ソードアート・オンライン~黒の剣士と紅き死神~
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一周年記念コラボ
Cross story The end of world...
終わりの世界、異端者は邂逅せり
「………何処よ、ここ」
一面灰色の世界。荒廃した土地。申し訳ばかりに生える植物は痩せ細った低木か逞しい雑草。
そして今は春先だと言うのに妙に肌寒い。ついに寒冷期が来たかと思ったが、これは冬並みの肌寒さだ。
そして今日の天気予報は『寒冷期後、世紀末でしょう』何ては言ってなかったはずだ。
「いや、何ボケてんだよ!」
ツッコミ役が居ないので仕方なく自分でツッコミを入れてみる。実に悲しい一人芝居だった。
自分の声が宙に虚しく消えていくのを感じながらふぅ、とため息を吐いた。
「さて……ともかく人か、或いはコミュニケーションができる生物に遭遇しないとな」
何処かは分からないが、自分が何らかの理由でここにやって来た。
そして『ここ』は少なくとも今まで居た学校では無い。
恐らく何かの建物であったのだろう残骸から抜け出すと、宛もなく歩き出した。
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曇天の空の下、俺は信じられない事実を目の当たりにしていた。
「……馬鹿な」
拾い上げた金属片。そこには見慣れた日本語が書かれていた。
『……京市』
その右下には『東京…』とあった。
『東京』。日本の首都。世界一煩雑な構造を持つ経済都市。
その金属片が意味するのはここがどこであるかという事実。
「ここが、東京、だと……?」
悪い冗談だ。学校で怪しげな鏡に触り、気がついたら世紀末でしたなんて信じられない。SFじゃあるまいに……。
金属片を捨てて他の手掛かりを探そうと歩き出した瞬間、
――ゾクリ……
生々しい殺気が背筋を襲い、反射的に地面を転がる。その上を何かが飛び越えていく。殺気、つまり誰かがいるという事だ。
(ちょうどいい……)
返り討ちにして知っている事を全て吐かせてやる。まずは相手がどんなものかと顔を上げ、俺は思わず背に手をまわしてしまった。
もう1人の自分である《レイ》が背負う大太刀を反射的に抜こうとした結果だ。何故なら……
「……いつからMobは現実世界にもポップするようになったんだ?」
漆黒の獣。全身の毛を逆立て、口に収まり切らないほど大きく発達した牙を剥き出しにして唸っている。
しかし、それは見慣れたデジタルコードでできたモンスターでは無かった。乾いた風になびく漆黒の毛、アスファルトにめり込む足と爪、鋭い牙と口から滴る唾液、腐敗臭のする呼気。
何より、その赤い目から迸る濃密な殺気は『本物』としか言い様が無い。
(……どうする?)
勿論逃げるに決まっている。勝ち目なんかあるものか。
ではどの様に逃げるか。確実に体重は向こうの方が上だし、足だって二足歩行が四足歩行に勝てる道理は無い(勝てるヤツは居るかもしれないが)。
「……仕方ないな」
勝算の無い戦いはしたくない。しかし、今はだからと言って撤退する事は出来ない。
まだ手に持っていたその金属片を右手の親指と人指し指で挟み、投げる。狙いは目だ。
「グオォッ!?」
「…………っ!!」
突然の事で反応が遅れ、避ける動作が大きくなり、視線が俺から外れる。
その隙に俺は獣の方に走り出した。そのまま交差し、獣の後方に抜け、脱兎の如く走り出す。
獣の方に逃げた理由は至極簡単。前方に崩れてはいるが、元病院らしき、ドア付きの建物を見つけたからだ。更に病院なら武器になりそうな物が残ってそうな気がした。
走ってきた勢いそのままでドアを破壊し、受付脇の階段に飛び込むと非常扉を閉める。錆び付いた非常扉は脆そうで頼りなかったがそれを今さら言っても仕方がない。
二階は瓦礫で埋まり、廊下へ出ることは出来なかった三階、四階と昇って行くが、床が無いか埋まっているかだった。
そして、屋上。ねっとりとした風ともはや嗅ぎ慣れた腐敗臭。
「くそ……流石に詰んだな」
灰色の空にはおおよそこの世のものとは思えない怪鳥がひしめき、目の前には頭が3つもある巨大な蛇………の胴体にカニのような甲殻をもつ足が付いた、今時の仮想世界にも居ない、わけの分からない怪物だ。
それらの視線は明らかに立ち尽くす俺に向いており、怪物共は俺を巡って互いを牽制している状況だ。
「ああ……クソッ!」
今出てきたドアを再び潜り、ガタついて今にも壊れそうなそれを無理矢理閉める。二階と同様出口が埋まっている四階の瓦礫の間を上手く通り抜け、念願の廊下にたどり着く。
しかし、そこもあちこち崩落していてとても安全だとは思えない。ついでに言えばさっきから天井が軋んでひびが入ってきている。このままでは生き埋めだ。
八方塞がりのこの状況でも彼は考える事をやめない。諦めたくなる状況ならもう経験済みだ。その時、
―――ズドォン!!
