向けられている。

「イッセー、頼みがある!」

「そうだ、同士イッセーにしかできない頼みがあるんだ!」

何人もの野郎どもが同意だと言わんばかりに首を縦に振る。

先に言葉を発したのが松田、一誠を同士扱いしたのが元浜である。

松田は、見た目はスポーツに打ち込んでいそうな青年であるが、中身はただの変態だ。

元浜は眼鏡を掛けていて賢そうに見えるがこちらも中身は変態である。特技は女性のスリーサイズを一瞬で測ること。

なんだかんだ言って一誠と二人は、中学時代からの付き合いである。

「…同士になった覚えはないが、一応その頼みとやらを聞こうか?」

一誠は面倒だと言わんばかりに表情を浮かべている。

「イッセー、俺たちがなぜこの駒王学園を受験したのかわかるか?」

「わかるわけないだろう」

「ハーレムを作るためだ!」

松田の質問に一誠が呆れながら答えると、元浜が聞いちゃいないと話を進めた。

「駒王学園は共学になってからまだ日が浅い。男子生徒だってクラスに4、5人ほどしかいない。

 そして海外からの美人留学生も多数!」

「そのため、男子は希少! 俺たちにも春が訪れる確率が上がる!」

「「だというのに…」」

言葉を揃えて区切り、一誠を睨む。先ほど土下座していた男子も一誠を睨む。

「「「「この違いはなんだ!!!」」」」

涙を滝のように流し、一誠に詰め寄った。その異常な様子に一誠も流石に引き気味だった。

「お前は学園二大ロリである霞ちゃんと白音ちゃんの兄であり!」

「駒王学園美人教師ランキング(独自調査)、ダントツの一位である紅音先生とも姉弟で!」

「学園三大お姉さまの一人である、黒歌お姉さまとも姉弟で!」

「それだけに飽き足らず、美人留学生シルマちゃんと一つ屋根の下で暮らしていて!」

「生徒会長である支取蒼那先輩にも顔が利いて!」

「それに学園三大お姉さまであるリアス・グレモリー先輩や姫島朱乃先輩とも仲が良いだと!?」

「「俺たちといったいなにが違うというんだ!?」」

「…で言いたいことはそれだけか?」

自分達に女が寄ってこないのに、同士である一誠のところばかりに、美女美少女がよってくるのはおかしいと言っている。

正直言って年頃の少女たちがエロ本やエロゲー、エロDVDを教室で堂々と出したりするやつらのところに近づくわけがない。

そこに気づくのは、いつになるのやら。

一誠は心底呆れながら、代表して二人に続きを促す。

「「「誰でもいいから女の子の連絡先を教えてください!」」」

松田と元浜、以下数名の野郎どもが土下座をして頼み込んできた。

「却下だ」

「そこをなんとか!?」

一誠は即却下した。食い下がってくる奴もいたが当然拒否である。

押し問答をしていたら一誠は背中に衝撃を感じた。

「ねえねえ、いっくん何の話をしているの?」

シルマだ。男子達の目標が一誠からシルマにチェンジする。

「シルマちゃん、誰か女の子のアドレス教えてください!」

「いつ見てもすごい! 上から9ぶほっ?!」

「変態は黙っていろ」

一誠は変なことを口走った元浜を即座に地面に叩きつけた。

「ごめんね~、勝手に教えちゃいけないんだ」

シルマの答えにがっかりと男子達は肩を落とした。

幾分か経ち、担任である紅音がホームルームを始める為に教室にやってきて点呼をとり始めた。











「一誠君、準備はいいかい?」

そう宣うのは、学園で爽やか系イケメンと評される、木場祐斗だ。

ちなみに、一誠は魔王系男子と呼ばれ、学園の二大イケメンと呼ばれている。

魔王系男子ってなんだ?と思うが、一誠もよくわかっていない。

今は、他のクラスとの合同体育の時間であり、種目は剣道である。

一誠は木場と、1年の時から、合同体育の時にペアを組んでもらっている。

調節できるとは言え、ステータスが化物な一誠と、一般人が勝負になるはずがない。

体育とはいえ、勝負事で負けるのは嫌なため、そこそこ実力を出してもいい人間とペアを組んだ。

それが、目の前にいる人間とは少し違う感じのする”女”である、木場祐斗だ。

(認識阻害か、幻術を彼、いや彼女は常に自分に掛けている。もしくは掛けてもらっている)

