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吾輩は猫である in HSDD

作者:古々
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吾輩、使い魔になる


「サバうま」


どうもカオスです。
今朱乃の家で朝飯を奢ってもらってます。


「あらあらそればよかったですわ~。カオスさんの要望通りサバにしてみましたけど気に入っていただけて安

心しました」


この人いい嫁になるな! 飯うめぇ。
一足先に朱乃とは自己紹介は済ませた。最初は朱乃さんか朱乃嬢とでも言おうと思ってたが、本人から呼び捨

てで構わないと言われたのでそのまま朱乃と呼んでる。吾輩も呼び捨てで構わないと言ったが吾輩の方が年上だからさん付けのがいいと。
そんなこと気にしないんだけどな~。


「カオスさん、よかったら今夜学校の旧校舎に来ていただけませんか? あなたのこと知らないといけません

ので」


そういや昨日そのまま帰ったからな、当分の間この街を拠点にするし、ちゃんと自己紹介しないといけないな大人として。


「ok」
「うふふふ、ではお待ちしてますわ」


サバとお櫃にあった米を全て平らげ朱乃邸を後にする。
朱乃邸から離れ夜になるまですることがないので適当に散歩をすることにした。


「にゃ~にゃ~♪(どこかに堕天使とか堕ちってないかな~♪)」


歌? を口ずさみながら塀の上を歩いてく、まだ10時も回ってないので人も少ない。
特にすることもなく、夜まで寝ようと空き地に向かう。すると道の向こうから見知ったエロ顔の少年が走ってくる。その後ろには赤いトレーニングウェアを着た赤い髪の美女が自転車を乗って、喝をいれながら付いて行く。
赤い髪の美女は確かリアス・グレモリーだったな、朱乃から教えてもらった。
あのエロ顔の少年は確かアーシア嬢の隣に居たイなんとかだっけ? そういえば、あのボロボロの教会にも居たな~、両足に風穴を空けて。


「ひ、ひぃ~」
「イッセー頑張りなさい! 公園まであと少しよ!」
「はひぃぃぃぃ!」


顔が汗だくで人に見せられないことになってやがる。
面白そうだし吾輩も公園まで付いていくか。




「つ、着いたぁぁぁぁ……」
「イッセー、休憩してる暇わないわよ。次はダッシュいくわよ!」


公園について早々休憩無しで次のトレーニングに移行するリアスさんマジ鬼軍曹。
そのあとも腹筋、背筋、腕立て伏せ等に続いた。
途中リアスに乗られてイッセーが発情したが後半の筋トレ地獄で性欲が完全に失せたようだ。


「イッセーさーん、部長さーん! 遅れてすいませーん……はぅっ!」


アーシア嬢が手を振りながら走ってきたが転けたようだ。派手に転けたせいかスカートが捲れ、純白のパンツが丸出しである。
眼福です。


「アーシア大丈夫かしら?」
「あう~、大丈夫です」


ここはイッセーが行くべきだろうが、へばって動けないのでイッセーに変わってリアスが助けに行く。


「部長さんありがとうございます」


助けられたアーシア嬢がリアスにお礼を言い、手に持った水筒からお茶を出してイッセーに渡す。


「イッセーさん、お茶です」
「あ、ああ、ありがとうアーシア」


イッセーはアーシア嬢から渡されたお茶を啜りながらベンチにもたれかかる。
どうしてアーシア嬢がここにいるか聞くとどうやら何か役に立ちたくって飲み物を持って来たらしい。
ホンマにええ子やの~。イッセーなんて涙を流しながらお茶を一気飲みしたよ。