「厄日だな、全く!」
天井を突き破って降りてきたさっきの多頭多足蛇の牙をかわし、後退する。
しかしそこはもう行き止まり。
今度こそ完全に詰んだと思った時、彼の体を青い光が包んだ―――
______________________________________________
「……何だ、ここ」
気がつくとそこは見たこともない、荒れた世界だった。
あえて言葉で言い表すなら『終わった世界』だろうか。燐が立っているのは大きなビルの屋上。後ろを向いても燐を吸い込んだはずの鏡は見当たらなかった。
一応周りを確認するが、詩乃の姿は見当たらない。その事に僅かに安堵のため息を吐く。
彼の立つビルはその辺りのビルでは一番背が高く、様子を一望出来た。故にここが何処なのかも容易に特定出来た。
「……東京、なのか?」
幾つか不可解な点は有るにしろ、ここは紛れもなく東京。状況が分からない以上、燐は無理矢理その事実を納得した。その時、
「キィィィィィッ!!」
「…………っ!?」
上空からの奇声を視線で追うとそこには所謂『怪鳥』の類いであろう巨大な鳥がその小さい版―――とは言っても人間を丸飲みできる位の大きさ―――を従え、横切っていった。
慌てて排気ダクトの物陰に隠れ、理解の追い付かない頭を整理した。
1、ここは東京。ただし、よく知っている東京ではない。
2、見たこともない聞いたこともない生物がいる。多分友好的ではない。
3、帰れる見込み無し。
「最悪だな……」
引っ越しの途中であるし、置いてきた詩乃が混乱するのは明白だ。一刻も早くこの世界から帰る必要がある。
とにかく行動しようと物陰から出た瞬間、さっきの怪鳥共が自分を囲んでいるのに気がついた。
「ち、気づかれてたか……!」
咄嗟に手を背に伸ばそうとして手がピクリと動く。しかし、当然背に剣はない。
今、燐は《リン》では無いからだ。背筋が氷る。
巨大怪鳥から発せられる生々しい殺気に当てられ、汗が吹き出す。
2本の足でゆっくりと怪鳥が近づいてきてその鋭い嘴を燐に突き刺そうとしたその時、燐は青い光に包まれ、その場から消えた―――
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「…………………………ぅ……ん」
小日向蓮は軽く呻きながらも目を覚ました。
軽い頭痛。あまり気持ちが良い目覚めとは言い難い。
軽く頭を降りながら、起き上がるために手を伸ばすと、地についた手のひらからザリッという感触。
あれ?と思って思わず下を見ると、寝転んでいる足下はボロいアパートの板張り廊下ではなく、味気も何もない灰色の砂になっていた。
体を起こすと、埃っぽい風が頬を撫でていく。いや、埃っぽいと言うよりは、砂が混じった風だろうか。どちらにしても、積極的に吸うのはお断りだ。
濃度はかなり濃く、霧のように数十メートル先は灰色に塗りつぶされている。
まず、状況を詳しく知りたいという欲求を覚え、勢いよく立ち上がって辺りを見回した。
すると、どうやら自分が立っているのはだだっ広い交差点のど真ん中ということがわかった。擦り切れる寸前といった風な横断歩道が視界の端に映る。さらにその少し上には、半ばからひん曲がったカーブミラー。
それだけでは、状況は全くと言っていいほど分からない。分からないがしかし、唯一分かるのは、ここが絶対に普通の場所ではないこと。
こんな大きな交差点のど真ん中に寝そべっていて、一台も車が通らないと言うのは、もはや異常を通り越して不気味だ。周りが十分に見えることから、真夜中という訳でもないだろうし。
てっぺんが霞むほどに高くそびえるビルのような建築物が見えた。その表面は塗装が所々剥がれ落ちてボロボロで、剥き出しのコンクリートにはあちこちデカいヒビが走っている。
「ここは…、いったい…………。どこ?」
口から漏れ出る意味を汲み取れない単語達。しかし、当然ながらその疑問に答える声などいるわけがない。