一誠はそれを見抜いていた。

それによって、周りの人間は、彼が男であると思っているし、疑いを持っていない。

但し、それは何も知らない一般人の話。

一誠には、高すぎる魔法抵抗とコンディションスキルのおかげで、幻術や認識阻害が一切効かない。

なぜ、そんなことをしているのかは、一誠にはわからない。だが、今は

「もちろんだ」

この試合に集中する。

「始め!!」

審判をしている紅音から開始の合図が出る。

「はぁっ!」

開始の合図と共に、木場が近づき、上段から竹刀を振り下ろしてくる。

「ふっ!」

一誠は、それを受け止め、鍔迫り合いに持ち込む。

木場は、鍔迫り合いの状況を打破するべく、距離を取ろうとするが一誠がそれをさせない。

木場は、認識阻害で男の姿に見えるが、実際は女の子であるわけで、いくら人ならざる存在であっても力勝負では人外の一誠には勝てない。

一誠は木場が下がろうとした瞬間、一気に力を込め、鍔迫り合いから抜け出そうとしている木場のバランスを崩させる。

後ろに下がろうとしている時に、前から思いっきり押されるとどうなるか。

木場は下がろうと後ろに重心を移動させていて、それを一誠が突き飛ばした感じになった。

結果、木場はバランスを崩し、尻餅をついてしまった。

「面」

パシっと軽く、防具をつけている頭を竹刀で軽く叩く。

「一本、勝者、兵藤一誠!」

審判である紅音が終了の合図を出す。

「大丈夫か、木場?」

一誠は尻餅をついてしまった木場に手を差し出す。

「ありがとう、一誠君」

木場はその手を掴む。一誠は木場の手を引いて立たせた。

防具をつけていてわかりにくいが木場の顔が少し赤い。

「やっぱり強いね、一誠君は。僕、少しは剣道に自信があったんだけど、一回も勝てたことがないよ」

木場は照れているかと思ったら、今度は少し落ち込んだ。

一誠は身につけている防具を外しつつ、木場に助言を送る。

「いや、木場だって強い。ただ鍔迫り合いに持ち込んだのは間違いだ。

 俺の方が筋力があるから、さっきみたいに崩される」

「ありがとう、ふふ、やっぱり一誠君は頼りになるね。クラスの女の子達が言っている意味がわかった気がするよ」

頭の防具を外した木場が、はにかみつつ一誠にお礼を言った。

認識阻害が効かない一誠からは、金髪の美少女がはにかんでいるようにしか見えない。

だが、一般人は認識阻害のせいで、木場が男だと認識している。

「きゃあああああ!!やっぱり一誠様と木場きゅんはそういう関係なの!?」

「こ、これは魔王に食べられるイケメン騎士が来た…ぐふ!?」

「これは薄い本が厚くなるわ、夏に向けて準備しないと!」

腐った女の子達に餌を与えてしまったようだ。

一誠がその場で目を手で覆い天井を仰いでいると、木場が心配そうに声をかけてきた。

さらに、腐った女の子達が興奮しだした。

(勘弁してくれ。それと木場。お前俺と話してると、時々自分に認識阻害をかけていること忘れてないか)

思ったことを叫ぶわけには行かず、一誠は心の中で叫ぶのだった。






授業が終わり、一誠は騒いでいた女子達を沈静化させ、からかってきた男子を地面にキスをさせて静かにさせた。

その後も授業は滞りなく進み、昼休みになり、昼の時間となった。

1年の階から来た白音と霞、3年の階から来た黒歌、それとシルマと一緒に昼食をとった。

白音と霞が2年の教室に来た時に松田と元浜、他数名の野郎が性懲りもなく連絡先を聞いては撃沈していた。

いつもなら、ここに紅音やリアス、朱乃と蒼那もいるのだが各々用事があり、今日は5人でのお昼となった。

屋上で5人でのんびりと昼食をとり、休憩をしていたら休み時間が終わってしまった。

教室に戻り、授業の準備をする。科目は英語。

一誠は転生者である。先生には悪いが、2度目の人生で効率よく勉強しているから、高校の科目なら大体できる。

適度に聞き流し、午後の授業を終えるのだった。

帰りの支度をしていると、霞と黒歌からメールが来ていた。

『我、白音と買い物に行く。夕ご飯の前には帰る』

『部活で助っ人を頼まれちゃったにゃ。悪いけど先に帰っていて欲しいのにゃ』

携帯をしまい帰り支度をしながらシルマの方を見てみると友人たちと話をしていた。

一誠の視線に気づいたのか、一誠の元にやって来る。

「ごめんねいっくん、今日は皆とお買いものに行くことになったんだ」

「わかった、夕飯はどうする? 必要ならその分も渡しておくが」

「夕飯までには帰るね。それとお金はこの間のボーナスがあるから大丈夫だよ」

それじゃあ行こっかというシルマとその友人を見送った一誠は、自分も友人と出かけようと思い松田と元浜を探したが教室にはいなかった。

「松田君と元浜君なら、新作がどうのとか言って授業終わってすぐ帰っちゃったよ」

隣の女子生徒に聞くと松田と元浜は既に帰っていない。

今日は本当に珍しく、一誠は一人で家に帰ることになった。

校門を出てすぐに他校の制服を着た、黒髪の少女から話しかけられた。

「あの…駒王学園の兵藤一誠さん…で合ってますか?」

「そうだが、何か用か?」」

(この娘、人間とは違う感じだ。木場とも違う別の感覚)

