Le monde brûlé.
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Mythologie et l'histoire et la legende
『...それはどれだけ昔かも分からない、とてもとても古い物語...。』
ここ、ビフレスト島には最初は人はいなかった。
そこに雲がやってきて、その雲は何一つない原初の島に雷を落とした。
雷の落ちた場所に、一本の苗木が生まれた。
その木は何万年という時間を経て、天界まで伸びた。
しかしあまりに成長しすぎた木は、自分の体重を支えきることができずに倒れた。
その頃、倒れた木の先端のあたりにも小さな島があった。
倒れた木はその島に苗木を委ね、枯れた。
苗木は最初の木とおなじように育ち、そしてまた倒れた。
しかし今度は倒れた所に島はなかった。
倒れた木はそのまままっすぐ枝を伸ばし続け、ついにもう1つの島へとたどり着いた。
そして木はその島に苗木を委ね、枯れた。
その島でも苗木は同じように育ち、同じように倒れた。
倒れたその先はビフレスト島の最初の木の根のあったところ。
こうして、3つの島は結ばれた。
それから何億年と過ぎ、天空でこの様子を見ていた者が地上に生命を与えた。
地上に創られた生命は自然に守られ育ち、考えるようになった。
陸についての知識を得たその者は、2番目の島に住み、子供を創った。
そして子供に自分の持つ知恵を分け与え、死んだ。
おなじ頃、天空でこの様子を見ていた別の者が別の場所にまた生命を与えた。
そこに創られた生命も自然に守られ育ち、考えるようになった。
海についての知識を得たその者は、3番目の島に住み、子供を創った。
そして子供に自分の持つ知恵を分け与え、死んだ。
しかし原初の島、ビフレスト島に生命を与える者はいなかった。
2番目と3番目の島は、最初の生命とその子供達の手によって開発され、領土を広げた。
だが両方の島が接触するほどの近さまで領土を広げたとき、2つの島の間で戦争が起こった。
天空の者達はこの状況をいけないと思い、2つの島を離し、間に強い海流を作った。
そのおかげで2国は海流に抗う技術を作るのも無駄だと思い、自分達の島の中だけで開発を進めた。
あるときどちらかの国の夫婦が海流に飲まれた。
彼らはそのままビフレスト島に漂流した。
そこには彼らの持っていた文明などというものはなく、自然そのものだった。
しかし生きなければならない。彼らはその島の開拓を始めた。
そしてその様子を島中の石に刻んだ。
しかしあるとき、細かい石に刻むことの効率の悪さに気づき、大きな石を探し始めた。
そして彼らが見つけたのは海岸沿いにあった洞窟だった。
彼らはそこの壁に文字や絵で生活の様子を書き表した。
子供や自分達が死んだ後に漂流した者にここの歴史を伝えるために。
彼らの間には子供が4人生まれ、それぞれ健康に育っていった。
長い時が経って、夫婦が洞窟に文字を刻んでいるとき、何かの拍子に突然起こった大津波が彼らを飲み込んだ。
当然夫婦は洞窟で死んだ。
取り残された子供達は、帰らない両親が心配になって島中を探し回った。
そして洞窟で両親の死体を見つけたとき、そこに墓を作ろうとしたがあまりに硬く、仕方がなくその直上に墓を作った。
そして何者も近づけないよう、そこに石の壁を作った。
そしてこう刻んだ。
「入るな、触れるな、近づくな」
子供達はさらに子供を作り、島は次第に人が増えていった。
その子供達が死んだとき、彼らは光を放ち、その光は両親の眠る石の壁で守られた場所に集った。
光は散乱し、壁を覆うようにして消えた。
それ以降、何者も壁に近づかず、存在にすら気づかないようになっていた。
数々の植物が取り囲むようにして生い茂り、いつか近づくと死ぬという噂すら立つようになった。
そして後世に語り継がれず、この島の歴史というものすら一部の人間の知るのみとなった。
しかし夫婦は、この島で生まれ育った子達のために言葉を残した。
「今、君達は檻の中にいる。
しかしそこはまた檻の外でもある。
これは哲学か、はたまた気狂いの戯言か。
何にせよ『矛盾している』と人は言うだろう。
しかしよく考えてみろ。
君達がもっとも高度な種であるという証拠はどこにもない。
培地で培養される細菌は外界のことを知らずに生まれ、育ち、そして死滅する。
最初のある一部の者達以外は、培地以外の世界があることを知らない。
そして彼らは自分達が自分達の力のみでそこを開拓し、自分達がその世界でもっとも優れた種であると思い込む。
だが実際は何かが彼らを管理し、彼らの生死は何かの一瞬の思いつきが左右している。
もしその何かが滅菌処理でもすれば、彼らなど一瞬で消え去るのである。
la vie d'etre humain est trop fragile pour dominer le monde.
これを聞いたとき、君達が何を思い、どう動くか。私は楽しみにして見守っているよ。」
しかし今の今まで、この言葉を知るものはほぼいない。
何故か?
それは簡単な話だ。
知ったもののほとんどが.....
――――死んでいるからさ―――――
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