「うえほっ! ごほっ! ぶっふぉ!」


思いっきりむせてやがる。激しい運動をした後に飲み物を一気に飲んだらむせるわな。


「大丈夫ですかイッセーさん!?」
「ごほっ! ああ、大丈夫だアーシア……あれ、部長、どうかしたんですか?」


お茶を飲みながら考え込んでいたリアスに話しかけた。声をかけられて我に返ったリアスはコホンと咳払いをして、なんでもないと返事をした。


「ちょうどいいわね。今日にしようと思っていたから、そのままイッセーのお家に行きましょう」


そういい公園から去っていく。イッセーは終始何が何だか分からなかったのか頭を傾げていた。





なんやかんやあって夜になった。実際特になんもなく、途中で登校中のあの白いチビッコと戦ったくらいだ。
もちろん勝った。


「寝坊した」


うん、寝坊した。
あのチビッコと戦った後、結局公園に戻って昼寝をしてたら夜になっていた。目覚ましなんて物はもちろんない、だからガチ寝をしたらこうなるのも当然である。
朱乃に言われた時間を超えていたことに慌てて学校に向かったが約束の時間から3時間もズレてしまった。
(。・ ω<)ゞてへぺろ。


旧校舎を探すが簡単に見つかった。明らかに形と年季が違っている。
それにあそこからアーシア嬢とチビッコの匂いがする。
直様匂いの元に向かう。たどり着いた先の扉の隙間から赤い魔力光が溢れ出していた。
この感じリアスのものか、完全に怒ってるだろうな……行きたくないな……帰りたいな……腹減ったな……。
さすがに待たせといて帰るわけにもいかず、中に入る。


「しっつれしまーす」
「遅い」


おおう、こめかみに青筋が浮かんでるよ。


「なんで遅れたのかしら?」
「いや~、寝坊しちゃってね~」


こういう時は無駄に嘘を言わないで本当のことを言った方がイイってばっちゃんが言ってた。


「そう……遺言はそれでいい?」


うわぁ、ブチギレじゃないですかやだー。ばっちゃんの嘘つき!


「まあまあ、部長落ち着いてくださいな。来て頂けたいただけでもいいじゃないですか」
「フッー! フッー! ……そうね」


おお、さすが朱乃や、あの威嚇中の猫のようになっていたリアスを鎮めやがった。


「ゴホン、気を取り直して自己紹介しましょ。まず私からね。私はリアス・グレモリー、上級悪魔でここら辺の土地はグレモリー家が管理してるのよ。そして、このオカルト部の部長もしてるわ」


さっきまで怒りはどこに行ったのやら、羽を出し、威厳のある口調で紹介してくれた。


「私は朝先に自己紹介しましたが、もう一度しましょう。私は姫島朱乃です。部長の眷属で、クイーンを担当してますわ。後この部の副部長も兼任してますわ」


朱乃とは朝お互い自己紹介したがもう一度してくれたようだ。といっても朝した自己紹介よりも簡潔である。


「次は僕だね、僕は木場裕斗、部長の眷属で、ナイトを担当してます。主に剣による攻撃がメインです」


イケメン。とにかくイケメン。その甘いマスクでいったい何人の女を虜にしてきやがった。この女たらし!


「……塔城小猫、部長の眷属でルークを担当……徒手格闘がメインです……」


めっちゃ睨んでる、そんなに今朝ボコボコにされたのが気に食わなかったか。


「ようチビッコ」
「……チビ言うな……あなたの方がチビじゃないですか」
「見た目なんて飾りんなんです。雑魚チビには分からんのです」
「っ! このっ……!」
「お、落ち着いて小猫ちゃん!」
「そうだよ落ち着いて小猫ちゃん!」


吾輩に殴りかかろうとした小猫を裕斗とイッセーが抑えた。いや~、最近の若者はキレやすくっていかんな。
ん? なんでアーシアは嬢付きで小猫にはないかって? それはこいつから美緒臭がしたからな。


「えっと、次私でしょうか? わ、私はアーシアと申します。部長さんの眷属でビショップを担当してます。人を癒すのが得意です」


確かに癒されるわ~、この部のマスコット的な感じだな。小猫とアーシア嬢がいるだけで空間浄化される。……いや、悪魔だから浄化されたらあかんか。穢される? アーシア嬢じゃ無理だろ。存在そのものが清涼剤のアーシア嬢じゃ絶対に無理。てかなんで悪魔になったんや、どっちかと言うと天使の方が合ってる。


「いててて、次は俺かな、俺は兵藤一誠、部長のポーンだ。好きなモノはおっぱい! 好きな言葉はおっぱい! 将来の夢は上級悪魔になってハーレム王になることだ!」


うん、エロ坊主ってことはよく分かった。しかし――


「なんでそんな遠くから話しかけてるんだ?」


エロ小僧は何故か部屋の隅から話してた。
何、そんなにアレルギーがやばいの? それともあの時チラッと見えた赤い篭手を食べたいのがバレた?