たが声はなくとも、少なくとも答えるものはいた。
突如、一陣の旋風が吹き抜け、遠くを見ることを阻害していた霧を切り裂いた。どす黒く白く濁った闇が晴れ、一気に視界がクリアになる。世界が広がり、見えなかった景色をようやく拝めることができた。
しかし、目を凝らした蓮の視界に飛び込んできたものは、到底信じられないものだった。
灰色に濁った空、眼前にそびえ立つ長い年月を感じさせるビル群。だがそこではない。蓮が驚いたのはもっと向こう。切り裂かれてもまだ霞んで見える遥か彼方にひときわ高く見える、見慣れた赤と白のコントラスト。
すなわち、旧東京タワー。
空を見上げたら、いつでもそこにあったそれは何故だかひどく歪んで見えた。いや、実際に歪んでいるのだ。
「うそ…………だ」
あちこちの鉄骨が歪み、展望台もガラスが全て跡形もなく割れている。おまけに天辺の方はへし折れてしまっている。むしろ、今まで立っていたのが奇跡みたいなものだ。
それが立っていると言うことはつまり、半自動的に今現在自分がたっている場所の地名も浮かんでくる。
つまり日本の首都、東京である。
約千三百万人が蠢く大都会は今や、鉄屑とコンクリートが散乱する荒れ果てた魔都に変貌していた。
そして、東京だとわかったら、おのずと今自分がいる地点について解ってきた。
ここは恐らく、もし蓮の予想と合っているのなら、東京中央区にある銀座の交差点のど真ん中。俗に言ったら、歩行者天国だ。
通常では、数えるのもアホらしくなるくらいに人がごった返しているそこには、当然ながら人っこ一人いない。
は、はは、と乾いた笑みが口許に浮かぶ。
鏡に吸い込まれて気が付いたら荒廃した日本にいました、なんて。そんな王道すぎるSF、今じゃそうそう見れない。
もう少しくらい細かい設定があってもいいのに。何そのファンタジーめいた入場の仕方は。
ぐちゃぐちゃの頭のなかで、混乱した思考が的を外れたコントを送ってくる。
そして同時に、正常で少しは冷静な思考が警告を送ってくる。
こんなもっともらしい場所で、アレがいないわけがないだろう、と。
瞬間、立ち尽くす蓮の背後からぶわっと風が起こった。いや、風と言うのだろうか、これは。もっと局所的で、かと言って突風というわけでもない。
そう。例えるのだとしたら、呼吸をする生物の呼気のような…………。
ゾグッ、と悪寒が背筋を伝った。戦慄が脳裏を駆け巡る。脳のずっと奥底、たぶん本能と呼ばれる場所が必死に警笛を鳴らしているのが分かる。
ギギギ、と錆びたブリキ人形のように、油の切れた精密機械のように、蓮は首を巡らせ、背後を見た。
そして、ソレを見た。
ソレは音もなく、しかし見間違いなどではなく確実にそこにいた。
ソレを簡単に表すとしたら、やはりトカゲだろう。しかし、問題はそこではない。
デカいのだ。半端なく。生物の常識を超えるほどに。
真正面から見たときの横幅は五メートルほどだろうか。足が長いため、腹をベッタリ地に付けている普通のトカゲやワニとは違い、どちらかと言ったらトラやライオンみたいな立ち方だ。それも相まって、体高がムチャクチャ高い。ざっと見積もっても、十メートルは軽く越えているだろう。
しかし、蓮がソレに臆しているのは別の理由だった。当然だ。これくらいの大きさの生物ならば、今はなきあの鋼鉄の魔城で、幾度となく命を懸けた戦いをしていたのだから。
蓮が畏怖しているのは、ソレの体表面である。
腐ったような灰色の体表にいくつも浮かんでいるのは───
数多の人の顔。
苦しげに歪む顔や、悲しみに嘆く顔、全てを憂う顔。ありとあらゆる負の感情を込めた顔達が、そのトカゲの体表に体を埋め込まれたかのようにぽっかり顔を出しているのだ。そこまではまだ、醜悪というレベルだ。
しかし、トカゲの腹の部分からは絶えずボドボドという鈍い音とともに半固体状の物体が落下し続けていた。
