俺と現実とファンタジー
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part23 黒”蛇”戦 そして 後退不可能
……俺のせいでこんな黒髪の変態衣装と戦う羽目になっちまった……ついてねぇ……
しょうがねぇ、いつものことだと割り切るか!
俺は構えを取った。
「はぁっ!」
黒髪が黒い波動を放つのと――
「おぉっ!」
俺が駆け出すのは同時だった。
黒い波動は俺に当たり―――ものの見事に無効化された。
「!?」
自分の力をあっけなく消されたのがあまりに驚愕だったのか、無表情だった顔の目が見開かれた。
驚いている隙に俺は効果範囲の拡大を行い、黒髪の運動能力を”現実”レベルまで落とした…………
……はずだった。
「な!?」
足元から蛇のようなものを出し、後ろに下がった。……蛇は小さかったし、後ろに下がるといってもほとんど下がりきれていない、それに何故か息も少し上がっていた……が
何で無効化能力が効いていない? いや、効いてはいる、効いていなけれはあんなことにはなっていない。
……もしかして能力の”出力”が足りないのか!? クソッタレ……まだ制御は完璧じゃねぇってのに! ―――んなろ! こうなりゃ殴りまくるだけだ!
「おらぁっ! うらぁ! だらぁっ!」
黒髪に近づき、ジャブ! 続いて体のひねりを利用してストレート! 腰を入れて止めにアッパー!
「―っ!? かぁ……」
どうだ…………?
「うぐぅっ……!」
……ダメージはあるみたいだが、それでもまだ立ち上がるくらいはできそうだな……あいつ、見た目は黒髪の変態ゴスロリ服のチビだってのに、力はとんでもないんだな……おい……。
「お……前……強い……」
俺が強い……? 笑わせんな。
「ちげぇよ、俺は普通の人間より強いってだけだ。 俺が強く感じるのは、お前らが俺と同じ土俵に立たされているからだわな」
「……アル……ビオン……?」
「アルビオン? 違う、俺は普通の人より強い人間だ。それ以上でも以下でもねぇ」
「……そう……か……」
いつも以上に早く終わったな……さっさと帰って欲しいんだけどな……ていうか、このまま何もなく帰って欲しい……
「……我……また来る……」
…………?
「お前たち面白い……、だから……また来る」
……はぁ!?
「ちょっ、待て!?」
あ~もう! なんでこうなるんだよ! 泣きっ面に蜂ってこういう時に――――
「いたぞ……『無限の龍神』オーフィスだ!」
「『異質滅消』もいるぞ! やはりグルだったか!」
こういう時に使うんだよn……っておい!? 『異質滅消』ってなんだ! 格好悪! 誰だよそんな名前つけたの!?
………いや、今はそれどころじゃねぇ……問題は、”俺も敵認識されている”ってことだ!
まぁ、思いっきり主人公ぶん殴ったし、確執は深くても仕方ねぇわな。にしても、悪魔と堕天使か……見るの久しぶりだわな……
「何故じゃ……? 洗脳は翔太が殴った際に消えたはず……」
「何考えているかは知らねぇが、そんなの後にしろ! 来るぞ!」
「う、うむ!」
よしいつもどおり……いつも通りぶっ飛ばして逃げるだけだっての。シャグリーンも特訓のおかげで少しだけ力が戻り、戦うことが出来る様になっている。頼もしいこって。
「よっしゃ、行くぜ!」
俺は飛び上がりながら能力の効果範囲を広げる、そして堕天使がその効果範囲に入った瞬間―――
音もなく消えた。
「な!? ヴァルンが!?」
なぁ……この世界の神様よぉ……
「おのれ……よくもぉ……!」
あんたさぁ……
「くそっ、対オーフィス班は予定通り! 対滅消班は、初期警戒レベルよりも警戒レベルを上げろ!……同盟のため、友のため、この戦い負けるわけにはいかない!」
俺のこと絶対嫌いだろ……
クソッタレ……!
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