転生とらぶる
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魔法先生ネギま!
0334話
ネギの試験の相手にする、とエヴァに宣言された数日後。俺はあやか、千鶴、夏美という面子の他に、円と美砂、椎名の3人と一緒に学校へと向かっていた。
「はぁ……」
「アクセル君、元気ないけどどうしたの?」
「なんかエヴァちゃんに無茶振りされたらしいよ」
椎名と円の会話を聞きながら、数日前の事を思い出す。
エヴァにネギに対しての試験として戦えと言われた俺は当然拒否した。そもそもエヴァの弟子になるのに、何故俺と戦う必要があるというのか。そう言ったのだが、エヴァに今まで別荘や書庫を貸した恩だったり、闇の魔法を習得する為にプロトタイプとは言え魔法のスクロールを使った事を言われるとさすがに引き受けざるを得なかったのだ。
「ほら、元気出しなよ。何かあったら私が慰めてあげるから、さ」
俺が溜息を吐くのを見ていた美砂が、そう言いながら頭を撫でてくる。
「ちょっと、柿崎さん! またそうやって抜け駆けをして。ずるいですわよ!」
そんな風に既に見慣れたいつものやり取りをしながら教室へと向かうのだった。
「遅かったな」
……数日前同様に俺を待ち構えていたエヴァ。ただ、この前は上機嫌でこちらを待ち構えていたのだが、今日は逆に不機嫌に見える。
「何かあったのか?」
「ふんっ、ちょっとな。それよりも試験に関してだ。実行日は日曜の夜0時に世界樹の広場でだ」
「いや、まぁ、受ける以上はしっかりやるけど……何でこの前はあんなに上機嫌だったのに、今日になって急に不機嫌になってるんだ?」
一緒に登校してきた皆が自分の机へと向かったのを確認してエヴァへと尋ねる。
俺と仮契約をしている面子はともかく、夏美や椎名はこっちに関わっていないから余りその辺の話は聞かせたくないのだ。
「何でもない」
そう言って、プイッと横を向いたエヴァだったがその様子を見ていた茶々丸が口を開く。
「実は今朝、ネギ先生が古菲さんに中国拳法を習っている所をマスターが見てしまった為に不機嫌なのです」
「茶々丸、余計な事を言うな」
「失礼しました」
エヴァの声にペコリと頭を下げる茶々丸。
だが、なるほど。それで大体エヴァが不機嫌な理由が分かった。この前の説明で言うのなら、寿司職人になりたいとその道の大家に弟子入りを志願したにも関わらず、次の日には寿司屋以外の所で他の料理の修行をしていたという事だろう。
エヴァの説明にあったクッキングスクール的な扱いでなら複数の人物から教えを請うのも良かったんだろうが……
「いいか、アクセル。ぼーやの試験ではお前の特殊能力を使えとまでは言わないが、本気でやれよ」
「……いいのか?」
数日前の様子では、ネギが弟子入りを志願してきて表面上はともかく内心ではかなり喜んでいたようだった。だが俺が本気で戦うとなれば、とてもではないがネギが俺に勝てるとは思えない。何しろ戦いの経験値という点で俺とネギは圧倒的な差がある。
「何もぼーやには勝てと言ってる訳ではない。試験結果は戦いを見て判断する。それと試験の相手がアクセルだというのは秘密にしておくようにな。ぼーやは試験の相手を茶々丸だと思っているが、突発的な対処法も試験項目の1つだ」
「分かった」
まぁ、実際に弟子を取るエヴァがそういうのならしょうがない。俺はそれ以上は何も言わずに了解したのだった。
その後はネギが古菲に弟子入りしたというのがクラスに広まり、何らかの理由でエヴァから試験を出されたというのも同じく広がった。それは同時にネギの頑張りを知っているクラスの面々がネギを応援するという事であり……
「テンションダダ下がりだな」
月明かりが世界樹前の広場を照らす中、思わず呟く。
「ええいっ、別にクラスの連中がどう思おうが構わんだろうが。それより手を抜くような真似はするなよ」
「ほら、エヴァちゃん落ち着きなさいよ。600年を生きた吸血鬼なんでしょう?」
俺の低いテンションを見たエヴァを、近くにいた釘宮が取りなす。
そう、何故か俺だけでいいはずのネギの試験会場には、俺とネギ、茶々丸、チャチャゼロの他にもあやか、千鶴、円、美砂という俺と仮契約をしている4人が集まっていたのだ。
エヴァにすれば4人とも俺の従者だから、自分の勢力という認識なのかもしれない。
「アクセルさん、今回はマスターが迷惑を掛けまして大変申し訳ありません」
「ケケケ。ナンダカンダ言ッテモ結局ハ付キ合ウンダロウガナ」