よく見るとソレは、元が何なのか分からないくらいに腐敗した、人だった。顎が変な方向を向き、眼球がいずこかへと消えてしまった、ヒト。
ひぅ、と喉がおかしな音を立てた。
まるで、呼吸の仕方を忘れてしまったかのように、肺に空気が入ってこない。足が震え、動くことさえできない。
なぜだろう、と蓮は思った。
これより大きな生物なら、ALOの地底世界《ヨツンヘイム》でいつものように狩っている。醜悪さなら、決してこのトカゲよりも下だとは思えない。
だが、それには今の状況と全く異なる点がある。
現在の蓮の体は、SAOやALOで《冥王》や《終焉存在》と呼ばれたアバターではないのだ。現実の、リアルでの小日向蓮の体。
だから蓮の体は、今こうして硬直している。
だから蓮は、振り上げられる巨大な質量を見ていることしかできなかった。凶悪なまでに光り輝く三本の爪が、舌なめずりをするようにギラリと光る。
一瞬の膠着。
その後、ヴンッと空気すら切り裂くように爪が降り下ろされた。迫り来る唐突な死の化身とも言えるそれを見、蓮はやっと、逃げろというコマンドを受諾することができた。
「──────ッッッッッ!!!!」
足に力が入り、目一杯横に跳ぶ。
数瞬後に、今の今まで立っていた地面に轟音とともに深い傷痕が刻み込まれた。
地面に薄く堆積していたコンクリートの粉が舞い上がり、真っ白な雲になって顔を叩く。
拳大の破片が後頭部にぶち当たり、一瞬意識が持っていかれそうになる。
ぼんやりとした視界の向こうで、巨大な異形の影が高らかに足音を響かせて近付いてくる。
───逃げ…………なきゃ……
そうは思うが、体は全く動いてくれない。ささやかな動きとしては、投げ出された指の先が芋虫のようにモソモソ動いただけだった。
しかし、変化は突然だった。
何の前触れもなく、視界が青色に染まった。いや、周りの物が発光しているわけではない。
蓮自身が、青く発光しているのだ。
この光を、蓮はあの世界で幾度となく目にしたことがある。今はなき、あの鋼鉄の魔城で。
───転移………光!?
驚愕すると同時に、蓮の意識は純白の闇の中へと引きずり込まれていった。
_______________________________________________
「うーん……」
所々何かにぶつけたように僅かな痛みがある、体を起こす。
「痛っ……何で鏡に吸い込まれんだよ……ファンタジーなものはゲームの中で十分なんだよ。何で現実でもこんなことが起こるんだよ……」
服についてたゴミを払い、ここがどこなのかを確認するため、あたりを見渡す。だが、気が付いた場所はどこか建物の中だったのでよく分からない。
仕方なくスマホを取り出してGPSで場所を知ろうと思ったがスマホの電源が入らなくなっており、位置確認も出来なくなっていた。
「クソ、こんな時に故障かよ」
そう呟いてからポケットにスマホを戻すと、あたりを見渡す。現代では絶対見られないような感じの廃れた建物だろうか?所々に大きなひびが入ってたり、鉄骨がむき出しになっている。
それに何年も誰も出入りしてないため、そこら辺にほこりが積もっている。
「まずは、いつ壊れるかわからないこの建物から出なきゃな」
建物の出口を探すために廊下に出るが、すぐ目の前に古びた案内図があったため建物の構造をすぐに理解することが出来た。そして建物からでると曇天の空が広がり、今までいたマンションとは違う場所にいた。
「ここはどこなんだ?」
あたりを見渡して場所を確認する。どこか見たことのあるような建物な気がするが、倒壊しかけていたり、倒壊しているものばかりでわからない。だが、コンクリートの壁の横に壊れてはいるが掲示板のようなものが目に入った。
「あれ見ればわかるだろ」
そしてそちらに向かい、その壊れた掲示板を見る。
「……なんだよ……これ…」
掲示板はかなり古いのかかなり削れて見れない部分があるが確実に場所を示した場所は奇跡的に残っていた。
