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遊戯王GX-音速の機械戦士-

作者:蓮夜
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-月一テスト-

 
前書き
月一テストの話です。 

 
side遊矢
今日は月一テストの日だ。
新入生にとっては、初めてのテストだからか緊張してる奴が多いな。
「三沢。お前のデッキって、まだ調整中なのか?」
三沢には何回かデュエルに誘ったものの、「調整中だから」と言われて断念したのだ。
「いや、もう完成したよ。なかなか納得いくデッキが作れなかったが、100%完全したよ。」
「そいつは楽しみだ。」
筆記試験で俺は二番で三沢は一番。
同じ程度の成績を持つもの同士が戦うのだから、俺の相手は当然、三沢だろう。
「筆記じゃお前に適わないが、実技じゃ負けないぜ?」
「伊達にラー・イエローのトップと呼ばれてはいない。全力で勝たせてもらおう。」朝から火花を散らしあっていたが、二人とも顔は笑顔だった。

三沢は樺山先生から用事を頼まれているようなので、試験が始まる時間までブラブラしていた。
すると、立ち往生している車を見つけた。
「何やってんだ?」
ふと、気になったので、車に向かってみると、おばさんが車を押そうとしていた。
…それは無茶だろう。
「おばちゃん、何やってんだ?」
「いやぁ、何だか車が動かなくなっちゃってねぇ…あんた、誰だい?」
「俺の名前は黒崎遊矢。機械関係にはちょっと詳しいんで、見せてくれないか?」
ガソリンが入ってる部分を見てみると、機械以外の物が入っていた。
「ああ、これだよおばちゃん。変な物が入ってたせいで、接触が悪くなったんだ…っと。よし、もう動くと思うよ。」
おばちゃんが試しにエンジンを入れてみると、車が動く。
「助かったよ遊矢ちゃん。お礼にこのカードと、新しいパックを一袋上げるよ。」
「そりゃどうも。おばちゃん、名前は?」
「私の名前はトメって言うんだ。購買にいるから、来てくれたらドローパンサービスしてあげるよ。」
そう言って、トメさんは車で走っていった。
「そろそろ試験開始か…乗せてもらえば良かったな。」
試験会場の教室へ向かった。

結論から言うと、試験は問題なかった。
問題といえば、十代が遅れてきて、翔と一緒に爆睡していたぐらいのことだ。
昼休みを入れて、次は実技テストだ。
「十代たちを起こしてやるか、三沢。」
「ああ、そうだな。…流石に、可哀想だ。」
起こしてやると、予想通り翔はうなだれて、十代は筆記試験など眼中にないようだった。
「あなたたち、新パックは買いに行かないの?」
明日香だ。これで、いつものメンバー集合。
「新パック?」
「ええ、今日は新パックの発売日よ。」
「だから皆走っていったのか。…ま、俺はいいや。三沢は?」
「俺も遠慮しておこう。デッキの調整は万全だ。」
だよなぁ。
「ああ、そういえば…十代、翔。ちょっと待て。」
「何だよ遊矢!!速く行かないと売り切れちまうだろ!!」お前ら行くのか。
十代のことだから、新しいカードが見たいだけだろうが。
「ここに新しいパックがあるんだが。」
「「「「何で!?」」」」
息が合ってて良かったな。
「実はかくがくしかじかということでな…五枚入りだから、一枚ずつ分けないか?」
「賛成ッス!!速く頂戴ッス!!」
パックを開け、見えないようにカードを机の上に置く。
「俺は最後で良いや。好きなの引け。」
「よし、まずは俺からだ!ドロー!!…進化する翼?相棒のカードじゃん!!サンキュー遊矢!!」
十代は良いカード当てたな。
「次は僕が引くッス!これだッ!!…やったぁ!!スーパービークロイド・ジャンボドリルだぁ!!これさえあれば実技テストも余裕ッス!ありがとう遊矢くん!!」
どういたしまして。
「明日香くん、先にどうぞ。」
「そう?悪いわね…じゃあこれにするわ。…恋する乙女?」
「似合わねぇー!!イタッ!!何すんだよ明日香!!」
そういうことは思っても口にだしちゃ駄目だぞ十代。
「では俺は、こいつにしよう。…剣聖−ネイキッド・ギアフリードか…強いが、俺のデッキには使えないな。」
三沢は良いカードを引けなかったか。
「じゃ、最後に俺が引くか。…キューピット・キスか…」
恋する乙女専用装備魔法だ。
「おい、そこの恋する乙女(笑)いる…イタッ!!」
そんな感じで昼休みは終わった。

