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恋姫~如水伝~

作者:ツカ
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IF 蜀侵攻
  二十九話

 
前書き
とりあえず投稿します 

 
曹操、劉備、孫権の三者による大陸の統治から、しばらくして。劉備が孫権と同盟し、魏に対して攻守同盟を結ぶつもりだとの情報が如水の元に届いた。

「あれだけ、見苦しい行為をして、まだこちらに敵対するとは。一体どういう神経なんだ、劉備は」
如水は再三に渡る劉備の醜態に呆れた。

華琳私室
如水は今までの諜報の結果を、華琳に報告した。
「呉と蜀が、攻守同盟を結ぶ様だ。目的は言うまでも無いだろう」
「私達への敵対でしょうね」
「ああ、二つが組んでようやく、こちらの半分の兵力だ。それに、孫家は、孫策の件もある。孫権がこちらに敵対してもおかしくは無い」
「劉備もこのまま黙っていないわ、呉と蜀と戦うとなれば、これからの戦いは国内の紛争ではなく、国外への遠征に為るわ」
「そうだな。だが、それを制すれば君は大陸の覇者だ」
「ええ、最初の目的は孫呉を討つわ」
「そうだな、劉備は今、南蛮平定に国力を注いでる。そこに付け入るより、安定している孫呉を討つ方が大義が作れるだろう」

その会話から数ヶ月後、呉と蜀が同盟を組み、魏への攻守同盟を結んだ。曹操はその同盟を受け、激怒を演出し。魏に敵対した蜀の劉備と組んだ、呉の孫権を討つ為、洛陽を発し、四十万の兵を向けた。

曹操は軍を左右二手に分け、第一軍は二十五万を華琳自身が指揮し。第二軍十五万は春蘭が指揮し、合流地の赤壁に向かった。

曹操軍の威容を見て、呉を見限り。魏に下った。

曹操軍本陣
「各地で呉を見限り、こちらにつく者が多いな」
「当然だ、華琳様の偉大さを知れば、誰だって臣下に下る」
「…言い方は変ですが。春蘭殿の言う通り、これだけの規模の軍容を見れば怯えます」
「せやけど、それでも対抗するちゅう事は、かなり気が強いちゅうことや。残りの奴らの方が手強いっちゅう事や」
「そうね、敵も対岸に配置している。そちらの方が厄介ね」
「そうですね~。兵力差は歴然なのに、こちらと戦う気ですから」
「何か考えがあるのでしょう、でなければ。このまま建業に進軍しましょう」
「そうね、こちらは船での戦いは圧倒的に不利だわ。向こうは必ず、それを狙うわ」

そこに、孫権側から投降して来た将が居る、との報告が駆け込んだ。
「黄蓋という者がこちらに投降して来ました」
「なに!黄蓋が」
報告を受けた春蘭らは驚いたが、如水だけは驚かなかった。
黄蓋の報告の内容では、周瑜のやり方と対立した結果。曹操軍に下ると決意したらしい。
「華琳さま、これは天運が味方しています、すぐさま眼前の孫権軍を討つべきです」
諸将は口々に開戦を唱え、黄蓋の技術を持ってすれば敵の主力を壊滅出来ると述べた。
そんな中、如水は反対意見を述べた。
「黄蓋殿の報告では、建業は現在、空らしいです。私の諜報でも同じ事を報告しています。この際、彼らを捨て置き、十万を監視にし、三十万の軍で相手の領土を全て奪えば面白いと思いませんか」
その言葉に黄蓋は驚き、自身の為にもここで開戦して欲しいと述べた。
「黄蓋殿、我々は貴女の為に、戦っていません。全ては主、華琳の為です。私怨で兵を動かしてはいけません。貴女も軍籍に属したなら、この言葉がわかるはずですっ…」
黄蓋を説得していた如水の異変に華琳らは驚いた。
「っつ…いえ、少々息が上がった様です、ご安心を」
「そう…」

如水の意見を取り、秋蘭、如水、稟ら十五万を指揮し、敵の主力警戒に当て、残りの二十五万の軍が孫呉の土地を占領した。

対岸の曹操軍と対峙していた孫権軍は眼前に敵が居る為、動けず。戦おうにも相手は開戦を避ける為、何も出来なかった。

その間、如水の体調は悪化し、軍の指揮を凪達に預け、横になっていた。その後、更に悪化した為、遂に洛陽に送還された。

その後、呉は魏に従属し、曹操は、呉の自治権を認めて、呉との戦いは終わった。

その報を洛陽の自室で聞き、自分の役目が終わりつつある事を知り、準備を整えた。

曹魏が孫呉を下し、従属してから劉備の方から使者が届いた。
如水はその言葉を、後から、病床で聞き、劉備の性格を疑った。
同盟国の孫呉が従属した以上、自分達も同盟したいとの事で、孫呉と同じ様に領土もそのままで、自分達と同盟を組みたいとの事だった。
当然、華琳は要求を跳ね除け。同盟を組みたければ、劉璋に領土の半分を返還する事、そして人質を孫権に差し出す事を条件とした。

そして、病床を見舞いに来た、華琳に質問した。
「なぜ、劉備の人質を孫権に渡すのだ」
「劉備の方が格下だとわからせる為よ、孫呉は私達と戦い力を見せた。それに、あの領地は元々、孫家のもの。対して劉備は劉璋から奪った方なのよ」
「なるほどな」
そして華琳は如水に病状を聞いた。
「どうなの。その体」
「いつぞやの占いの通りだ、君の統一と同時に私は消える。劉備はおそらくだが要求を跳ね除けるだろう。そうなれば、これが私の最後の戦いだ」
「そう…」
「そんな顔するな、どうせ散った命だった。また、君の覇道を支えられて満足している」
「っつ…だれが悲しんでいるって言うの」
「私は、別に、悲しんだ顔とは言っていない」
「口の減らない男ね」
「なら、清々するだろ私が消えても」
「そう。それが貴方の意思なのね」
「ああ。私は、この乱世で君に天下を取らせる」


二月後、劉備は曹操の要求を跳ね除け。魏と魏に従属した呉に対しての敵対を継続した。

その報せを受けた華琳は、如水の築城した城に軍を派遣し、西涼の馬騰を加え、蜀漢の討滅の為の軍。総数五十万を進軍し、孫権も援軍として、十万の軍を西進する事を約束した。
 
 

 
後書き
この話は完全にアンチ蜀なので、蜀ルートの好きな人には進められません。 
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