申し訳なさそうな茶々丸と、その頭の上で身体を動かせないながらも愉快そうに笑っているチャチャゼロ。他の面々もネギの心配をしながら話をしていた。
そうして時刻が0時に近くなった時、とうとうネギがその姿を現す。
「エヴァンジェリンさん、ネギ・スプリングフィールド、弟子入り試験を受けに来ました!」
「ふふっ、来たか。では早速始めよう……って、分かってはいたが、そのギャラリーはなんとかならなかったのか」
呆れたようなエヴァの声。いや、こっちもあやか達がいる分文句は言えないと思うんだが。
向こうのギャラリーはネギの保護者である神楽坂、その親友である近衛に護衛の桜咲。そして中国拳法を教えて貰ったという古菲。この辺までは分かるが、何故か明石、佐々木、和泉、大河内の運動部4人組の姿もある。
……まぁ、あっちもあっちで何故かエヴァ側に俺達がいるのを見て驚いているようだが。
そんな周囲の混乱を無視してエヴァが口を開く。
「いいか。試験の内容は単純明快。貴様がそのカンフーもどきでアクセルに1撃でも入れられれば合格としてやる」
「……え? アクセル君? 試験の相手は茶々丸さんじゃないんですか?」
「いや、アクセルだ。今回の試験はぼーやの臨機応変さも見るのでな。それにあの時は茶々丸が相手をしたが、試験の相手が茶々丸だと言った覚えはないぞ」
「ちょっとっ、エヴァちゃん!? あんたネギを殺す気!」
「こ、殺!? アスナさん、どういう事ですか!?」
「修学旅行の最終日にも教えたでしょ、アクセルは強いのよ。それも半端じゃなく。あの犬上小太郎とかいう奴を瞬殺した所なんてまんまどこぞの魔王よ!?」
俺の実力をある程度は知っている神楽坂がそう説明するが、その説明は逆にネギの決心を固めるだけだった。
「アクセル君が強いとしても……いえ、だからこそ僕は負けられません!」
「その意気や良し! では……始め!」
エヴァのその声が響くと同時に、あやか達が使っているような子供用の杖を取り出して身体強化魔法を自らに掛ける。……『戦いの歌』と違って仮契約カードの魔力供給のような形式だが。
だがまぁ、エヴァも本気でやれと言っていたんだし、魔法には魔法だ。俺も魔法を使わせて貰うか。
『戦いの歌!』
ネギと同じく、俺もまた魔力を纏ってお互い対峙する。
「……」
だが、向き合って数秒。幾ら待ってもネギがこちらへと攻めてくる様子は無い。……カウンター狙いか?
チラリ、とエヴァの方を見るとコクリと小さく頷く。
俺の方から攻めていけという事だろう。確かにこのままお見合いをしてるだけでは意味が無いしな。
「行くぞ」
それだけ告げて、地面を蹴る。さすがに魔法について知らない面々もいるので瞬動等は使っていない。それでも『戦いの歌』の効果もあってその速度はかなりのものだ。
こちらをじっと観察しているようなネギへと向かい、牽制の意味も込めて顎を狙って掌底を放つ。
「っ!?」
ネギはその一撃をこちらの懐に入り込む事で回避し、掌底を放って伸ばされた右腕を外側へと弾き、こちらの顔面の防御を開ける。
「はぁっ!」
そして空いた顔面へと一撃を叩き込……まずに、腹を狙って肘打ちを放つ。しかし。
「甘い」
その場で半回転して肘打ちの一撃を回避。同時にしゃがみ込んでネギの足を狩る。
「うわっ!」
悲鳴を上げながらその場で半回転しようとしたネギの頭を右脚で軽くキャッチして怪我をしないように地面へと転がす。
地面に後頭部をぶつけなかったのを見て、こちらの様子を怖々と眺めていたネギ応援団からほっと安堵の溜息が漏れた。それに関してはあやか達にしても同じだが。
「どうした? もう終わりか?」
俺のその言葉に、キッとこちらを睨みつけながら立ち上がるネギ。地面に落ちる所だったのを足で受け止めた影響もありダメージ自体が殆ど無いというのも影響しているのだろう。
「まだです!」
そうして今度は待ちではなく自分から俺の懐へと潜りこんでくる。
殆どノーモーションで放たれた拳を、先程のお返しとばかりに拳で外側へと弾く。同時に空いた顔面へと左掌を突きつけて視線を封じ、ネギの太股へとローキックを叩き込んだ。
「うぐっ!」
太股へのローキックというのは、回し蹴り等の派手な技に比べると非常に地味だ。だが、太股というのは身体の中でもかなり頑丈なので下手に力を入れすぎて負傷させる危険性が少なく、そのダメージは脚に直接蓄積する。
……まぁ、俺の身体能力とかを考えると蓄積云々の前に1発で十分なのだが。