ついに実技テストだ。
俺の相手は予想通りだった。
「行くぜ三沢!楽しんで勝たせてもらう!!」
「どちらがラー・イエローのトップか、このデュエルではっきりしよう!遊矢!!」
「「デュエル!!」」
『後攻』と表示される。…もういいや。
「俺が先行のようだな!ドロー!!」
さあ、三沢!お前はどんなデッキだ?
「俺はピラミッド・タートルを守備表示で召喚!!」
ピラミッド・タートル
ATK1200
DEF1400
ピラミッド・タートル…アンデッド族専用のリクルーターだ。
つまり、三沢のデッキは【アンデッド族】!!
「遊矢。俺のデッキがただのアンデッド族だと思っていたら、痛い目をみることになる。カードを一枚伏せ、ターンエンドだ。」
ただのアンデッド族じゃない?どういうことだ?
「俺のターン、ドロー!」
考えても仕方ない。
とにかく攻める!
「俺はマックス・ウォリアーを召喚!!」
ATK1800
DEF800
「ピラミッド・タートルを攻撃しろ!スイフト・ラッシュ!!」
マックス・ウォリアー
ATK1800→2200
「ピラミッド・タートルが破壊されたことにより、効果発動!デッキから馬頭鬼を特殊召喚!!」
馬頭鬼
ATK1700
DEF800
馬のアンデッド…?いや、アンデッドというよりは、どちらかというと妖怪だ。
「マックス・ウォリアーが相手モンスターを破壊した時、攻撃力、守備力は半分になり、レベルが2になる。」
マックス・ウォリアー
ATK1800→900
DEF800→400

