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俺の(私の)りあるおにごっこ

作者:LAW
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彼は私の夫(違う!!)が編入してきたわ!

 
前書き
 リリカルは久しぶりに書いてみるとちょっと楽しいですね 

 
 パーティー会場である客船のとある一室。
 運命的な再開を果たした私達はそこでお互いの両親から尋問を受けていた。

「それでアリサちゃん。貴女と六花はどういった関係なのかしら?」

 目の前で父、デビット・バニングスの隣でソファーに足を組ながら私に質問をしてくる眼鏡を掛けた女性。

「私の息子を彼氏やら夫やら伴侶やら言っていたようだけど」

 彼女の名前は六道司。たった一代にして六道財閥を世界屈指の大財閥にまで育て上げた女傑である。
 彼女のそんな彼女ねの隣に座る我が父は今にも泡を吹いて倒れそうな程に表情が青い。
 気持ちはわからないでもないが私の父なのだからもっとしっかりしてほしい。
 さて、そんな肝の小さい父を持つ私はというと。

「んふふ♪ りっか~♪」

「・・・・」

 愛する夫の首に腕を回して5年前よりも少しだけ逞しくなった彼の胸板に頬ずりしています。
 同室している鮫島がドン引きしています。親友達が見てもドン引きするでしょう。しかし関係ありません。私は彼を愛しているのですから。5年という年月で蓄えられた燃料に火が着いたのですから仕方ないことなのです。

 六花の方はなにらや口から白いモノが出ているようですが私は気にせず頬ずりを続けている。
 いちゃラブな私達にしびれを切らしたのか司様は質問を私から六花へと変えた。

「六花。貴方達の関係は?」

「・・・5年前に起きたテロの被害者だよ」

 現実に帰ってきた彼が自分の母に向かって関係を説明する。
 それを聞いた司様の肩がビクリと跳ね、私の父が何かに気付いたように口を開いた。

「それでは娘が言っていた身を呈して守ってくれた男の子というのが」

「六花ですお父様」

 彼に寄りかかりながら私が答えた。

「そうか・・・」

 そういうと父は膝に手を付き深く頭を下げた。

「ありがとう。君のお陰でアリサはこうして五体満足で生きている。心から感謝している。深々と当にありがとう」

 六花は小さな笑顔で父の頭を上げさせる。

「礼なんて止めてください。自分が勝手にやったことです。別に名誉なんて欲しくてやった訳じゃないんです」

「そうですお父様。代わりに私と私の愛が手に入ったんですから」

「いや、それはもっといらない」

 それから私達は軽く談笑をする。今の私達の現状の情報交換だ。
 そんな会話もほどほどにして父が話を切り上げる。

「皆での会話も楽しいが。せっかくのパーティーだ。ささっ、甲板の会場に移動しましょう。六道さんも六花君も。鮫島、お二人を会場までご案内しろ」

「畏まりました」

「私は後から追いかけますので先にお二人で行ってください」

「私も少しだけ席を外します」

「・・・化粧か?」

「バッチリ、大人っぽくメイクしてくるわね♪」

「では、私達はお先に行きますね」

 鮫島に連れられて司様と六花は部屋を出て行った。
 部屋に残された私達バニングス親子。

「よかったなアリサ」

 父が機嫌よさそうに口を開く。

「今、こうしてられるのも彼のお陰だ。私達は感謝を「パパ」」

 だがそれを私が遮った。
 途端に室内の空気が冷気になったように冷たくなった。

「二度と私の事で彼に感謝しないで」

 それだけを言い残して私は部屋から出ていった。








「・・・・」

 一人取り残された私は娘から向けられた言葉について思考する。

『私の事で彼に感謝しないで』

 一体どういうことなのだろうか? いくら考えても答えは出てこなかった。
 しかしそれは10分後に分かる事になる。






 



 

 バニングスとの悪い意味で運命的な再会から数日後。俺こと六道六花は現在、日本の海鳴市にいる。六道財閥の日本支部は東京に社を構えており、そこの長である俺が何故この海鳴市にいるのかというと。

「六道君。ここが今日から君が勉強する教室だ」

 日本に住むあたって必要な義務教育過程を終える為である。それならば都内にある私立校に通えば良かったののだろうが学校ぐらいはあまり財界等のしがらみに捕らわれたくないというのが本音だ。
 故に都内まで高速を使って二時間の位置にある海鳴市、その中でも名門私立と言われる聖祥大付属中に編入した。

「まぁ、アメリカのガレッジを跳び級で卒業した君にはここの授業なんてつまらないかもしれないけどね」

「いえ」

 担任である教師に呼ばれるまで待っているように言われ、彼の姿が教室の中に消えたと同時に小さく深呼吸をする。

「六花様でも緊張ってされるのですね」

「向こうと勝手が違うからな。それに俺も人間だしな」

 自分の背後に視線をむけるとそこにいるのはブラウン髪のメイドがいた。高校生ぐらいの彼女は俺の身の回りの世話をしてくれる人で名をサリ・エドワード。掃除、炊事、洗濯、ボディーガード、何でもこなせる万能超人だ。

「まぁ、それでも財界での交渉事よりは遥かに気が楽だよ」

 小さく苦笑すると同時に教師が教室に入ってくるようにと言ってきた。
 さて、日本での学生生活の始まりだ。
 そう気合いを入れて教室に足を踏み入れた。


 後に俺は語る。


 ここは魔女の檻の中だったと 
 

 
後書き

この作品の中で聖祥大付属中は共学です。 
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