「ちょっ、ネギ! 大丈夫!」
「大丈夫アル。太股への一撃だから、見た目には脚がガクガクとしてるように見えるけどダメージ自体はそれ程大きくないアル」
「そ、そうなの? 良かったぁ……」
古菲の言葉に安堵の息を吐く神楽坂。だが、俺の目の前にいるネギは古菲の言葉よりも深くダメージを受けていた。
「……ありゃ? おかしいアルね。普通なら太股への一撃であんなにダメージは受けない筈アルが」
「ちょっ、本当に大丈夫なんでしょうね!?」
そんな声を聞きながら、脚をガクガクと揺らしながらも立ち上がってくるネギへと視線を向ける。
まぁ、無理もないと言えば無理もないのだ。何しろネギはあくまでも魔法使いであって近接戦闘の訓練をしている訳ではない。中国拳法にしても古菲に教えを請うてからまだ1週間といった所だ。幼年学校、士官学校時代、シャドウミラーと長年に渡り訓練してきた俺とは経験値から言って違いすぎる。
……1週間しか中国拳法を習ってないにしてはネギの動きは大分馴染んでいるように見えるが、な。
「どうした? もう終わりか?」
脚をガクガクとさせているネギへと先程と同じ問いを放つ。
すると当然負けず嫌いのネギはキッとこちらへと視線を向けて口を開く。
「まだです!」
再び自分への魔力供給を行い、こちらへと向かって突っ込んでくるネギ。こちらの鳩尾を狙って一直線に放たれた肘を身体を半身にして回避し、放たれた肘を掴み取ってその足を刈り取った。
「うわぁっ!」
同時に、地面へと叩き付けられる寸前に衝撃を殺すようにしてふわりとネギの身体を持ち上げてダメージを最小限に抑える。
そんな戦いが何分続いたか……10分以上は確実だろう。こうして未だに俺の前に立つネギに見た目上のダメージは殆ど無い。何しろネギが攻撃をする、俺が回避しながら投げる、地面に叩き付けられる直前にネギの身体を浮かせてダメージを極力抑える、といった事を繰り返しているのだ。そして再度同じように衝撃を極力殺して地面に叩き付けられたネギへと口を開く。
「どうした? もう終わりか?」
「ぜぇっ、ぜぇっ、ま、まだ……です」
ダメージ自体は殆ど無いとは言っても、体力的な問題で既に限界に近付いている。……否、限界を通り越しているのを気力で持ち堪えているというのが正しいだろう。
「アクセル、ちょっとやり過ぎよ!」
神楽坂の声が周囲へと響くが、俺はそれを無視してネギと向かい合う。
「その体力だともう殆ど限界だろう。次の一撃を最後にしようか」
「……ふぁい」
じりっとお互いが距離を計り……同時に地面を蹴る!
戦闘当初の勢いは無くなったものの、この短期間で見違える程に練度の増したネギ。その巧みさを活かして俺がボディを狙って放った拳を捌きながらこちらの懐へと入り込んでくる。そしてこちらの顎を狙って放たれる掌底。まともに一撃を加えても俺を倒すのは不可能と踏んで、脳を揺らして一撃KOを狙ってきたか。だが……
「甘いな」
こちらの顎を狙って放たれた一撃を右手で掴み取り固定する。同時にネギの腹へと左拳を当て……
「ふっ!」
密着状態からの一撃により、ネギの身体が半ば宙に浮く。
「がふっ……」
そしてそのまま気を失って地面へと横たわるのだった。
「そこまで! この勝負はアクセルの勝ちとする。……ただし、試験は事前に言っていた通りに勝負の内容を見て、だ。自分よりも力量が上の者を相手にしての戦い、その戦いの中で上がっていった戦闘技術。最後まで諦めないその意志。それ等を認めてぼーやを私の弟子とする事を許可する。神楽坂明日菜、ぼーやに伝えておけ」
「わ、分かったわ」
「それと、カンフーもどきはぼーやに合ってるらしいからそのまま練習を続けろと言っておけ。魔法に関しては私の家にくれば可能な限り教えてやる」
一見ふて腐れたようにも見えながら、どこか満足そうな表情でネギへと視線を向けるエヴァ。
こうしてネギの弟子入り試験は無事とは言えないまでもなんとか終了するのだった。
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:38
PP:625
格闘:262
射撃:282
技量:272
防御:272
回避:302
命中:322
SP:462
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
鬼神化
撃墜数:376
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