「いや~、何かあんたに近づくと悪寒走るんだ」
「あらイッセー、猫アレルギーだったの? でもそれだと小猫に近づけないわよね?」
「アレルギーじゃないんですがね……なんででしょ?」


吾輩アレルギー? そうか~、吾輩ってアレルゲンなのか……悲しいなサム。


「そんじゃ吾輩の番か。吾輩はカオスである。特技は喰うこと、好きなモノはなんでも、夢は目指せ終末捕喰。喰った物の特性をコピーすることができる。そんくらいかな?」


これくらいしか特に言う事がないな、喰えればそれでいいし。


「……性欲のイッセー先輩……食欲のカオス」
「「否定できない」」


ふっ、まったく否定できる要素がないな。


「自己紹介は終わったみたいだし、ここから質問するわね」
「スリーサイズ以外なら//」
「ほざけ」
「(´・ω・`)」


ツッコミが罵倒か……なんか興奮するな。


「とにかく質問を始めるわ。あなたはなんでこの地に来たの?」
「気づいたらここに着いた」


嘘は言ってない。


「そう、あなたは敵? それとも味方?」
「餌をくれる人の味方です」


主にアーシア嬢と朱乃とか。


「私の眷属にならないかしら? 毎日美味しい物あげるわよ?」


ふむふむなるほど。


「だが断る」


アラガミで手がいっぱいなのに何故悪魔にならんといかんのか。


「ちょっ、なんでよ! 餌くれる人の味方じゃなかったの!?」
「悪魔はちょっと……共食いとかあまりしたくないんだ……」


悪魔って美味しいよね。


「あんた、食べるつもりだったの……もしかしてバイザーを食べたのもあなたかしら?」


バイザー? ……ああ、あおヴィーナスモドキか。


「美味しかったです」
「まったく、あれは私たちの仕事だったのに……まあいいわ。被害が最小限に抑えられたのは感謝するわ」


やっぱりあいつ喰ってもいい悪魔だったのか。


「今度からああいう悪魔吾輩に回してくれないかな~、綺麗に喰べるからにゃ~」


とりあえず猫撫で声でリアスにお願いしてみる。


「その声でそれはやめなさい。気持ち悪いわ」
「うん、ごめん。吾輩もやっててそう思った」


おえぇぇぇぇぇぇぇぇぇ。


「まぁ、いいわ。でも外部の者にさせるわけにもいかないし……ねぇカオス、アーシアかイッセーの使い魔にならない?」


イッセーは嫌だがアーシア嬢ならいいんじゃねって思ってしまった。
実際アーシアならこき使われないだろうし、うんいいかも。


「アーシア嬢なら構わんぞ」
「ええ!? いいんですか!?」
「ならアーシアと使い魔契約しましょ」


朱乃が床に魔法陣を作る。なんでも本格的な使い魔の契約は準備が必要だから、とりあえず簡易的な契約にすることになった。


「準備できましたわ」
「アーシア、カオス、二人共魔法陣の上に乗ってちょうだい」


言われるままにアーシアと共に乗る。
すると魔法陣がうねり始め輝く、その光が吾輩とアーシア嬢を包んだ。
なんだか吾輩とアーシア嬢の間になんか繋がった気がする。なんかこう……スライムとスライムがくっつくみたいにべちゃ~ってな感じ。


「終わったわ。アーシア何か感じるかしら?」
「はい! なんか繋がってる感じがします!」
「大丈夫そうね。カオスの方はどうかしら?」
「繋がる瞬間めっちゃ気持ち悪かった」
「あら、魔力酔いでもしたのかしら?」


