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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  ~無形物を統べるもの~

作者:biwanosin
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SUN SYNCHRONOUS ORBIT in VAMPIRE KING ④

一輝は全速力で飛ばし、鳴央たちと合流した。
それは前線で、他にもサラや飛鳥、ペストもいたので、そちらに作戦を聞く。

「手が空いたから合流したが、何か出来ることはあるか?」
「そうね。じゃあそこの人たちと一緒に邪魔な巨人を倒してもらえる?
 私が“バロールの死眼”を抑えるのに邪魔なのよ、あれ。」
「武器が心配になってくるけど、了解。」

スレイブは黒ウサギと行動しているため、今近くにはいない。
水などか日本刀を使うしかないだろう。

一輝はメイドたちの方を向き、作戦を伝える。

「まず、ヤシロちゃんは火でも雹でもいいからここから殲滅。」
「はーい!」
「音央は誰か危険そうな人、巨人の攻撃に気づいていない人を茨で助ける。」
「ええ!」
「鳴央は、向こうが撃ってくるであろう雷撃を防ぐ。これは俺もやるから。」
「分かりました!」
「あと、俺はあの死の恩恵を自分の周り限定で抑えれるから、直接行くので、俺に攻撃が当たらないようにしてください。お札使いながら水使って、さらに別の攻撃をよけるとか、無理です。」

急に口調が変わった一輝に、三人は笑い出していい感じに肩の力が抜ける。

「準備できたぞ。」
「そう。なら一瞬でいいから、私が“バロールの死眼”に手を伸ばせるだけの道を作って。」
「OK!行くぞ!」
「ええ!―――突き破りなさい、ディーン!」
「DEEEEEEeeeEEEEEEEN!!!」

一輝が黒い光の渦に突っ込み巨人を切り刻み、ディーンがそこに突進をかけ、道を開く。

どうせなら、一輝がお札で一気に喰らい尽くせばいいのだが、スレイブの件で使いすぎて残量がほとんどないのだ。

「 La grand’etoille par sept jours brulera,(巨星が七日間燃え続け)
  Nuee fera deux soleils apparoir:(雲が二重の太陽現すだろう)
  Le gros mastin toute nuit hurlera,(獰猛な巨犬が夜通し吠え)
  Quand grand pontife changera de terroir.(法王が大地を変えるとき――)」

一輝がギリギリで巨人に対処していると後方からヤシロの声が聞こえ、

「茨の檻!」
「奈落の穴!」

音央の茨で巨人が転ばされ、奈落の穴に稲妻が吸い込まれていく。
そして、巨人が転んだところに巨大な火の玉が一つ(霊格の減少にともない、大きさはゲームのときに比べ、小さくなっています。)降ってきて巨人を骨も、塵すらも残さず燃やし尽くす。

「改めて考えると、あいつらって結構チートだよな・・・」

自分のことを棚にあげて何を言ってるんだこいつは。

「う~ん・・・ま、今はやめとくか。」

そう言って稲妻を操り、巨人を倒していく一輝。

つかオイ、今何をしようとした。いつもみたいに介入するつもりだったのか?
《そうだけど?》
そうか。止めるってことを学習してくれて、俺はうれしいよ。
ただ、そのまま介入しないでもらえるとうれしいんだが?
《それは無理。》
オイこら。

「さて・・・あれは意地でもどうにかしないとダメか・・・」

一輝がにらむ先には、今までのが可愛く見えるくらいの勢いでその猛威を振りまく、黒い光の渦だった。

「ふう・・・頑張ってみますか。」

一輝は獅子王を抜き、少しでも効率を上げるために陰陽師モードになると、ギフトカードを掲げる。

「全部吸い尽すのは無理だろうけど・・・禍払いの札よ!今ここに、死の恩恵を喰らい尽くしたまえ!」

ギフトカードに残る、残り少ないお札の全てが発射され、黒い光を包んでいく。

途中、リンが誰かを回収していくのを確認するが、気にするほどの余裕もなかった。

「今ここに、我は願う。我らの生を助けたまえ!」

一輝はちょくちょく言霊を挟んで効果を上げ、死の恩恵に対抗する。

結果として、一輝は勝負に勝った。
途中で黒ウサギが太陽の鎧を召喚したことにより、“バロールの威光”は徐々に力を失ったのだ。

「ふう・・・これで少しぐらいは休めるかな?」
「いえ、それがそうでもないみたいです。」

一輝の呟きを、いつの間にか後ろにいたスレイブが否定する。
一輝の後ろには他にも、音央に鳴央、ヤシロと勢ぞろいしていた。

「いきなり不吉なこと言うなよ、スレイブ。」
「それはスイマセンでした。ですが、あれを見れば理解していただけるかと。」

と、スレイブは上を指差す。
一輝もつられて上を見ると、顔が真剣なものになる。

「おい、何でアイツがこっちに向かってるんだ?まだゲームの再開時まで時間は有ったよな?」
「有ったわ。でも、何かの原因があって、今再開したんでしょ。」
「何連戦だよ、俺・・・」
「お疲れのところ申し訳ありませんが、もう一度頑張ってください。」
「頑張ってどうにかなるレベルじゃない気がするな~。でも、もう一頑張りしよう、お兄さん!」

結構ガッツりと落ち込む一輝を、メイドたちは励ましながら軽く追い討ちをかける。

そんなことをしている間にも巨龍の鱗から化物が生まれ、参加者を襲う。

「はぁ、仕方ないな。スレイブ、よろしく。」
「はい、マスター。私はあなたの剣、あなたの望むままに。」

スレイブの姿が消え、一輝の手に抜き身の大剣と、それにぴったりと合う鞘が現れる。

「八つ当たりの始まりだ!」
「「「そんな理由で戦うな!」わないでください!」」
「行けー、お兄さん!」
「「「ヤシロ(ちゃん)もあおるな!」」あおらないでください!」

そして、そんな気持ちで狩を続け、一輝の周りに山が完成したころ、“契約書類”に勝利宣言がなされる。

が、それは箱庭の大天幕を開け、太陽の光が降り注ぐという、最低最悪の終わり方を示しており、

「GYAAAAAAAAAAAAAAaaaaAAAAAAAA!!」

それが開く前に、巨龍は“アンダーウッド”に突撃してきた。
 
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