俺と現実とファンタジー
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part18 人神魔天 そして その思考
前書き
今回は、様々な人物のsideで話が進みます
sideアゼザル
俺はヴァーリが持ち帰った情報と報告を部下の堕天使から聞いていた
「以上で今回の報告は終わりです」
「ああ、下がっていいぜ……」
「はい、アゼザル総督」
俺の言葉を聞き、部下は扉の向こうえ消えた。
……とんでもない事態になったな……
報告によればヴァーリが到着した時にはコカビエルはもう倒されていたということだ。
それだけならまだ良かった……問題は―――
―――リアス・グレモリーとその眷属も一緒に倒されていたからだ……
つまり、リアス・グレモリー達が倒したわけではなく、別の第三者が倒したということになり、
倒した人物を探さなければいけないという仕事も増えたからだ……メンドクセーなー……
……しかし、この第三者は謎な部分が多い。
まず、コカビエルや、リアス・グレモリー達の傷のことだ。あいつらがおった傷は全て、打撲傷なんだよな……つまり魔法や異能の類はほぼ使っていないという可能性が高い。まあ、体強くする魔法やらもあるから絶対そうとは言い切れないけどな。
……だが問題はこれではなく、コカビエルの傷のことだ。報告によると、目立った傷は三箇所しかないらしい。
コカビエルは決して弱くない。なのにそれを打撃三発で倒したということだ。化けもんかよ……
そのうえ、その第三者は、リアス・グレモリー達とも戦い勝利した。……つまり、最悪そいつはコカビエルとグレモリー眷属を同時に相手にして、それでも勝ったということになる……
……本物の化物かよ……
……ヴァーリが嬉しそうにしている顔が浮かびやがる……
あ~問題が山積みじゃねぇか……
「た、大変です! アゼザル総督! コカビエルが!」
「な! 脱走したのか!?」
「死にました! 何の前触れもなくいきなり!」
「なんだと!?」
sideサーゼクス
……リアスたちが何者かに手酷くやられ、治療中だという情報が入ってきた。
すぐにでも駆けつけようとしたがグレイフィアに、
「幸い傷はそこまで深くないそうです。心配なのはわかりますが、今は魔王として職務をこなしてください。あなたが勝手に抜けたせいで仕事が溜まっているのですよ? サーゼクス様」
そう言われ、私は黙々と仕事をこなしている……無事でいてくれ……リアス……
■
仕事が一段落したとき、リアス達が目覚めたという吉報が来た為、グレイフィアをつれ、リアス達が居る病室へと足を運んだ。
……なんだ? なんだかリアス達の様子が変わったような……まるで何かに操られているかのように妄信的な行動をし、最近はそれが特にひどかった。
だが今はそれが取れたような顔をしている……何なんだ? ……まさか……
「……! ルシファー様!」
リアス達は私に気づき、頭をたれた。……ったく、こんな時まで……
「いいんだ、リアス。今は一人の兄として妹とその眷属を見舞いに来たんだから」
そう言っても暫はく頭を上げず、やがて決心したように頭を上げた……ふぅ、やっとか。やっぱり堅苦しいのは嫌いだな……さてと
「リアス、お前に聞きたいことがあるんだ」
「はい、なんでしょうか……」
……思えばあの男が来てからリアス達は変わったんだったな……今はこの病室にいないが……
「……龍宮 朧について、詳しく聞かせてくれ」
side曹操
「どうしたんだい? 報告を聞いてから随分嬉しそうじゃないか、曹操」
どうしただって? 嬉しそうだって? 当たり前だろ、ジーク?
「とんでもない力を持つ男が現れたんだ。しかも、その男は人間ときた! 二つの意味でとても嬉しいんだ。それに、一つは絶対に叶えられるしな」
「なるほど、確かにね。じゃあ、もう一つがうまくいかないかもしれない理由は?」
「まだまだ未知数な部分が多いから……だな」
だが……神をも貫く絶対の槍、『黄昏の聖槍』には勝てるかな?
ま、油断は禁物だな。
「さてと、ヴァーリも動くみたいだし、こちらも行動するか」
『禍の団』の本格始動だ。
sideシャグリーン
……あの街を離れてから三日か……
そんなことを考えながら、数日前にあったことをわしは思い出していた……
■
「遅いのぉ翔太……まさか、また厄介事に巻き込まれとるんじゃ……」
あやつの不幸ぶりなら有り得る! 一応、鉄甲セットは持っていったみたいじゃが……心配じゃ……今すぐ迎えにいくか?
すると、後ろから翔太の声がした。
「よお……待たせちまったみたいだわな」
おお! この声は!
「待ちくたびれたぞ! 翔……太?」
「ん? どうした、転生前の俺みたいに固まって」
「お主……その容姿は……何じゃ……!?」
「容姿?……それがどうしたんだって」
「お主、灰色の髪に、青い目になっておるぞ……!?」
「あ?……あ、ホントだ。……にしても随分濁った色だな……」
なにが……何があったんじゃ……。
それに変わったのは容姿だけではない……雰囲気も変わっとる……。前はどこか抜けていて、それでいて甘い雰囲気もあった、……じゃが今の翔太はその部分をほとんどをとっぱらったようでいて、そうではない様な複雑な雰囲気をまとっていた……。
「……何があったかは後で話す。さっさとこの街をでるぞ」
「……うむ……」
■
後から翔太の話を聞き、今まで感じたことのない怒りを覚えた。
とことんふざけおって……本性を表したのは貴様の方じゃろうが、茶髪……!
リアスと言う奴もその部下共も、茶髪を疑いもせず盲信しおって……洗脳されていても、何が正しい事かぐらい分かるじゃろうに……
……ん?翔太の奴ちょいと嬉しそうな顔で走り寄ってくるの……何かあったんじゃろうか?
「シャグリーン……お前、前に言っていたよな、『俺の力はまだパワーアップする』って!」
「ああ、ゆうたが…… !? ……まさか、翔太……!?」
「ああ、出力制御はまだだが……パワーアップしたぜ」
後書き
次回……
(ちなみに茶髪はまだ死んではいません)
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