仮面ライダーダークキバ・SKL
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…アイドル送迎中
ズダダダダダ…!!
街中に鳴り響く激しい銃声…。
そこには警視庁の表記された車両に隔離された空間の中では異形を囲む3人のライダーの姿。
ロボットのようなそのライダーは仮面ライダーG3ーXをある程度、女性向けに扱いやすくした『G3ーX・マイルドF』。元々のG3ーXのボディの肩アーマーやラインが桜色なのが特徴だ。
一方、異形は植物の薔薇を模したバラヤミー…。G3ーX・MFたちの強烈な射撃の嵐にさらされその身体からメダルが落ちる。
「怯むな!奴は弱ってる!動きが完全に止まったところで同時バズーカでシトメるぞ!!」
「「はい!」」
ズダダダダダダダダ…!!!!
『Giiiiiiiiii…!!!!』
チャリン、チャリン、チャリン、チャリン…
徐々に弱るバラヤミー…。身体からはもう開いた傷口からメダルが滝のように溢れ最早、抵抗する力さえない。
もう少し……G-3XMFはそう思っていた…
しかし……
チャキ…チャキ…
「え?あれ…?」
突如、1人のG-3XMFのガトリングが止まる。どうやら、弾詰まりを起こしたようだ。
「どうした、伊吹!?」
『Giii!!!』
「しまっ…!?」
先頭に立っていたG-3XMFがそれに気がつき注意が逸れ、その隙を突きバラヤミーは弾切れを起こした彼女に向かう。
「いや……い…や…」
チャキ…チャキ…
必死に引き金を引くも弾は放たれることもない。だが、パニック状態になった彼女は最早そんなことなど解らない。頭の中でただ『死にたくない』と言葉が頭を廻るだけ……
「イヤ…だ…シニ…タク…ナイ…ヨ…。」
「どけえええ!!!」
ペキン!!
『Giii…!?』
突如、けたたましい叫び声と共に現れたのはスカルカイザーことダークキバSKL。バラヤミーを踏み潰し着地すると白眼を向きながら気絶している夏希を担ぎ直し先を急ぐ…。
「え?…ええ?」
最早、突然のことに頭が回らないG3X-MF…。踏まれたバラヤミーはほぼ衝撃で花弁部分が全てセルメダルに還元され怒りを浮かべる。
「お前の相手をしてる暇は無えんだ!おい、そこの!コイツ持ってろ!」
ダークキバSKLはバラヤミーが追撃してこようとしていることに気がつき、夏希をG3X-MFに押し付け地面に手を突っ込む。
「デフィスト・ハンマーァァ!!!!」
『ギギ!?』
そこから骨と化した巨大な腕を模した槌のハンマー『デフィスト・ハンマー』を取り出しバラヤミーを勢いよく殴りつける。グシャっと嫌な音がした直後にはバラヤミーだったものは地面にスタンプされていた。
これでは終わらない。
「デフィスト・サイクロン!!!!」
デフィスト・ハンマーの拳が開き、骸骨の上半身らしきものが出現。そこから激しい強風が繰り出されバラヤミーの身体は削られメダルに両替されていき、終いには宿主だった男が露わになり最早、ヤミーとしての機能を失った…。
「さて、メダルはしっかり回収しとかねえとな。」
ダークキバSKLはバラヤミーが完全にメダルに両替されたことを確認するとそこらへんにあった自販機らしきモノにメダルを投げ入れる。すると、自販機らしきモノから大量の動物を模した機械が排出され、それらはメダルを1つ残らず回収し何処かへ去っていく…。
「さて、あとはコイツを送らねえと…」
チャキ…
「動くな、スカルガイザー!貴様を特殊武装技術法違反、及び公務執行妨害やその他器物破損なんか諸々の罪で逮捕だ!大人しく、武装を解き手を頭の後ろにつけ膝を地面につけろ!!」
(おいおい…その他諸々って……)
その場を去ろうとしたダークキバSKLだが、先程の戦いで先頭に立っていたG3-XMFが銃を構え行く手に立ちふさがる。どうやら、ダークキバSKLを拘束する気のようだ。
「おいおい、俺は怪人退治に困ってる警察官様を助けたあくまで善良な一般市民だぜ?それを逮捕ぁ良い度胸だな?」
「うるさい、大人しくしろ!」
「やれやれ…」
言い訳紛いの事実を言ってみたダークキバSKLだが彼女は聞く耳を持たず、はいはい、参りましたよ…と手をヒラヒラさせたポーズをとるダークキバSKL…。これを投降の意志と判断したG3-XMFはスカルバットに手をかけようとしたが…
「なんてな。」
バコン!!
「ぐはっ!」
ダークキバSKLは直前でカウンターのパンチを見舞い、夏希を預けていたG3-XMFから彼女を奪い返しとっとと逃げ去る。
「あ、待て!」
BBB!!