だが、おかしい。あまりにもおかしすぎぎる。
「なんで…東京って書かれてるんだよ……」
そこに書かれていたのは東京〇〇区地図。
「東京は確かにここはあるが、こんな場所じゃないぞ……少なくとも、こんな壊れた建物が密集したところ、東京で見たことなんてないぞ」
あまりの出来事に少々頭が混乱気味になる。だが、すぐに頭が冷静な判断をして深呼吸をする。
「すー…はー…すー…はー……少しは落ち着いてきたけど、おかしいだろ。第一に東京のここの地区には来たことあるし、たぶん記憶してる限りこんな場所は無かった」
不意に自分に向けられる殺気を感じた。しかも、その殺気はどんどんと大きくなっている。
この勢いからして、どんどんこっちに近づいてくる感じだ。正体を知るよりも尋常じゃないほどの殺気からして逃げたほうが懸命だろうと考え、走りだした。
しかし、あちらのほうが速いようで走り始めて数秒後に百メートルほど離れた角の道から勢いよく姿を現した。
その姿は獣のようだが違う。
トラの頭にライオンの頭、それに狼の頭。それに尻尾に蛇まで備え付けられている。この化け物はよくいろいろな本にもでてくる事のある合成獣だ。
キメラは相当な速さで自分に接近してくる。
しかし、あれほどの速さのせいで曲がるのに苦労してるのは先ほどのカーブの時にわかった。
それに、こちらは地形を把握している。これなら逃げようと思えば何とかなるかもしれない。すぐに脇にあるビルの間の小道に入って、そのまま進んでいく。
それを見たキメラの、曲がってそこに入ろうとするが道の場所から少し離れた場所で止まりうまく入れなかったようだ。
「このままなら逃げられるな」
そして道を抜けたところで待ち受けていたのは先ほどとは違う、今度はさきほどの合成獣より二倍ほどの大きさのどんな例えをすればいいかよく分からない化け物がいた。
自分を見ると襲ってこようとする。それを何とか免れるために再びあの小道に戻る。巨体な化け物にとって入れないから問題に無いと思っていたのがその判断が甘かった。
巨大な化け物はそんなのお構いなしにビルの間の小道を破壊して突き進んでくる。
「クソ、ありえねーだろ!倒壊したらどうするんだよ!」
化け物から逃れるためにもと来た道を戻ろうとする。しかし、あちら側の道には先ほどのキメラがトラの頭を入れて道に入れた状態で入り口にいた。
「クソ!」
キメラとなんともいえない化け物に挟み撃ちにあう。どうやって抜け出す?
抜け出そうにもはさまれてほとんど身動きが取れなくなる。そしてその化け物は大きな爪を振り下ろしてきた。
それをしゃがんで避けるがその攻撃で建物の一部が破壊されキメラが入ってこられるようになった。
「おいおい」
壊れた部分をさらに破壊して後ろからキメラがこちらにどんどん詰め寄ってくる。そして完全に逃げ道を断たれてしまった。
その化け物たちは自分に向けて牙と爪を突き立てようとした瞬間、急に自分の体が青い光に覆われた。
「今度は何だよ!?」
あまりの眩しさに目を瞑ってしまう。攻撃をしようとしていた化け物もあまりの光の眩しさに攻撃を止めて目を隠した。
その瞬間に、どこかで感じたような懐かしい感覚が自分にかかるとそのまま浮遊感に襲われた。
そして次に目を開けたときは、先ほど化け物たちといた所とは別の場所にいた。
後書き
レン君、ゲツガ君の描写はなべさん先生、暗黒少年先生がお忙しい時間を割いて書き下ろして頂きました。どうもありがとうございます。
リン君の描写は蕾姫先生にアドバイスをもらって僭越ながら私めが書かせて頂きました。
その仕様上、リン君の描写はオリジナルの物と大幅に違うことになっていますが、ご了承下さい。
なお、以降の各コラボキャラの描写はリン君仕様になる関係でオリジナルのものと大小様々な差異が生じる可能性があるのもご了承下さい。
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