あれ酔いじゃなかったな。


「酔いじゃなかった気がする。何かがべちゃ~ってくっついた感じ」
「ん~分からないわね」


使えん赤髪だ( ゚д゚)、ペッ。


「あんた今失礼なこと考えたわね」


何故分かったし。


「顔に書いてあるわよ。繋がってるならいいわ」


そう言ってリアスは吾輩の目の前にやってくる。


「オカルト部として、グレモリーとしてあなたを仲間として歓迎するわ。よろしくね」


リアスは手を差し出してくる。その差し出された手を取り、握手をする。


「こちらこそよろしく。安定した食事に期待したい」
「食う事のほうが大事なのかよ……」


喰事は吾輩の人生である。ヤメラレナイ……トマラナイ……ムシャー……。
結局成り行きでアーシア嬢の使い魔になったが悪いことではなかったな。定食、おっとミス定職を得られたのはよかった。



あれから数日、平和だった。悪魔の仕事でアーシア嬢の護衛で共に行ったり、にぼしがうまかったり、イッセーに連れられ魔法漢女とアニメ見たり、小猫と喧嘩してボコったり、にぼしがうまかったり、木場と競争して

意外と接戦したり、朱乃の家でのんびり日向ぼっこしたり、にぼしがうまかったり、リアスとチェスで一度も勝てなかったりした。あとにぼしがうまかった。
今は――


「なあカオス……俺いつになったら部長のおっぱいを(ピー)で(バキューン)って(アッー!)できるんだろう

……」
「知らねぇよ?!」


こいつ体育の休憩中に猫になんて相談するんだよ。てか離れすぎ、30mくらい離れてるじゃねぇか。どんだけ俺に近づきたくないんだよ。


「いや~部長の眷属へのスキンシップってすごいじゃん。なんかこう……ムラっとくるんだよな~えへっえへ

っえへへへへ」


手をわきわきさせて顔がだらしなくさせてる。一体どんな妄想をしてるか考えたくもない。


「おっと、もう俺の番か。じゃ、行ってくるぜ」


手を振ってるイッセーに向かって尻尾を振って返事をする。
イッセーが遠ざかるのを見届けて昼寝に戻った。健康の秘訣は喰う、寝る、喰うだよね。





「やめろ……美由希やめるんだ……そんなじゃs……ハッ!」


なんて夢だ。
恭也と吾輩が椅子に座ってて、美由希がキッチンで料理をしてる。そんな普通の夢だったんだ。ただ……何故

か吾輩と恭也が鎖で縛られ、美由希の掻き混ぜてた鍋からSAN値直送させるような黒い怪物が見え隠れしてた。本当に恐ろしい夢だった……先に喰った恭也はなんかいあ! いあ! 言い始めた時なんて、軽く漏らしそうだった。


「もう夕方か」


部室行くか。朱乃くらいはいると思う。腹も減ったし、にぼしを摘みながらお茶を啜りたい。
今日ははぐれ悪魔討伐あるかな?
マイワシのにぼしにするかアジのにぼしにするか考えながら向かっているとあることに気づいた。


「なんか部室から香ばしい焼き鳥の匂いが……ジュルリ」


今夜は焼き鳥だ。





今目の前に部長の婚約者がいる。見た目はただのホスト崩れにしか見えない。名はライザー・フェニックスだ。
こんなやつに部長の処女を奪われるなんて許せねぇ! てかなんだよそのハーレム羨ましいなチクショッ!


「てめぇ何かに部長は渡さねぇ! この焼き鳥野郎!」
「焼き鳥だと……っ!」
「プッ……クスクス」


あんな険しい顔をしてた部長が笑い声を出さないように口元を抑えていた。ライザーと部長の間に立っていたグレイフィアさんは冷静そうに見えたが、微かに震えているのを俺は見逃さなかった。


「このクソガキがぁぁぁぁぁ!!」


顔を真っ赤にしたライザー炎を纏って殴りかかってきた。
俺は慌てて赤龍帝の籠手を出し、唖然となった。決してライザーにではない。そう――


「いただきまーす」


――俺はライザーの背後から突然現れた大きな口に唖然となったんだ。





 
 

 
後書き
この小説を書いてるとにぼしが食いたくなります。
やっと2巻に突入しました。一体いつになったら4巻に入れるのやら。


長門、陸奥……頼む出てきてくれ……あと赤城ボーキ食いすぎじゃ!


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