「しまった!今の一撃でバッテリーが…!?」
追おうとしたG3-XMFだが今の一撃でかなりのエネルギーとボディの耐久力が失われたことを告げる警告音と共に動けなくなり地面に倒れ伏す。
「くそ!…伊吹!アタシの予備の弾とガトリングを持って奴を追え!!」
「え?でも……」
「良いからさっさとしろ!」
倒れたG3-XMFは腰を抜かしていたG3-XMFに無理やり命令し、後を託す。任されたG3-XMFのほうは自身のガトリングから、彼女のガトリングに持ち替え腰の後ろのベルトのフックに託された弾倉を引っさげる。そして、彼女ら用の特殊な白バイ、『パトチェイサー』に跨がりその場をサイレンを鳴らしながらその場をあとにした。
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潮先港…
「ふう…」
リョウガに戻りやたらとビクビクしているマネージャーなる人物に夏希を引き渡した彼はブラブラとそこいらを海を眺め歩いていた…。
(バイクありゃ良いのにな……)
そんなことを潮風にあたりがら思うリョウガ。バイクといってもライダーお約束のスーパーマシンではなく、市販のソレ。随分前、助けた人物がバイク屋であり、御礼にと持て余していたのをリョウガにくれたのだ。
しかも、たまにメンテもしてくれるので非常に有り難い。
(まあ、免許証まだちゃんと発行してないがな。早いとこ鴻上のオッサンとこいかねえと…)
そんな物思いにふけっているとあることに気がつく。
自分以外、周りに誰もいない…。
元より人通りが少ないこの地域だが明らかにおかしい。虫や鳥など生き物の気配もしないし、周りをよく見るとまるで白黒マンガのように辺りの景色から色素が失われていくではないか。
(こ、コイツはいったい…!?)
「アナタがスカルガイザーですね?」
「!」
戸惑うリョウガに届く澄んだ不吉な声。気がつけば目の前に円く赤銅色の魔法陣が現れ、そこから現れる1人の金髪の女性。周りには水色の複眼をした虎のようなキバット、『ライガバット』が飛び廻っている。
「なんだ、お前?」
「私はアナタの骸骨の力…ゼベルヌの鎧を引き取りに参りました。タダとは申しません。それ相応の金額を提供させていただきます。」
女性は横にあったトランクを開くとサスペンスドラマでしか見たことないような一万円札がギッシリ。リョウガがそれを興味なさそうにチラッと見るとスカルバットを取り出す。それはつまり…
「残念だったな。俺はコイツを引き渡す気は毛頭に無い。とっとと帰りな。」
交渉の決裂。
「それでは、仕方ありませんね…。」
パチン!
リョウガが鎧を引き渡さないと確認すると指を弾く女性。すると、万札がトランクから吹き飛び中から飛びだし現れる無数の異形。一見すると自衛隊の隊員のシルエットに似てるが顔はまっ黒な肌と服(?)に青く楕円な複眼が眼、口を現すように3つ。
この怪人の名は『ソルジャー兵』である。
「やっぱりな。アンタ美人だが交渉向きな顔してねえからな。」
『ガブ!』
「あら、坊やでもそんなことわかるのかしらん?」
『グルル…ガブゥ!!』
リョウガはスカルバットを…女性はライガバットをそれぞれ腕に噛ませる。すると、リョウガの方には黒く禍々しい模様が…女性のほうはまさに虎のような黒の縞模様が頬から目元まで伸び、両者同様の黒いベルトが装着される。いや、女性のベルトのほうが若干、機械的か…
「「変身!」」
『ケケ…!』
『ブッ潰すぜ、ベイベー!』
そして、両者は灰色の彫刻のような姿に…
同時に空をかける2つの影…
1つは悪魔の翼を生やした人の頭蓋…
もう1つは妖しい蒼い炎を宿した恐らく猫科の動物の頭蓋…
両方とも交錯するようにぶつかりあい、火花を散らすとそれぞれ主の下へ…。
『『スカル・リアクト!!』』
人の頭蓋はリョウガのほうへ行き頭に収まると彼の姿をダークキバSKLへ……
獣の頭蓋は女性の頭部へ収まり彼女の姿を新たなる仮面ライダーへ変える。
女性が変身者と思えない筋肉質なボディ…
仮面ライダーレイの意匠に似つつも胸部の鎧は虎のように黄と黒の縞模様…
首と背中を守るように覆う刺々しい白い毛皮…。
水色の複眼は左右で繋がり刺々しく『∞』を描き黒と金色で虎を現すような鎧に頭部は守られ、額の獣の骸骨が凶悪さを醸し出している…
このライダーの名は……
「仮面ライダーライゴウ……我が力は霆が如く…!」
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