| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

茶番王 裏生徒会モンスターズmemkontento

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
< 前ページ 目次
 

今日のメニュー

 
前書き
memkontento:自己満足


今回は決闘無し。決闘前のルール解説です。 

 
 「……おじゃまします」
 玄関の方から凌霄(ノウゼン) 葉蓮(ハレン)の声がした。
 「はーい」
 節黒(フシグロ) 仙翁(センノウ)は答えながら、立ち上がって玄関に向かった。
 しかし盗浦(ヌスウラ) 峰年(ミネトセ)はソファに座ったまま動かなかった。
 それは至極簡単な理由で、特に動く理由が思い浮かばなかったからだ。
 ここは仙翁の家である。峰年が出向くことも無い。ゲストを迎えるのはホストの仕事である。
 しかし何故かこういう行動は非難されることが多い。
 果たして、誰が喜ぶ友情ならば、認められるのだろう。峰年はそうぼんやりと思ったところで気づいた。
 先に来たゲストがここにいるのは、珍しいことでも非難されることでもない。非難されると思っているのは峰年だけである。
(まったく……、これだから革命家気取りは……)
 峰年が内心で溜め息をついていると、仙翁と葉蓮が入ってきた。
 「峰年君、どうしたの?」
 仙翁が峰年の顔を見て、唐突に尋ねた。
 「それは私が聞きたい。いきなりどうした?」
 「ううん。なんかちょっと疲れてるみたいだけど」
 「フッ、私が疲労していたり憑依されてることなんて、よくあるだろ?」
 「まぁそうだけど…」
 仙翁は苦笑した。
 「……まぁ、相も変わらず平常通り下らないことを回転させていただけだ」
 峰年は脇に置いたデッキを手に取った。
 「……で、何をするんですか?」
 葉蓮は正方形な近い机の1辺を陣取り、用意されていたクッションに正座した。
 「いやなに、仙翁が面白いものを見せてくれると言うのでな」
 仙翁と峰年はそれぞれ葉蓮と90°の位置に座った。つまり2人は向かい合うことになる。
 「……で、今回の盗浦先輩の無茶振りはなんなんですか?」
 葉蓮は目を半分だけ閉じてぶっきらぼうに尋ねた。しかしそれはいつもの葉蓮であり、いつもより特に不機嫌というわけではないようだ。
 「今回は……」
 峰年はゆっくりと口を開いた。
 「クェーサー3体と、ハルバード・キャノン2体を出してもらう」


 裏生徒会に遊戯王の波が来たのは1週間前。
 仙翁の両親の知り合いに、様々なカードを持っている、小鶴(オヅル) 十楽(トラク)という人物がいた。ボルバルザークがプレミアム殿堂入りする前にバーレスクのデッキを編み出した男だ。
 それを偶然知った峰年が仙翁を介してその人に話をしたところ、数人がデッキを作るのに必要なカードなら大体余っているらしい。
 それを無期限に借りることによって、裏生徒会の面々は遊戯王を始めることが出来たのだ。
 「……つまり、レベル12シンクロモンスター5体ですね」
 「いかにも」
 峰年は頷いた。
 「しかし私はそれだけでは足りないと思った……」
 峰年は続けた。
 「ということは、何か条件を追加でも?」
 「そう。そもそも、いかなるカードも無尽蔵に引けるのならばチューニングサポーターを機械複製術で増やしてシンクロキャンセルを繰り返したり、王立魔法図書館を出して魔法を連打すれば無限に近い手札が得られる。しかし私はそんなものを望んでいるのではない。私が求めているのは、私の想像を越えた、非現実的でピンポイントな集中力と狂気に満ちたプレイングなのだよ」
 「へぇ、そうなんですか」
 「うーん……、期待に添えるかなぁ……?」
 仙翁は苦笑した。
 「というわけで、仙翁には2つの枷を課すことにした」
 峰年は人差し指を折ってそれ以外を広げた。
 「はぁ」
 「1つ目、メインデッキには、1つのカテゴリのカードしか入れてはならない」
 峰年は、手で4を表すようにした。
 「カテゴリっていうと……、代行天使とかですか?」
 「まぁ別に具体的に考えて言っているわけではない。代行天使使いたいなら天使族と言って済ます荒業もあるしな」
 「種族って、カテゴリなんですか?」
 「カテゴリのようなものだ」
 峰年は嘯(ウソブ)いた。いつものことである。
 「……」
 「そして2つ目、」
 峰年は再び人差し指を折ってそれ以外を広げた。
 「同一カードは1枚まで」
 「……ということは、例えば究極竜(アルティメット・ドラゴン)のような複数ありきなカードは出せないということですか?」
 「出せないのか?仙翁」
 峰年は仙翁に話を振った。
 「えっと、沼地とプリズマーがいれば可能だよ」
 「そうなんですか」
 「まぁ、言いたいことは分かる」
 峰年は頷いた。
 「しかしDボーイズだろうと1体までだ」
 「Dボーイズ?」
 葉蓮は訝しげな声を出した。
 「あぁ……」
 峰年はスマートフォンをいじったり待ったりすると、画面を葉蓮に見せた。


 Dボーイズ 闇属性 星1 悪魔族 100/1000

 リバース:デッキから「Dボーイズ」を任意の数だけ表側攻撃表示で特殊召喚できる。その後、自分はこの効果で特殊召喚したモンスターの数×1000ポイントのダメージを受ける。


 「……分かりました」
 「ということだ、何か質問は?」
 「……」
 葉蓮は黙った。
 「…あの、」
 そして暫くして口を開いた。
 「ん?」
 「なんだね?」
 峰年と仙翁は葉蓮を見た。
 「レベル12シンクロって、シンクロ素材が3体ですよね?」
 「そうだな」
 「そうなると、4体目のレベル12シンクロを出す前にモンスターが3体いて、4体目のレベル12シンクロを出す為のシンクロ素材の為のスペースが無いんじゃないですか?」
 「……成る程な。確かにそれは私も考えた」
 峰年は頷いた。
 「だがまぁ、色々手はあるだろうきっと。いざとなれば、カードを1から創造すればいいだけだし」
 「それでいいの?」
 仙翁はクスリと笑った。
 「まぁ、それはそれで価値があるからな」
 「……手はあるよ」
 仙翁は葉蓮の方を向いた。
 「……そうですか」
 「……さて、始めようか」
 「そうだね」
 峰年と仙翁は向かい合った。
 互いに自分のデッキをシャッフルし、相手のデッキをカットする。
 「……あぁそうだ。言い忘れていたよ。1ターンの制限時間は無い。異常に早いテンポで処理されても私は見られないからな」
 峰年が付け加えた頃には、2人共手札を5枚持っていた。
 ……
 「決闘!」
 「あ、言うんだ、ごめん」
 「打ち合せしてなかったんですか?」 
 

 
後書き
さるとんどる。おみのづえSPです。
なんつーか…
書きづれぇぇぇ!
いやあれなんですよ、ずっとこいつら書いてなかったからキャラが浸透してないんですよ。
そのくせ初見さんにはいらない個性だし…
…ともかく、ついてこーい! 
< 前ページ 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