カードを一枚伏せ、ターンエンド。」
「俺のターン、ドロー!遊矢。このデッキが只のアンデッド族でないことを証明させてもらおう!リバースカード、オープン!リビングデッドの呼び声!墓地のピラミッド・タートルを特殊召喚!!」
ピラミッド・タートル
ATK1200
DEF1400
「リクルーターを復活させてどうするつもりだ!?」
「こうするのさ!2体のアンデッドをリリースし、伝説の妖怪を召喚する!赤鬼、招来!!」
金棒を持った地獄の使い、赤鬼。
伝説のままの姿が、そこにはあった。
赤鬼
ATK2800
DEF2100
「赤鬼が召喚に成功した時、手札を任意の枚数墓地に捨てることで、捨てた枚数ぶん相手のカードを手札に戻す!地獄の業火!!」
マックス・ウォリアーとくず鉄のかかしが手札に戻される。
これで俺のフィールドはがら空きだ。
「更に墓地にある馬頭鬼の効果発動!!このカードを墓地から除外することで、墓地からアンデッド族モンスターを特殊召喚する!出でよ!龍骨鬼!!」
龍骨鬼
ATK2400
DEF2000
「ワンターンでこれだけやるとはな…流石だぜ三沢!!」
「だが、君もまだ終わらないだろう?」
「ああ。しぶといのが自慢でね。」
「龍骨鬼で遊矢にダイレクトアタック!」
「手札から速攻のかかしを墓地に捨て、バトルフェイズを終了する!」
かかしが龍骨鬼の攻撃を止める。
「やはりな…ターンエンドだ。」
速攻のかかしを読んでたのか…流石は三沢。
「俺のターン、ドロー!」
さあて、反撃だ!
「マックス・ウォリアーを再度召喚!!」
マックス・ウォリアー
ATK1800
DEF800
「手札断殺を発動!!お互いのプレイヤーは手札を二枚捨て、二枚ドロー!!」
前回のデュエルでは使わなかったが、毎度お馴染みあのコンボ!!
「墓地に送った二枚のリミッター・ブレイクの効果を発動!!デッキから守備表示で出でよ、マイフェイバリットモンスターたちよ!!」
『『トアアアッ!!』』
スピード・ウォリアー×2
ATK900
DEF400
「装備魔法、団結の力を発動し、マックス・ウォリアーに装備する!!」
マックス・ウォリアー
ATK1800→4200
DEF800→3200
「更に装備魔法、デーモンの斧!!マックス・ウォリアーの攻撃力を1000ポイントアップ!」
マックス・ウォリアー
ATK5200
「バトル!マックス・ウォリアーで赤鬼に攻撃!スイフト・ラッシュ!!そして、マックス・ウォリアーは攻撃する時、攻撃力が400ポイントアップ!」
マックス・ウォリアー
ATK5200→5600
「ぐああああっ!!」
三沢LP4000→1200
「マックス・ウォリアーは攻撃した後、元々の攻撃力・守備力が半分になり、レベルが2になる。」
マックス・ウォリアー
ATK5200→4300
DEF3200→2800
「カードを一枚伏せ、ターンエンド。」さっき手札に戻されたくず鉄のかかし。こいつで龍骨鬼の攻撃を防げば、次のターンで俺が勝つ!!
…しまった!説明しちまった!!
「俺のターン、ドロー!やるな遊矢!だが、俺の妖怪は不滅だ!魔法発動!生者の書-禁断の呪術-を発動!墓地から赤鬼を復活させる!黄泉の世界から再び現れろ!赤鬼!!」
ATK2800
DEF2100
「赤鬼は召喚時にしか能力を使えない。そして、生者の書-禁断の呪術-の第二の効果を発動。相手の墓地からカードを一枚選んで除外する。俺が選ぶのは速攻のかかし!」
これで速攻のかかしの再利用は出来なくなった。速攻のかかしをポケットに入れる。
「更に、酒呑童子を通常召喚する。」
酒呑童子
ATK1500
DEF800
「酒呑童子の効果を発動する。墓地のアンデッド族モンスターを2体除外し、カードを一枚ドロー!」
ドロー加速用の妖怪か…何を引いた?
「俺はサイクロンを発動!遊矢のリバースカードを破壊する!」
やっぱり説明は失敗フラグなのか!?
竜巻がくず鉄のかかしを破壊する。
「くず鉄のかかしか…破壊して正解だったようだな。」
「三沢お前、強いな。」
「妖怪という神々の力、思い知ってもらって嬉しいね!だが、まだだ!装備魔法、メテオストライクを赤鬼に装備!装備したモンスターは、貫通能力を得る!バトルだ!赤鬼でスピード・ウォリアーに攻撃!鬼火!!」
「ぐあッ!!」
遊矢LP4000→1600
「酒呑童子でもう一体のスピード・ウォリアーに攻撃!…これでマックス・ウォリアーの攻撃力は更に下がる。」
マックス・ウォリアー
ATK4300→2700
DEF2800→1200
「行け!龍骨鬼!!マックス・ウォリアーに攻撃!!」
三沢LP1200→900
「ぐっ…だが、龍骨鬼は、戦士族・魔法使い族とバトルしたダメージステップ終了じ、相手モンスターを破壊する!!マックス・ウォリアーを破壊!!」
ヤバいな…
「これで俺はターンエンドだ!」
俺のフィールドにはモンスターは0。
俺の手札は1枚。
墓地に起死回生のカードは無し。
そもそもデッキに起死回生のカードは無し。
それでもサレンダーをしてはならない。
「俺のターン、ドロー!」
さあ、最後のカードは…俺の知らないカード?


「お礼にカードをあげるよ」

あの時もらったカード…そうか、ウォリアーって名前だから、仲間がいるデッキに紛れ込んだんだな。
頼むぜ、俺の新しい仲間!!
「俺はラピッド・ウォリアーを召喚!!」
ラピッド・ウォリアー
ATK1200
DEF200
「ラピッド・ウォリアー…何だ、そのカードは!?」
「こいつは俺の新しい仲間だ!!バトルだ!!ラピッド・ウォリアーで攻撃する!!」
「攻撃だと!?妖怪たちには適わないぞ!?」
「ラピッド・ウォリアーの効果!このモンスター以外の攻撃を封じることで、相手モンスターを無視して、ダイレクトアタックが出来る!!ウィップラッシュ・ワロップ・ビーン!!」
「ぐああああああっ!!」
三沢、LP900→0
「よっしゃあああッ!!楽しいデュエルだったぜ三沢!!」
「くっ…負けたか…」




そんな感じで月一テストは終わった。
三沢を倒したのだからラー・イエローのトップになれるかと思ったが、筆記試験の方で差をつけられた結果、『ラー・イエローのダブルトップ』という名前を俺たちは襲名し、2人で苦笑いすることとなった。 
 

 
後書き
三沢のデッキはアニメの属性デッキではなく、漫画版の妖怪デッキです。

まあ、この小説は基本的にOCG遵守なのでアンデッド族になっているので、三沢が『妖怪』と言っててもアンデッドです。 
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