顔を少し赤く染め、一誠をちらりと伺う。

鞄を体の前で両手で持っている為、胸が強調され、スタイルの良さがわかる。

あの、その、と言い出そうとしているが言葉にできていない。

「落ち着いて、ゆっくり深呼吸をするといい」

一誠の指示に従い、少女は深く息を吸い、ゆっくりと吐き出した。

少女は一誠に背を向け一度目を瞑り、よしっと自らに喝を入れ再び一誠と向き合った。

「私と、付き合ってもらえませんか、兵藤くん!」

物語の開幕を意味する、その一言が少女の口から発せられた。

はずだった。

一誠は転生者、それも憑依という形でシルマが作り出したこの世界に来た。

だが肝心の原作はほんの少しかじった程度でしかない。

その原作知識も16年という歳月で、既に風前の灯火である。

だから、木場が”祐斗”ではなく”祐奈”であることに違和感を抱かない。

既に原作のメインキャラクター達と接触どころかあと一息というくらいに仲もいい。

声をかけてきた少女が、多少人とは違っても気にならない。

「少し、話をしないか?」

物語は本来とは違う開幕を迎えるのだった。














とある部屋に4人の人影があった。

二人は向かい合うように座り、二人は後ろに控えている。

「リアス、用件は何かしら?」

「これを見てちょうだい。朱乃、蒼那に渡して」

向かい合って座っていたのは駒王学園3年の支取蒼那とリアス・グレモリー。

リアスの後ろに控えていたのが3年姫島朱乃と2年の木場祐奈である。

彼女達には共通点があった。

それは悪魔であること。

朱乃と祐奈はリアスの眷属である。

支取蒼那と名乗っているが本名はソーナ・シトリーである。

ソーナとリアスは冥界、悪魔の世界では名家のお嬢様であり、更にグレモリーとシトリーは魔王を輩出している。

「ありがとう」

蒼那は朱乃から渡されたものに目を通す。

渡されたものは5枚の写真と数枚の名前が書かれたリストだった。

若い3人の女性と壮年の1人の男性、神父服をきた少年が1人ずつ写っていた。

そして3人の女性と壮年の男性には人間にはないものがあった。

背中に羽が生えている。それも黒い鴉のような羽が。

「堕天使…、この写真はどこから?」

「それは私が説明させていただきます」

リアスの後ろに控えていた朱乃が前にでる。

「昨日、父であるバラキエルを通じ、『神を見張る(グリゴリ)』からそれが送られてきました。

 数日前に堕天使数名とその部下数十名が姿を消しました。

 何を企んでるかはわかりませんがつい先日、堕天使と思わしき反応がこの街で確認されました」

「ならこの神父服を着た少年は?」

蒼那は1人だけ人間の、神父服を着た男性について朱乃に尋ねた。

「少年の名はフリード・セルゼン。天才悪魔祓い(エクソシスト)といわれヴァチカンの組織に所属していましたが、

 必要もなく命を奪い、悪魔と関わりがあるとしれば民間人ですら、手に掛けるやり方故にヴァチカンを追われ、

 グリゴリでもそれが治るどころか更にひどくなり、追放寸前だったと父から聞いています」

その説明を聴いてソーナは慌てだした。

「まずいわよ、リアス。こんなのが街にいるなんて」

「ええ、私もわかってる。だからこそソーナにも知らせたし、祐奈にも色々頑張ってもらっているわ」

「部長その件で少しお話があります」

今度は祐奈が前にでる。

「祐奈、何かしら?」

「此処二、三日の間にこの学校周辺で悪魔とは違う魔力反応が確認されます」

「この周辺で? 悪魔が管理する街に許可なく踏み込んだ上に、好き勝手行動するなんて、戦争でも起こすつもりなのかしら」

まったく頭が痛いわ、そう言いリアスは朱乃が用意した紅茶に口をつけた。
 
 

 
後書き
うちの主人公は、敵が強くてもびびりません、退きません、屈しません。

ヒロインに関しても欲しいものは手に入れるの精神なのでどんどん口説きます。

鈍感とも程遠く、熱血主人公でもありません。口先だけ甘いことを抜かすようなこともありません。

欲しいものは手に入れる、強い敵が出てくれば戦いたがる、そんな主人公です。 
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